「LIFE LIFE LIFE」本日開幕、KERA「計算だけで創り出せない上演に」

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シス・カンパニー公演「LIFE LIFE LIFE~人生の3つのヴァージョン~」が本日4月6日に開幕した。

「LIFE LIFE LIFE~人生の3つのヴァージョン~」より。(撮影:宮川舞子)

「LIFE LIFE LIFE~人生の3つのヴァージョン~」より。(撮影:宮川舞子)

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「LIFE LIFE LIFE~人生の3つのヴァージョン~」より。(撮影:宮川舞子)

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本作は、2組のカップルの会話を通して、“3つのLIFE”を描いたヤスミナ・レザの代表作の1つ。宇宙物理学者のアンリ(稲垣吾郎)とキャリアウーマンのソニア(ともさかりえ)夫妻の家に、アンリの上司であるユベール(段田安則)とイネス(大竹しのぶ)夫妻がやって来て……。

シス・カンパニー公演「LIFE LIFE LIFE~人生の3つのヴァージョン~」ビジュアル

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上演台本と演出を担当したケラリーノ・サンドロヴィッチは「役者4人と僕を含めた5人で、どの国で上演されてきたものよりも面白い作品に仕上げたい!と稽古に集中してきました。いろんな意味で、計算だけでは創り出せない上演になると思います」とコメント。また作品について大竹は「自分たちの日常に近いやり取りの中で、“表の顔”のそのまた裏にある本心が見え隠れして笑ってしまうようなコメディです」と語り、稲垣も「この脚本は、微妙な言葉や反応の違いで笑いを誘うところがとても洒落ています。シニカルなブラックユーモアや人間の醜さ、美しさなどの様々な側面が凝縮されていて、リアルな可笑しみがある作品です」と続く。さらにともさかが「作者が3幕の構造に込めた意図はずっと謎だらけで、日々の稽古を通して、カンパニー全員で謎解きをしていくような濃密な時間を過ごしてきました」と述べると、段田も「3年前の『ヴァージニア・ウルフなんかこわくない?』との相似性がある作品だったので、時を経て、再び同じメンバーでこの作品に向き合えたことに感慨を感じています」と語った。

公演は4月30日まで、東京・Bunkamura シアターコクーンにて。

ケラリーノ・サンドロヴィッチ コメント

ケラリーノ・サンドロヴィッチ

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ヤスミナ・レザは以前から好きな作家で、日本での上演も多く見てきました。でも、この作品ほど、不思議な流れの戯曲はなかったんじゃないかなあ(笑)。知的シットコムという体裁で前半を終えると、後半から少しずつ少しずつ不条理劇のようなエッセンスが増してきて、一筋縄では紐解けなくなっていく難しさがある。お客様にも細部に渡って生まれるハテナに頭を使って観ていただきたい(笑)。そこが演劇の面白いところであり、豊かさではないかと思うんです。こういう芝居は、他にはなかなかないですね。役者4人と僕を含めた5人で、どの国で上演されてきたものよりも面白い作品に仕上げたい!と稽古に集中してきました。いろんな意味で、計算だけでは創り出せない上演になると思います。

大竹しのぶ コメント

KERAさんと役者4人で毎日毎日あーでもない、こーでもない、と笑いながら、悩みながら、苦しみながら稽古期間を過ごしてきました。以前出演した「大人は、かく戦えり」もそうでしたが、レザ作品は、これと言って大きな出来事が起きるわけではないんですね。自分たちの日常に近いやり取りの中で、“表の顔”のそのまた裏にある本心が見え隠れして笑ってしまうようなコメディです。そんなちょっとくすぐったい笑いがうまく出せたらいいなと思っています。今回、舞台を360度取り囲んだ客席で、全ての角度からお客様に見られているのも難しい点です。でも、楽しい笑いで劇場全体が包み込まれるよう、皆で頑張ります!

稲垣吾郎 コメント

「ヴァージニア・ウルフ~」から13年も経ったという感じがしないですね。出演者の皆さんやKERAさんとの関係性ができていたところからのスタートだったので、いいチームワークで稽古に臨むことができました。この脚本は、微妙な言葉や反応の違いで笑いを誘うところがとても洒落ています。シニカルなブラックユーモアや人間の醜さ、美しさなどの様々な側面が凝縮されていて、リアルな可笑しみがある作品です。人生には「あのときこうすれば……」「あれでよかったのか?」と考える瞬間がありますが、それを巧妙に芝居にしているところが面白いですし、お客様も、ご自分の物語として楽しんでいただけると思います。

ともさかりえ コメント

KERAさんの上演台本は、翻訳劇の違和感がなくて、グッと身近に感じられるセリフです。でも作者が3幕の構造に込めた意図はずっと謎だらけで、日々の稽古を通して、カンパニー全員で謎解きをしていくような濃密な時間を過ごしてきました。四苦八苦する私をよそに、大先輩の大竹さんと段田さんはいつも自然体、日常と演技の境目のなさは、もはや“人間離れ”の領域です(笑)。稲垣さんもご自身のペースをもっていらっしゃるし、頼もしい共演者の皆さんと信頼している演出家KERAさんと再びご一緒できて、稽古中も、つくづく“恵まれているなあ”と噛みしめていました。

段田安則 コメント

ヤスミナ・レザ作品は、「大人は、かく戦えり」に続き2作目です。「少人数で激しいバトルの会話劇」という外枠は共通していますが、今回は、1~3幕それぞれに角度が違う不思議な構造。セリフはシンプルですが、作者が意図することがなかなか掴めず、その手強さに稽古中も頭を抱えながら格闘の毎日でした。むしろ13年前の「ヴァージニア・ウルフなんかこわくない?」との相似性がある作品だったので、時を経て、再び同じメンバーでこの作品に向き合えたことに感慨を感じています。それにしてもレザさん、どうしてこんな奇妙な構造の戯曲を考え出したんでしょうね(笑)。

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シス・カンパニー公演「LIFE LIFE LIFE~人生の3つのヴァージョン~」

2019年4月6日(土)~30日(火・祝)
東京都 Bunkamura シアターコクーン

作:ヤスミナ・レザ
上演台本・演出:ケラリーノ・サンドロヴィッチ
出演:大竹しのぶ稲垣吾郎ともさかりえ段田安則

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