六月花形新派公演「夜の蝶」の取材会が、本日5月7日に東京都内で行われた。
第1回直木賞を受賞した川口松太郎による小説「夜の蝶」は、昭和30年代に銀座で人気を二分していた、実在のクラブのママをモデルとした作品。単行本が1957年に発売、同年に映画版が公開されたほか、東京・新橋演舞場で
取材会には脚色・演出を担当する新派文芸部の成瀬芳一、キャストから
大物政治家・白沢一郎役の緑郎は「元号が令和になって初めての新派公演です。昭和30年代に初演されたこの作品を、令和の最初に上演できることがうれしい」とコメント。また緑郎は「今回、篠井さんとはラブシーンもあります。お楽しみに」と笑顔を見せた。
高級クラブ・リスボンのマダムである葉子役を演じる雪之丞は、役どころについて「実在したママさんをモデルにした人物」と言及し、「『夜の蝶』は、これまで、どちらかが女方でどちらかが女優さんという形で上演されてきました。今回は私と篠井さん、2人とも女方なので、新しい『夜の蝶』をご覧いただけるのではないかと思います。篠井さんと私は対立するお役なので、役に入り込むために稽古場から一切口をきかないでおこうと思っております(笑)」と笑いを誘う。これに対して篠井は「仲良くしてくださいよ!(笑)」と返し、会場を和ませた。
お春役の山村は、役柄について「ちょっとコミカルで、お金にしっかりしている金庫番のような役。ほっこりしていただけたらいいなと思います」と目標を掲げる。また自身のこれまでを振り返り、「祇園と銀座には随分お金をつぎ込みました(笑)。その経験を生かせる作品になるのかなと思います」と述べた。
舞妓あがりで銀座に新しくバーを構えるお菊役の篠井は「僕は歌舞伎、新派、文楽といった古典が大好なので、上京した当時からたくさん観て歩いておりました。今回こうして憧れていた新派に小劇団出身の僕が女方として呼ばれるとは、長生きするとすごいことが起きるものだなと思っている次第です」と感慨深げに語る。また篠井は「雪之丞さんと僕という女方の組み合わせでご覧いただけることは、演劇好きの方にとって、かなり面白みのある出来事だと思います。是非ご自分の目で確かめに来ていただきたいです」と来場を呼びかけた。
そんな篠井について雪之丞は「女方さんは、役を作り込もうとして不自然になってしまったりするんですが、篠井さんは自然体で演じていらっしゃるというふうに感じます」と称賛し、篠井は雪之丞について「古風さを持ちながら、きれいで現代的な女方さんだと思っておりました。僕にとっては遠い存在だったので、共演させていただくことに実感がない。足を引っ張らないようにと思っています」と真摯に述べた。
最後に記者から“夜の銀座”での武勇伝について尋ねられた山村は、「このような場で話せるようなかわいい武勇伝はございません!(笑)」と切り返し、取材を締めくくった。
六月花形新派公演「夜の蝶」の公演は、6月6日から28日まで東京・三越劇場にて。
六月花形新派公演「夜の蝶」
2019年6月6日(木)~28日(金)
東京都 三越劇場
作:川口松太郎
脚色・演出:成瀬芳一
出演
白沢一郎:
葉子:
お景:
お春:
お菊:
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【会見レポート】喜多村緑郎・河合雪之丞ら出演「夜の蝶」、篠井英介「憧れていた新派」と感慨語る
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