「フローズン・ビーチ」稽古、鈴木裕美が太鼓判「彼女らのファンなら絶対観て」

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KERA CROSS 第1弾「フローズン・ビーチ」の公開稽古と会見が、本日7月2日に東京都内で実施された。

KERA CROSS 第1弾「フローズン・ビーチ」稽古場より。上段は鈴木裕美。下段左から鈴木杏、ブルゾンちえみ、花乃まりあ、シルビア・グラブ。

KERA CROSS 第1弾「フローズン・ビーチ」稽古場より。上段は鈴木裕美。下段左から鈴木杏、ブルゾンちえみ、花乃まりあ、シルビア・グラブ。

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ケラリーノ・サンドロヴィッチ(以下KERA)作による「フローズン・ビーチ」は、ナイロン100℃が1998年に初演し、第43回岸田國士戯曲賞を受賞したミステリーコメディ。劇中では1987年から2003年までの16年間が8年刻みで描かれ、本日7月2日の公開稽古では1987年を舞台とする第1場が公開された。

KERA CROSS 第1弾「フローズン・ビーチ」稽古場より。

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KERA CROSS 第1弾「フローズン・ビーチ」稽古場より。

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舞台は、大西洋とカリブ海の間に浮かぶリゾートアイランドにある、別荘のリビング。別荘の持ち主・梅蔵は島を開発している資産家で、双子の姉妹・愛と萌の父親だ。愛を訪ねて旧友・千津とその友人・市子はバカンスにやって来る。ただならぬ雰囲気を漂わせる愛と千津だったが、そこに梅蔵と後妻の咲恵が予定より早く旅先から戻って来て……。

KERA CROSS 第1弾「フローズン・ビーチ」稽古場より。

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KERA CROSS 第1弾「フローズン・ビーチ」稽古場より。

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出演者は軽妙な掛け合いを繰り広げ、表情や仕草で登場人物たちの不穏な関係性を描き出す。鈴木杏演じる千津が3人の会話を不安げに見守る中、ブルゾンちえみ演じる市子はエキセントリックな言動で場をかき回し、花乃まりあ演じる愛は咲恵への敵意をむき出しにする。さらに目の不自由な咲恵役のシルビア・グラブは、明るい笑い声で咲恵のあっけらかんとした性格を表現した。

KERA CROSS 第1弾「フローズン・ビーチ」稽古場より。上段は鈴木裕美。下段左から鈴木杏、ブルゾンちえみ、花乃まりあ、シルビア・グラブ。

KERA CROSS 第1弾「フローズン・ビーチ」稽古場より。上段は鈴木裕美。下段左から鈴木杏、ブルゾンちえみ、花乃まりあ、シルビア・グラブ。[拡大]

稽古後に実施された囲み取材には鈴木杏ら出演者のほか、演出を担当する鈴木裕美が出席。鈴木裕美は「この4人はみんな、他人の意見を受け入れたり尊重したりしてくれて素敵。『面白くするためなら何でもやります』という空気もあって、『できない!』とか言う人が1人もいない(笑)」とキャストに厚い信頼を寄せる。本作については「劇中では殺したり殺されたりしますが、救ったり救われたりすることもあって、不思議な作品」と紹介し、「4人がとにかく魅力的。彼女らのファンなら絶対に観たほうがいい!(笑)」とアピールした。

左から鈴木杏、ブルゾンちえみ。

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稽古に取り組んだ感想を「大変」と話す鈴木杏は、「やろうと思えばいくらでも稽古できてしまう台本だと思います。稽古期間はどれだけあってもいいなと……」と胸の内を明かす。自身の演じる千津役については「なんというか、小物(笑)。思いが溢れて空回りしてしまう人なので『もう少し器が大きければ……』と思いますが、そこがいじらしさでもあります」とコメントし、「楽しみながら苦しんでいますが、稽古するほど内容が深まるのを実感しています」と手応えを語った。

KERA CROSS 第1弾「フローズン・ビーチ」稽古場より。

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今回が初舞台のブルゾンはKERA作品の印象を問われると、舞台経験の豊富な共演者たちを示しながら「“こちら側”の方でも難しいって言ってるのに、私が読めんのかい!?という感じです」と率直に話して場内を笑いで包み、舞台ならではの苦労については「舞台上ではうそがバレてしまうので、ちゃんと(役柄が)“染みついて”いなければいけないなと」とコメント。またインタビュアーから「現時点で出来栄えは何点?」と尋ねられたブルゾンは、「35億!……って言えるようにがんばります!」と気合十分に回答した。

左からブルゾンちえみ、花乃まりあ、シルビア・グラブ。

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体調不良で降板した朝倉あきに代わり本作に出演する花乃は、出演が決まった際の心境を「えらいこっちゃと思いました」と振り返る。座組のメンバーに「とても愉快で優しく、尊敬できる皆さん」と笑顔を向ける花乃は、「難しい作品ですが、裕美さんはわからないことに『わからない』と言うのを許してくださって、私が理解できるまで見届けてくださいます」と笑顔を見せ、「すべてをかけて務めたい」と意気込みを語った。

KERA CROSS 第1弾「フローズン・ビーチ」稽古場より。

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カンパニーの印象を「体育会系みたいなノリ」と話すシルビアは、「ずっと稽古場で笑っていますが、家に帰るとびっくりするほど疲れています(笑)」と稽古の充実ぶりを語る。また初めて一緒に仕事をする鈴木裕美に対しては「出演者以上に台本への疑問を指摘してくださって、1人で読むよりいろんな知識を得られる」と信頼を口にし、「いつかミュージカルでもご一緒できたら」と笑顔で述べた。

本公演はKERAの戯曲をシアタークリエで連続上演するシリーズ「KERA CROSS」の第1弾として実施されるもの。本作は7月12日から14日まで神奈川・杜のホールはしもと ホールで実施されるプレビュー公演を皮切りに、新潟、福島、東京、大阪、静岡、愛知、高知、香川で上演される。

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KERA CROSS 第1弾「フローズン・ビーチ」

2019年7月12日(金)~14日(日)※プレビュー公演
神奈川県 杜のホールはしもと ホール

2019年7月25日(木)
新潟県 長岡市立劇場 大ホール

2019年7月28日(日)
福島県 いわき芸術文化交流館 アリオス 大ホール

2019年7月31日(水)~8月11日(日・祝)
東京都 シアタークリエ

2019年8月16日(金)~18日(日)
大阪府 サンケイホールブリーゼ

2019年8月21日(水)
静岡県 静岡市清水文化会館(マリナート)大ホール

2019年8月23日(金)
愛知県 日本特殊陶業市民会館 ビレッジホール

2019年8月28日(水)
高知県 須崎市立市民文化会館 大ホール

2019年8月31日(土)
香川県 レクザムホール(香川県県民ホール)小ホール

作:ケラリーノ・サンドロヴィッチ
演出:鈴木裕美
出演:鈴木杏、ブルゾンちえみ、花乃まりあシルビア・グラブ

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DL @David_Lam10

なんと高知県での公演もある/「フローズン・ビーチ」稽古、鈴木裕美が太鼓判「彼女らのファンなら絶対観て」 - ステージナタリー https://t.co/sWipiGRTI9

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