「BLUE/ORANGE」再演が開幕、成河「三つ巴の合戦のような作品」

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「BLUE/ORANGE」が、本日3月29日に東京・DDD AOYAMA CROSS THEATERで開幕。これ先駆けて同日、フォトコールと囲み取材が行われた。

「BLUE/ORANGE」フォトコールより。

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「BLUE/ORANGE」フォトコールより。

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本作は、2000年にイギリスで初演されたJoe Penhallの作品。ロンドンの精神病院を舞台に、1人の精神病患者と2人の医師の物語が繰り広げられる。日本では千葉哲也の演出で10年に初演され、中嶋しゅう、成河、そして千葉が出演。成河は本作ほかの成果により、第18回読売演劇大賞優秀男優賞を受賞した。約9年ぶりの再演となる今回は、成河が研修医・ブルース役、千葉が医師・ロバート役と演出を務めるほか、章平が青年・クリストファー役で参加。なお今作は小川絵梨子の新訳で上演される。

「BLUE/ORANGE」フォトコールより。

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フォトコールでは、本編冒頭のシーンが公開された。境界性人格障害の診断を受け、精神病院に入院しているアフリカ系の青年・クリストファーは、研修医のブルースによる治療を終えて翌日に退院を迎えようとしている。しかしブルースには気がかりなことがあり、「クリスの退院は危険だ」と主張。これに対し、ブルースの上司・ロバートは強く反対するが、納得できないブルースはクリスへのヒアリングを続け、「器に入ったオレンジの色は何色か?」を問う。するとクリスはオレンジが「青い」と答え……。

「BLUE/ORANGE」フォトコールより。

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成河は真面目すぎるがゆえに患者に詰め寄ってしまうブルースの熱さと狂気を表現し、千葉はクリスの味方をして彼を退院させようとするロバートを、リラックスした雰囲気と軽妙なセリフ回しで体現。また章平は、精神病のために感情に浮き沈みのあるクリスをメリハリのある演技で魅せた。

「BLUE/ORANGE」囲み取材より。オレンジを野球のボールのように握る章平(左)、成河(中央)、千葉哲也(右)。

「BLUE/ORANGE」囲み取材より。オレンジを野球のボールのように握る章平(左)、成河(中央)、千葉哲也(右)。[拡大]

フォトコール後の囲み取材には成河、千葉、章平が登壇。「初日を迎える実感がない」と胸中を吐露した成河は「本番が始まってもずっと稽古している感覚になるような気がします(笑)」と笑顔を見せる。続く章平が「“不安がない不安”があって、これは初めての感覚です」と述べると、成河は「それはいかんよ! 緊張感を持ちなさい!(笑)」と冗談交じりにツッコみを入れ、記者たちの笑いを誘った。

「BLUE/ORANGE」フォトコールより。

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開幕に際し、千葉は「2週間前から“役者モード”に入っていて、あんまり“演出家モード”になっていない」と明かし、「初日は当たって砕けろ!という感じです。長い芝居でセリフも多いので、お客さんと一緒に楽しめたら」と意気込んだ。

「BLUE/ORANGE」フォトコールより。

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今回の座組で唯一初参加となった章平は、初演に出演していた成河と千葉について、「僕が何をやってもシーンを成立させてくださるお二方なので、安心感しかないです」と信頼を寄せる。また成河は「とにかく噛みごたえのある戯曲なので、みんなして“いろんな歯”を使って噛んできました」と稽古を振り返り、本作について「三つ巴の合戦のような作品になると思います」と分析した。

「BLUE/ORANGE」フォトコールより。

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最後に千葉は「ここから長い旅が始まります。密な距離感で生々しさを体験していただけたら」と観客にメッセージを送り、章平は「精神病院が舞台ですが、(登場人物)3人の関係性はどこにでもありふれていると思います。観劇後に感想を議論するのもいいし、自分なりに噛み砕いて考えてもいいし、そういう楽しみ方をしていただけたら」とアピール。

そして成河は「エンタテインメントというものが、“考えることを止めるためのもの”ではなく、“考える方法を育むためにあるもの”と教えてくれる作品のような気がします。『人ってこんなに面白おかしく物事を考えられるんだよ!』ということを提示したいです」と結んだ。

上演時間は途中休憩15分を含む約2時間50分を予定。公演は4月28日まで。

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「BLUE/ORANGE」

2019年3月29日(金)~4月28日(日)
東京都 DDD AOYAMA CROSS THEATER

作:Joe Penhall
翻訳:小川絵梨子
演出:千葉哲也
出演:成河、千葉哲也、章平

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