5月に大阪・大阪松竹座、7月に東京・新橋演舞場で上演される「笑う門には福来たる ~女興行師 吉本せい~」の製作発表会見が、本日3月20日に東京都内で行われた。
松竹と吉本興業がコラボレートする本作は、2014年に福岡・博多座と新橋演舞場、16年に大阪松竹座で上演された作品。大阪船場で3代続く荒物問屋に稼いだ米殻商の娘・吉本せいが、商いよりも芸人や寄席に夢中な夫・吉本泰三と、“日本一の興行師”を目指す姿が描き出される。
製作発表会見には、
続けて藤山は、「初演から続投するキャストも多いですが、馴れ合いではなく、いいチームワークで、もう一度気を引き締めて勤めさせていただきます」と襟を正し、「役者が“一生懸命やる”ということは、お客さんにとっては、ときどき“うるさくなる”ことがあります。まろやかさ、なめらかさ、遊び心を出せるように作っていけたら」と目標を掲げた。
本作を「3本の指に入るくらい大好きなお芝居」と評した緑郎は、せいの弟である林正之助役を演じることになぞらえ、藤山に向けて「お姉ちゃん、お帰りなさい!」と目を潤ませながら呼びかけ、「直美さんがこうして帰ってきてくれたことがうれしくて、近年稀に見るぐらい興奮しております。大阪松竹座、新橋演舞場と2カ月間、吉本せいを支えていきたいです」と決意を新たにした。
記者から“藤山のすごさ”について尋ねられた緑郎は「僕の師匠、二代目市川猿翁と“同じイズム”を感じます。(藤山を)勝手に先生だと思っていて、芝居に取り組む姿勢や日常生活を、生きるうえで参考にさせていただいています」と回答。続けて「今日、直美さんと3年ぶりにお会いできたので、感極まっている部分もあり、またこうして共演させていただけるので、『やっとこのときが来たか!』と言う思いです」と期待を寄せる。
せいの夫である泰三役を演じる田村は「泰三さんは、女好き、お酒好きの遊び人で、病にかかって早死にしてしまって、どうしようもない男のようにも見えますが、自分に正直に生きている泰三さんが私は好きです。初演から楽しく、大切に演じてきた役ですので、一人でも多くの皆さんに観ていただきたいと思います」と笑顔を見せた。
せいの息子である頴右役を勤める西川は「この役をやるために産まれてまいりました!」と挨拶し、会場の笑いを誘うと、「私の父・西川きよしは、今でも吉本興業にお世話になっております。母・ヘレンも、かつては吉本に所属しておりました。2人が吉本新喜劇の研究生として巡り会い、恋に落ち、結婚し、そして産まれたのが私でございます! 私も吉本に所属させていただいておりますので、その吉本の創始者である、泰三さん、せいさんの息子役をやらせていただくことに運命を感じております」と興奮気味に話す。また藤山について「父・西川きよしは、直美さんのお父様でいらっしゃいます、藤山寛美先生に大変お世話になりました。西川家親子そろって藤山家にお世話になる、このご縁に感謝しております」と感慨を述べた。
記者から吉本せいの女性像について尋ねられた藤山は、「笑うこと、楽しいことが大好きで、芸人さんや大阪を愛し、吉本に人生を捧げてこられた方だと思います」と答え、「今でこそ“笑いの吉本”と呼ばれていますが、そこに行き着くまでに奥歯を噛み締めてきた人がたくさんいた、ということをこの作品で知っていただけたらうれしい。吉本の社員さんや芸人さんが、この会社で働いていることを誇りに思えるような作品にできれば」と続ける。そして「笑いだけでなく、悲しさや寂しさも表現して、女性の一代記を演じられたら」と付け加えた。
最後に藤山は「新元号になって日本中がお祝いムードの頃に上演いたします。平成が終わると、大正・昭和のお話は、もう時代劇とも言えますよね。古きよき大阪の、風情あるお芝居にできればと思います」と結んだ。
「笑う門には福来たる ~女興行師 吉本せい~」は、5月3日から26日まで大阪松竹座、7月3日から27日まで新橋演舞場にて。大阪公演のチケットは3月27日、東京公演のチケットは5月25日に販売がスタートする。
「笑う門には福来たる ~女興行師 吉本せい~」
2019年5月3日(金・祝)~26日(日)
大阪府 大阪松竹座
2019年7月3日(水)~27日(土)
東京都 新橋演舞場
原作:矢野誠一(中央公論社)
脚色:小幡欣治(「桜月記」より)
脚本:佐々木渚
演出:
キャスト
吉本せい:
林正之助:
桂春団治:
吉本泰三:
桂文蔵:
とよ:仁支川峰子
冬木信一:
玉枝:
頴右:
島村くら:東千晃
竹本波津江:
浪花家団六:いま寛大
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