「『NHKバレエの饗宴』特別企画 吉田都引退公演『Last Dance』」の出演者会見が、昨日5月10日に東京都内で実施された。
会見には、現役引退を表明しているバレエダンサー・
吉田自身は本公演で「誕生日の贈り物-Birthday offering-」と「シンデレラ」第3幕の冒頭ソロ、「白鳥の湖」第4幕のパ・ド・ドゥを踊る。「白鳥の湖」を選んだ理由を記者から尋ねられると、吉田は「『白鳥の湖』は、一番最初に主役をいただいた作品。私はオデット / オディールのタイプのダンサーではないとずっと思っていましたが、思い入れがあります。バレエと言えば『白鳥』ですし、原点に戻るという意味でも踊れたらと」と思いを語る。また会見では吉田により、英国ロイヤル・バレエ団への入団当時に「すごくお世話になった」と言うイレク・ムハメドフの来日が決定していることも明かされた。
現役引退の理由について「新国立劇場の舞踊芸術監督をお受けしたこと」だと言う吉田は、「踊りたい気持ちは持ち続けていますが、今私は踊りにすべてのエネルギーと時間を費やしています。そこにさらに芸術監督のお仕事が加わっては、とても務まらない。悩みましたが、将来あるダンサーのために環境を整えたり、私が海外で学んだことをお伝えしたりするほうがよいのではと思いました」と決断に至る経緯を語った。
会見では、吉田が自身の思うバレエの魅力を語る場面も。吉田は「私はバレエという芸術の形式が好きです。プロが集まって1つの舞台を作り上げたとき、舞台上で奇跡のような瞬間が生まれます。それに携われるのは素晴らしいこと」と述べ、「バレエはちょっと油断しただけでも踊れなくなる、本当に厳しいものです。何事もないかのように踊っている方々は、一体どれだけの努力を陰で重ねられたのだろうと思いますが、そんな皆さんの踊りを観られることが感動的」と笑顔を浮かべた。
さらに記者から後進のバレエダンサーに伝えたいことを尋ねられた吉田は、悩みつつも「基礎やテクニックは大事ですが、やはりバレエではお客様に何を伝えたいかがとても大切」と答え、「その点については私もイギリスでとても苦労しましたし、今でも悩んでいることなのですが……これからのダンサーたちに何かお伝えできればいいなと思います」と抱負を語った。
吉田の引退公演「Last Dance」では、
なお吉田は現在、新国立劇場の舞踊次期芸術監督予定者芸術参与を務めており、来年2020年9月1日には舞踊芸術監督に就任する。
「『NHKバレエの饗宴』特別企画 吉田都引退公演『Last Dance』」
2019年8月7日(水)・8日(木)
東京都 新国立劇場 オペラパレス
演目
「誕生日の贈り物-Birthday offering-」
「精確さによる目眩しくスリル-The Vertiginous Thrill of Exactitude-」
「Flowers of the Forest」から
「シルヴィア」から
「アナスタシア」から
「くるみ割り人形」グラン・パ・ド・ドゥ
ほか
出演:
指揮:井田勝大
管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団
※出演者は変更される可能性あり。
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佐久間真理子🌗 @sakumariko
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