SPAC「顕れ ~女神イニイエの涙~」開幕に宮城聰「美の力ってなんだろう」

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SPAC「顕れ ~女神イニイエの涙~」が、1月14日に静岡・静岡芸術劇場で開幕した。

SPAC「顕れ ~女神イニイエの涙~」より。(c)三浦興一

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SPAC「顕れ ~女神イニイエの涙~」より。(c)三浦興一

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フランス・パリのコリーヌ国立劇場から委嘱を受け制作された本作は、同劇場のシーズン開幕作品として昨年2018年9・10月に世界初演された作品。アフリカの奴隷貿易について切り込んだレオノーラ・ミアノ作の戯曲を、宮城聰が“鎮魂のための祝祭音楽劇”として立ち上げた。生命の創造神・イニイエは、人間界で再び肉体に宿ることを拒否する霊魂を召喚してその原因を問う。そこには奴隷として過酷な生を授けられた魂たちの嘆きがあり……。なお音楽を担当するのは棚川寛子だ。

開幕に際し宮城は、「改めて『美』ってなんだろう、美の力ってなんだろうということ、あるいは自分は『美』というものをどういうつもりで扱っているんだろう、そんなことを考えさせられた公演でした」とコメントしている。本作は英語字幕付きでの日本語上演となり、上演時間は約2時間15分。公演は1月19日・20日、26・27日、2月2・3日に行われる。

宮城聰コメント

アフリカとヨーロッパ、そして新大陸の間で1,300万人以上のアフリカ人が人身売買されたという事実。その事実を基にした芝居。それだけ聞くと、到底日本のお客さんには理解していただけない、あるいはおとぎ話のような、遠い世界の話として受け止められてしまうんじゃないか、という心配があったんですが、しかし実際上演しているときの客席の雰囲気、そして終わった後のお客様の言葉を聞くと、本当に固唾をのんで見ていらして、しかもそれが辛いという時間ではなく、いい意味で集中力が極めて高い次元で持続した、そういう客席だったんですね。本当に綺麗だったというふうに一言で感想をまとめればそういう言葉が多くて、改めて「美」ってなんだろう、美の力ってなんだろうということ、あるいは自分は「美」というものをどういうつもりで扱っているんだろう、そんなことを考えさせられた公演でした。

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SPAC「顕れ ~女神イニイエの涙~」

2019年1月14日(月・祝)、19日(土)・20日(日)、26日(土)・27日(日)、2月2日(土)・3日(日)
静岡県 静岡芸術劇場

作:レオノーラ・ミアノ
翻訳:平野暁人
上演台本・演出:宮城聰
音楽:棚川寛子
出演(登場順):鈴木陽代、美加理阿部一徳、本多麻紀、寺内亜矢子、石井萠水、山本実幸、大高浩一、永井健二、吉見亮、横山央、たきいみき、大石宣広、加藤幸夫、牧山祐大、大道無門優也

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