芳根京子が「母と惑星について~」チームに信頼寄せる、「家族のような安心感」

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「母と惑星について、および自転する女たちの記録」が、明日3月5日に東京・紀伊國屋ホールで開幕する。これに先駆けて、本日4日に公開フォトコールと囲み取材が行われた。

「母と惑星について、および自転する女たちの記録」フォトコールより。

「母と惑星について、および自転する女たちの記録」フォトコールより。

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上段左から芳根京子、鈴木杏。下段左から田畑智子、キムラ緑子。

上段左から芳根京子、鈴木杏。下段左から田畑智子、キムラ緑子。[拡大]

作を蓬莱竜太、演出を栗山民也を手がける本作は、母親を亡くした3姉妹が母の遺骨と共に旅に出る人間ドラマ。2016年8月に休館した旧パルコ劇場での最後の新作舞台として上演され、蓬莱は第20回鶴屋南北戯曲賞を受賞、出演者の鈴木杏は第24回読売演劇大賞で最優秀女優賞を獲得した。今回の再演版には、舞台初主演となる芳根京子が三女・シオ役で出演。初演に続き、次女・優役を鈴木、長女・美咲役を田畑智子が演じるほか、母・峰子役にはキムラ緑子が新たにキャスティングされた。

「母と惑星について、および自転する女たちの記録」フォトコールより。

「母と惑星について、および自転する女たちの記録」フォトコールより。[拡大]

本作は、3姉妹が異国の地を旅している現在と、母が生きていた頃の回想シーンが、長崎弁での会話を交えながら展開されていく。フォトコールでは、まず家族4人が食卓を囲む過去の場面が披露された。キムラは女手ひとつで、3人の娘たちを育てる峰子をパワフルに演じ、田畑は内向的な性格で、母親と対立を深めていく長女・美咲を繊細に表現。鈴木は、家族の仲をなんとか取り持とうと立ち回る次女・優を淡々としながらもどっしりとした演技で魅せ、芳根は秘密を抱えつつ、母や姉たちを思いやる三女・シオをフレッシュに演じ切る。

左から鈴木杏、芳根京子、キムラ緑子、田畑智子。

左から鈴木杏、芳根京子、キムラ緑子、田畑智子。[拡大]

フォトコール後に行われた囲み取材には、芳根、鈴木、田畑、キムラが登壇。芳根は、舞台出演は2回目であることと、今回が初主演舞台であることを前置きしつつ、「短期集中型でお稽古してきました。皆さんと楽しくお芝居できたら」と笑顔を見せ、自身が務める三女・シオの役どころについて、「2人の姉とちょっと違う自分に悩み、孤独を感じている役。23歳の女の子として等身大でありながら、力を持った子です。台本を読んで、最初は精神的にしんどくなるかなと思いましたが、つらさを打ち返すパワーを持った女の子だったので、まっすぐ向き合えました。公演を重ねて、シオと一緒に成長していけたら」と意気込んだ。

「母と惑星について、および自転する女たちの記録」フォトコールより。

「母と惑星について、および自転する女たちの記録」フォトコールより。[拡大]

初演から続投する鈴木は「緑子さん、京子ちゃんと向き合って、初演とは違うものが作り上げられているので、楽しいです。4人がほぼ出ずっぱりで、舞台装置もシンプルなので、逃げ場がない。いかに開き直るが重要になってくるのかな(笑)」と共演者に視線を送る。また自身が演じる次女・優の役柄に触れ、「常にヘラヘラしている担当(笑)。頼りないけど、家族の空気がよくなるように観察している役です」と分析した。

「母と惑星について、および自転する女たちの記録」フォトコールより。

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初演に引き続き、長女・美咲役を演じる田畑は、「(美咲は)母の愛情に飢えて育ち、早くお母さんから離れて東京に出たいと、自分の欲求を押し通していく人物。対立している母に似たくないと思っているのに、似てきてしまう役です」と美咲のキャラクターを説明。続くキムラは、母・峰子役について「人を愛し、悩み、我慢を重ねて苦しい人生を生きた人だなと思います。そんな母親だけど、娘たちに何を渡せるか、ということを考えてきたんじゃないかな」と真摯に語る。そして3人の共演者に視線を送ると、「(3人が)本当の姉妹みたいで、楽屋でも役のまましゃべっているような感じなんです(笑)」とエピソードを明かした。

芳根京子

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3月1日に第42回日本アカデミー賞の新人俳優賞を受賞した芳根は、授賞式を振り返り、「緊張しすぎて、早く(本作の)座組の皆さんに会いたいと思いました(笑)。共演者のお3方には、本当の家族のような安心感があります」とチームに信頼を寄せ、記者から栗山の演出について尋ねられると、「栗山さん自らお芝居をして見せてくださるんですが、本当にお上手で。栗山さんがやってくださったようにやりたくても、うまくできないのがもどかしいです。栗山さんからもいろいろ吸収できるように観察していました」と答えた。

最後に芳根は「初主演舞台ということもあり、個人的にいろいろな思いがこもった作品です。なにより素敵なチームに出会えたことに心から感謝していて、いいお芝居になるんじゃないかという予感があります。全力で舞台に立たせていただくので、ぜひ劇場にお越しいただけたら」と結んだ。

東京公演は3月26日まで行われ、4月2・3日に高知・高知市文化プラザかるぽーと 大ホール、4月6日に福岡・北九州芸術劇場 中劇場、4月13・14日に京都・ロームシアター京都 サウスホール、4月20・21日に愛知・穂の国とよはし芸術劇場PLAT 主ホール、4月25日に長崎・長崎市民会館 文化ホールで上演される。

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パルコ・プロデュース 2019「母と惑星について、および自転する女たちの記録」

2019年3月5日(火)~26日(火)
東京都 紀伊國屋ホール

2019年4月2日(火)・3日(水)
高知県 高知市文化プラザかるぽーと 大ホール

2019年4月6日(土)
福岡県 北九州芸術劇場 中劇場

2019年4月13日(土)・14日(日)
京都府 ロームシアター京都 サウスホール

2019年4月20日(土)・21日(日)
愛知県 穂の国とよはし芸術劇場PLAT 主ホール

2019年4月25日(木)
長崎県 長崎市民会館 文化ホール

作:蓬莱竜太
演出:栗山民也
出演:芳根京子鈴木杏田畑智子 / キムラ緑子

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