宮城聰が考える文化交流の意義とは?「東アジア文化都市」ディレクターがトーク

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「東アジア文化都市 2019 豊島」舞台芸術部門のキックオフトークが、3月14日に東京・あうるすぽっとで開催された。

高野之夫豊島区長(中央左)と宮城聰(中央右)。

高野之夫豊島区長(中央左)と宮城聰(中央右)。

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左から宮城聰、多田淳之介、石神夏希。

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トークショーには、舞台芸術部門総合ディレクターの宮城聰、舞台芸術部門事業ディレクターの多田淳之介石神夏希が出席。まず宮城は、「東アジア文化都市」がEUの「欧州文化首都」プロジェクトをモデルとしていることを説明し、「東アジアの諸国は経済的に強く結び付いていますが、どんなに太いパイプであっても経済の結び付きだけでは戦争をせき止めることはできない。一方で、文化交流は戦争をせき止める力になり得るのではないか、と思っています」と持論を展開。さらに、「その中でも、相手の文化に対するリスペクトをダイレクトに感じることができるのが舞台芸術なのではないでしょうか。なにしろ舞台芸術は、生身の肉体がそこにないと成立しない芸術ですからね」と続ける。

宮城聰

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また宮城は、11月に東京・池袋西口公園 野外劇場で上演される「マハーバーラタ―東アジア文化都市 2019 豊島バージョン―」についても言及。「文化は混交することによって発展してきました。僕も“混交”を意識しながら芝居を作っていて、この『マハーバーラタ』という作品は、インドの叙事詩が日本の平安時代に入って来たらこんなふうになっただろうということをイメージして作ったものです。今回は野外劇場にふさわしいしつらえにして上演します」と構想を明かした。

勝山康晴

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ここで、コンドルズのプロデューサー・勝山康晴が飛び入り参加し、11月に東京・豊島区立芸術文化劇場で上演される、近藤良平構成・振付の新作「Bridges to Babylon~みんなのダンス~(仮)」について説明。「コンドルズの持ち味である雑食性を生かして、ボーダレスなパフォーマンスにしたい」と抱負を述べつつ、「Bridges to Babylon」というタイトルにちなみ、「1本でも多くの橋をかける気概を持って作品に臨みたい」と意気込みを語った。

多田淳之介

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石神夏希

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多田からは、出張型演劇教室「アトカル・マジカル学園」の説明がなされ、南波圭や岩渕貞太らが講師を務める「マジカルへんしん教室」、美術家のYORIKOを迎えた「としまおやこ小学校」、アート体験支援型託児プログラム「アートサポート児童館」などが、「アトカル・マジカル学園」の一環として実施されることが明かされた。続く石神は、御会式と鬼子母神にまつわる演劇プロジェクト「Oeshiki Project」として、“都市のビート”を題材としたツアーパフォーマンス「BEAT(仮)」の上演を発表した。

高野之夫豊島区長

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デザインストラテジストの太刀川英輔氏を迎えた質疑応答のコーナーでは、観客から「『東アジア文化都市』のような文化プロジェクトは、どのような効果をもたらすと考えているか」という質問が飛び出す。これに対し、宮城は「効果を数値化するのは難しいのですが、芸術に救われた人間が『自分も作品を作って、芸術の素晴らしさをシェアしたい』という思いを抱き、クリエイターを目指すこともあるでしょう。ある意味、芸術の効果がまさに、ここにいる僕たち(宮城、多田、石神)に現れていると言ってもよいかもしれません」と笑顔で答えた。

最後に高野之夫豊島区長が会場に駆けつけ、芸術文化勲章シュヴァリエを受章した宮城に祝いの言葉を送った。

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天野暢子/プレゼン・コンシェルジュ @ePresen

宮城監督と近藤監督、豊島区と高野区長にはお世話になります。 https://t.co/Su2qWomvGS

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