6月から7月にかけて全国の会場で上演される「松竹大歌舞伎」東コースの製作発表が、本日5月24日に東京都内で行われた。
「松竹大歌舞伎」は全国公立文化施設協会が主催する巡業公演。今年2019年度の東コースは、松本幸四郎改め二代目
会見には白鸚、幸四郎、全国公立文化施設協会の松本辰明専務理事、松竹の安孫子正取締役副社長が登壇した。白鸚は今年3月から4月にかけて実施された「松竹大歌舞伎」の巡業公演に参加したことに触れ、「6月・7月も全身全霊で、一期一会の舞台をお目にかけたいと思います」と挨拶。続く幸四郎は今回勤める「引窓」の南方十次兵衛について「大好きで縁のあるお役で襲名披露をさせていただくこと、大変幸せに思っております」と喜びを口にし、「襲名披露はお祝いしていただく公演ですが、私は口上も含めて3演目すべてに出ていますので、自分で自分を祝っているようなところもあります(笑)」と会場の笑いを誘った。
記者から、襲名から約1年半が経った現在の心境について問われた幸四郎は「これまでの襲名披露公演では、皆様からたくさんお力をいただきました。これから先、何をやっていくのか?ということが大事なのかなと思います」と言葉に力を込める。白鸚は「息子に幸四郎の名を渡しましたが、長女の松本紀保、次女の松たか子も女優として奮闘しております。3人の子供に私のやってきた仕事を渡すことができたような気がいたします」と感慨深げに述べた。
白鸚は今回の巡業に向け、「歌舞伎座で歌舞伎をご覧に入れるのも歌舞伎俳優の勤めですが、各地へうかがって歌舞伎をお見せするのも大事な勤め。『白鸚よかったね』『幸四郎よかったね』『猿之助よかったね』と言っていただけるような舞台をお目にかけたいです」と意気込む。
最後に幸四郎は「『引窓』『かさね』、どちらもドラマがある作品ですが、ストーリーだけでなく、衣装やかつら、メイク、音楽、舞台美術も見どころ。そして歌舞伎には女方という要素もありますので、初めて歌舞伎を観る方もに何かしら興味を持っていただけると思います」と語り、「“ナビをしない”というのが私の歌舞伎の紹介の仕方なので、何かを探しにくるような感覚で観ていただけたら。お客様に安心して楽しんでいただけるような“おもてなし”をさせていただきたいです」と結んだ。
「松竹大歌舞伎」東コースの巡業公演は6月30日から7月31日まで。
2019年度(公社)全国公立文化施設協会主催「松竹大歌舞伎」東コース
2019年6月30日(日)~7月31日(水)
演目
一、「二代目 松本白鸚 十代目松本幸四郎 襲名披露 口上(こうじょう)」二、「双蝶々曲輪日記 引窓(ひきまど)」
南与兵衛後に南方十次兵衛:松本幸四郎
女房お早:市川高麗蔵
三原伝造:大谷廣太郎
母お幸:松本幸雀
平岡丹平:松本錦吾
濡髪長五郎:松本白鸚
かさね:市川猿之助
与右衛門:松本幸四郎
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