「暗くなるまで待って」が、本日1月25日に東京・サンシャイン劇場で開幕。これに先駆け昨日1月24日には同劇場にてゲネプロと囲み取材が行われた。
1966年にフレデリック・ノットが書き下ろし、その後ブロードウェイで初演された「暗くなるまで待って」は、アパートの一室で繰り広げられるスリリングなミステリー。朝海ひかると加藤雅也が主演を務めた2009年版以来、約10年ぶりの上演となる今回は、残忍な悪党のボス・ロート役を
ロート(加藤)とマイク(
07年の青井陽治演出版で採用された朝倉摂によるセットをもとにした舞台には、サムとスージーの部屋が再現されている。時計の秒針の音と不規則に鳴る冷蔵庫からの機械音が不穏な空気を煽る中、3人の悪党と盲目の若妻による攻防が、数回の場面転換を挟みながら緊張感を途切れさせることなく約2時間5分の間、繰り広げられた。
盲目のスージーを演じる凰稀は、悪党たちの罠を静かに見抜いていく理知的な一面と、自分の置かれた状況に憤る、年相応に感情的な若妻の一面を演じ分ける。彼女が最初は仲違いしているスージーと心を通わせていく様子は、1人の女性の自立と成長を感じさせる胸を打つワンシーンだ。一方、劇中で老人や好青年に扮する加藤は、ラスト20分の暗闇でその冷酷非情ぶりを爆発させ、その端正な顔立ちを歪めながら悪党を熱演し俳優としての新境地を感じさせた。
ゲネプロ前に行われた囲み取材には、加藤、凰稀、高橋、猪塚、松田、そして深作が出席した。加藤は「果たしてお客様にこの舞台がどう観えるのか。プレッシャーも感じつつも、いい緊張感があります」と手応えを明かす。サスペンスの舞台は初出演と語る凰稀は「お客様からどういう反応をいただけるかまったくわからないのでかなりドキドキはしているんですけど、その世界に引き込めるように、自分自身も楽しくやっていきたいです」と続いた。
高橋は「物音がキーワードになる舞台なので、お客様も咳とかをするとスージーが気付いちゃうんで気をつけてください(笑)」と冗談を交えながら本作を紹介。猪塚は「この作品は体感型サスペンスエンタテインメントだと思ってます。観に来た人を早くゾクゾクさせたいですね。それのみです」と力強く語り、続く松田は、「キャスト・スタッフ一丸となって最後まで緊張感をしっかりと作っていきたいです」と目標を掲げた。
そして深作は「戦友と思っている加藤和樹くんや、とっても頼りになる凰稀かなめさんをはじめ、キャストの皆さんが登場人物のイメージを一新して、この作品ならではの新しいキャラクターを作ってくださっています。ラスト20分の暗闇でのシーンを含め、いい感じに仕上がってますので一刻も早くお客様にこの作品をお渡ししたい」と作品の出来栄えに自信をのぞかせ、「いろいろな表現があふれているこの時代の中で、舞台でしか感じられない、ナマで体感する“本当のサスペンス劇”を届けることができたら」と結んだ。
東京公演は2月3日まで行われ、2月8日から10日までは兵庫・兵庫県立芸術文化センター 阪急中ホール、2月16・17日には愛知・愛知県産業労働センター ウインクあいち、2月23日には福岡・福岡市民会館 大ホールで上演される。当日券は全公演で販売予定だ。
「暗くなるまで待って」
2019年1月25日(金)~2月3日(日)
東京都 サンシャイン劇場
2019年2月8日(金)~10日(日)
兵庫県 兵庫県立芸術文化センター 阪急中ホール
2019年2月16日(土)・17日(日)
愛知県 愛知県産業労働センター ウインクあいち
2019年2月23日(土)
福岡県 福岡市民会館 大ホール
作:フレデリック・ノット
訳:平田綾子
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- 舞台「暗くなるまで待って」Wait Until Dark by Frederick Knott | 2019年1月25日~2月3日 サンシャイン劇場
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