「DANCE DANCE ASIA―Crossing the Movements 東京公演 2019」の公開リハーサルが、本日6月27日に東京・東京芸術劇場のリハーサルルームで行われた。
2014年にスタートした「DANCE DANCE ASIA」は、ストリートダンスを通してアジアのダンサーの交流を促進すると共に、ストリートダンスを軸とした舞台作品の共同制作を行うプロジェクト。今年19年は、日本と東南アジアの文化交流の祭典「響きあうアジア」のメインプログラムの1つとして行われる。
リハーサルでは、タイのNikiiが振付・演出を手がける「Inception―夢のまた夢のまた夢のまた夢…」と、ベトナムの3Tが振付・演出を担当する「What if…Just dance それでも僕はダンスを続けていく」が披露された。
「Inception」は、出演者であるGAMEZ(タイ)、KEIN(日本)、MC Buck(ベトナム)、Topiek SmallBlack(ラオス)、VI VIEN(マレーシア)が、今回のクリエーションで仲を深めていく過程が、そのまま作品に落とし込まれている。作中では、縄跳びや風船などの小道具を使いながら、出演者それぞれのキャラクターのエピソードがポップに紡がれた。また、ヒューマンビートボックスとして参加するWadafu*k(タイ)のパフォーマンスや、観客に配られる風船など、さまざまな仕掛けも楽しい作品になっている。
リハーサルを終えたNikiiは、「夢の形は人それぞれ。今回はそれを、風船に変えて表現しました」と本作のテーマについて語り、上演中に一部の観客へ配られる風船にメッセージが付いていることを補足する。サンプルで読み上げられたテキストには、「あなたはあの人にはなれない。でもあの人もあなたにはなれない」と記されていた。振付・演出補佐の
続いて披露された「What if…Just dance」は、東南アジアの男性の抱える“生き辛さ”をテーマにした作品。駅で流れる電車のアナウンス音をBGMに、目と耳、そして口を押さえながら、CANCEL(ベトナム)、Cheno(タイ)、C-Lil(ラオス)、GEN ROC(日本)、Sakyo(日本)が激しいダンスを繰り広げる。作品の後半では、男性が背負う“責任”についての問いが多言語で直接的に演者へ投げかけられ、演者はそれにダンスで呼応した。
3Tは「若い頃はストリートで踊っていても、家庭を持ったらダンスは辞めるのが(暗黙の)社会のルール。職業として認められるのは難しい」とベトナムで表現者でいることの難しさを述べ、「この現状について理解を求める助けになれば」と今回のコンセプトを明かす。振付・演出補佐のKATSUYAは、「素晴らしいコンセプトだと思った」と続き、「この作品をさらにいいものにする色付けができたら」と意気込みを語った。
「DANCE DANCE ASIA―Crossing the Movements 東京公演 2019」は、7月12日から14日まで東京芸術劇場 シアターウエストにて。上記2チームのほか、KITEとFISHBOYのユニット・Crazy Rollersや、GANMI、kEnkEnのチームも参加し、各回3作品が上演される。
「DANCE DANCE ASIA―Crossing the Movements 東京公演 2019」
2019年7月12日(金)~14日(日)
東京都 東京芸術劇場 シアターウエスト
6週間のクリエーションによる共同制作2作品
「What if…Just dance それでも僕はダンスを続けていく」
振付・演出:3T(ベトナム)
振付・演出補佐:KATSUYA(日本)
音楽:SNG(日本)
出演:CANCEL(ベトナム)、Cheno(タイ)、C-Lil(ラオス)、GEN ROC(日本)、Sakyo(日本)
「Inception―夢のまた夢のまた夢のまた夢…」
振付・演出:Nikii(タイ)
振付・演出補佐:
出演:GAMEZ(タイ)、KEIN(日本)、MC Buck(ベトナム)、Topiek SmallBlack(ラオス)、VI VIEN(マレーシア)、Wadafu*k(タイ)
日本×アジア スペシャルユニット3作品
「Non-fiction」
振付・演出:Crazy Rollers(日本)
出演:KITE(日本)、FISHBOY(日本)、Marzipan(シンガポール)、MTpop(ベトナム)、HIRONA(日本)、Kru Add The Salor(タイ)、雅勝(日本)
「GANMI GAKUEN」
振付・演出:GANMI(日本)
出演:GANMI(日本)、Les Paul Sanez-MVMEANT(フィリピン)、Melrein Viado - MVMEANT(フィリピン)、Kyle Collantes-MVMEANT(フィリピン)
「free-style」
振付・演出:kEnkEn(日本)
出演:kEnkEn(日本)、Liang(シンガポール)、JUMPEI(日本)、RenZ(フィリピン)、Te Double Dy(マレーシア)
※上記5作品の内、各回3作品を上演。
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