KAAT神奈川芸術劇場プロデュース「春のめざめ」が、本日4月13日に神奈川・KAAT神奈川芸術劇場 大スタジオで開幕。これに先駆け昨日4月12日、同劇場で囲み取材とゲネプロが実施された。
劇中ではドイツの中等教育機関・ギムナジウムで学ぶメルヒオール(
本作のストーリーは、アクリル板に囲まれた空間で展開。蛍光灯のような形状の照明が青みがかった白い明かりを落とす中、出演者はグレーや紺色の衣装を身に着け、厳しい規則の中で暮らすドイツの少年少女たちを演じる。彼らはDragon Ashの降谷建志が手がけた音楽をバックに、平原慎太郎の振付によるダンスを交え、性の目覚めや葛藤を表した。
エネルギッシュな演技で魅せる伊藤は、好奇心旺盛で知的なメルヒオールを体現する。岡本は、
ゲネプロ前に実施された囲み取材には、構成・演出を手がける
伊藤は自身の演じるメルヒオールについて「思春期のメルヒオールには共感できるところがたくさんありますが、そこをどう伝えるかが難しい」と所感を述べる。自身2度目となる舞台出演については、「声の出し方や体の動かし方を一から白井さんに教えていただいた。かなり苦戦もしましたが、すごく楽しかった。キャストも素敵な方々ばかりで、ご飯に行っても『春のめざめ』の話ばかりしていました(笑)」と稽古期間の充実ぶりを語った。
初演を観劇してヴェントラを演じてみたかったと言う岡本は、「『やってみたい』なんて軽く言える役ではなかった」と苦笑しつつ「こうしてヴェントラの衣装に袖を通して、お芝居できていることがとても感動的。まだまだな部分もたくさんあって、さっきまでダメ出しされていましたが、全部出し切れるようにがんばりたい」と意気込んだ。
初演から続投の栗原が「新鮮な気持ちで稽古できたし、常に新しい発見があった。欲を言えばもっと稽古したいくらい」と話すと、伊藤からは「マジか!?」と笑いが漏れる。続けて栗原は、新キャストの伊藤との稽古を「毎回お互いが出してくるものが違って、そのキャッチボールが楽しい」と振り返り、「メルヒオールとモーリッツの関係が『春のめざめ』の1つのキー。僕は『健太郎のことを信じよう』と思ってやっています」と語った。
会見では、インタビュアーがキャストらに、最も印象的だった白井の言葉を尋ねる場面も。伊藤は白井の「健太郎の中にあるメルヒオールを作ってくれ」という助言を挙げて「気持ちが楽になって、身動きが取りやすくなった。演じるうえで大切にしている言葉です」と語り、岡本も「白井さんが昨日『ヴェントラを選んだのは僕だから、責任を持つ』と言ってくださった。包み込むような温かいご指導をいただいたと思います」と笑顔を見せる。2人のコメントを受けた栗原は「こんないい話をされたら、僕の言うことなくなっちゃう……」と苦笑しつつ、「僕は『抑えなくていいから、解放して』とアドバイスをいただきました。モーリッツはたくさんしゃべる役なので、エネルギーの使い分けやバランス感覚を教えていただいた」と述懐した。
最後に出席者を代表し、伊藤が「再演ではありますが、僕たちにしか作れない『春のめざめ』をお見せできるように魂を込めてがんばります。ぜひ楽しみにいただけたら」と挨拶し、取材は終了した。
なお出演者には伊藤らのほか、
KAAT神奈川芸術劇場プロデュース「春のめざめ」
2019年4月13日(土)~29日(月・祝)
神奈川県 KAAT神奈川芸術劇場 大スタジオ
2019年5月6日(月・振休)
広島県 東広島芸術文化ホール くらら 大ホール
2019年5月11日(土)・12日(日)
兵庫県 兵庫県立芸術文化センター 阪急中ホール
作:フランク・ヴェデキント
翻訳:酒寄進一
構成・演出:
音楽:降谷建志
出演:
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