「恐るべき子供たち」が本日5月18日に神奈川・KAAT神奈川芸術劇場 大スタジオで開幕。これに先駆け、昨日17日に囲み取材とゲネプロが実施された。
「恐るべき子供たち」は、フランスの詩人・劇作家・小説家
本作の舞台上には、大きな白い和紙が幾重にも重ねられている。劇中では登場人物が和紙をめくってベッドに見立てたり、和紙で海が表現されるほか、天井や舞台背面、側面に和紙が吊るされ、劇場に幻想的な空間が立ち上がった。
ゲネプロ前に行われた囲み取材には演出の白井、南沢、柾木、松岡、馬場が出席。南沢はカンパニーの雰囲気について「和気あいあいとしています。みんな、役でないときも役のポジションになっているというか……」と話し、ポール役の柾木について「本当に弟みたいで、優しくしようとすると照れるんです。のど飴をあげようとしたら『いらない!』と言われました(笑)」とエピソードを明かし報道陣を和ませる。「役に入れた実感はありますか?」とインタビュアーに質問された柾木は、「何かきっかけがあったわけではありませんが、みんなと一緒に稽古をしていった中で役に入り込めたと思えるようになってきました」と手応えを語った。
「ミュージカル『テニスの王子様』」や「劇団☆新感線『髑髏城の七人』Season月」への出演で知られる松岡は、これまでの出演作品と本作の違いを問われると「今までの作品よりさらに、言葉の意味をしっかり伝えることを意識しています。一文一文についてよく考えながら、観客の皆さんにお届けすることが非常に大切だと思います」と真摯に答える。男女2役を演じる馬場は、囲み取材に少年ダルジュロスの扮装で登場。演じ分けについて馬場は「2役を演じることで、2つの目線でこの作品について考えることができるのがすごく面白いです。同時に、それぞれの役に切り替えるスイッチングの難しさを感じています」と語った。
KAAT神奈川芸術劇場の芸術監督を務める白井は、同劇場で今年2019年4月に再演された「春のめざめ」、そして今回の「恐るべき子供たち」と、思春期の少年少女の“性”と“生”をテーマにした作品の連続上演に挑んでいる。白井は「思春期は誰しも通過するものですし、自分を確立していく過程の物語にはどこか惹かれるものがある」と話し、2作の違いを「『春のめざめ』は社会にプレッシャーをかけられる子供たちが、そこからどう抜け出るのかという話でしたが、『恐るべき子供たち』には、大人になることを拒絶した子供たちが、社会から自分たちを切り離して自分たちだけの“繭”の中で生を終えようとする様子が描かれます」と分析した。
また会見では、白井がキャストたちの印象を語る場面も。白井は「彼らは芝居に対してすごく真面目。本当はうるさいのかもしれないけど、僕の前では静かでした(笑)。前回の『春のめざめ』の連中はとてもにぎやかでしたが……」と笑いを交えつつ、「初演作なのでギリギリまで変更しながら稽古していますが、みんな表現の可能性を信じていろいろ試してくれている」と出演者たちに信頼を寄せる。さらに白井は「皆さん勘がいいので、どんどん要求が増えてしまって……まだゲネプロだし、5月19日まではプレビュー公演だからまだまだ変わるかも(笑)」と南沢らに視線を送った。
最後に出席者を代表し、南沢が「舞台装置がとてもシンプルで、リングの上に立たされているような気持ち。逃げも隠れもできない状況でお芝居をします。冒頭ではみんなが本気で雪合戦をしていますが、全員が最後まで全力投球する、というエネルギーのある作品にできれば」と意気込みを述べ、囲み取材は終了した。
本作の出演者には南沢らのほか、デシルバ安奈、
KAAT神奈川芸術劇場プロデュース「恐るべき子供たち」
2019年5月18日(土)~6月2日(日)※5月18・19日はプレビュー公演。
神奈川県 KAAT神奈川芸術劇場 大スタジオ
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