劇団の結成20周年を記念し、昨年2018年1月に第1弾「ピカレスク◆セブン」、5・6月に第2弾「MAPS」、8・9月に第3弾「機械城奇譚」を上演した少年社中。20周年記念興行のフィナーレを飾る「トゥーランドット」では、「モマの火星探検記」に出演した
「演劇で世界を変える」という本作のキャッチコピーを体現するかのようなキャラクターであるカラスを、松田は1つひとつのセリフに熱を込めながらパワフルに演じ、一方の生駒は、タブーを犯しながらも演劇に夢中になっていくトゥーランドット / ケツァールを、振り幅の大きな演技で表現。また少年社中の劇団史や日本の演劇史をモチーフとしたシーンなどが、森川次朗、KOHMEN、
ゲネプロ後に行われた囲み取材には、主演の生駒と松田、劇団員の
毛利は劇団の20年の活動を振り返り、「この作品を作るために20年やってきたんだな、と思いました」と感慨深げな表情で語り、「僕は『演劇で世界は変わらない』と思っていて、それゆえに『演劇で世界を変える』というテーマを掲げたと言っても過言ではありません。大言壮語を吐いてしまいましたが、『たった1人の“あなた”に感動してほしい』という思いで演劇をやっているので、実際にやりたいことはすごくミニマムなんです。たった1人のお客さんの明日を変えることが、世界を変えることに繋がっていったらいいなと思います」と作品にかける熱い思いを吐露した。
劇団の初期メンバーである井俣も「苦労もありましたが、自分たちのやっていることを信じ続けて、20年耐え抜いたからこそ今があるなと。今回の『トゥーランドット』は、少年社中が伝えたいことが迷いなく抽出されている作品なので、すごいものができあがったなと強い手応えを感じています」と迷いのない表情で語る。毛利と井俣のコメントをそばで聞いていた松田は「お二人のように“幸せな思い”を持った方々が作り上げたお芝居ってすごくいいなって改めて思いました。『トゥーランドット』は本当に見どころしかないです」と言葉に力を込めた。
上演時間は休憩なしの約2時間5分。東京公演は1月20日まで。その後、24日から27日まで大阪の梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティ、30・31日に福岡・ももちパレス 大ホールで上演される。またこのたび、本公演のBlu-ray / DVDが8月7日に発売されることも明らかになった。
ステージナタリーでは1年にわたり、少年社中の20周年記念特集を展開してきた。そのラストを飾る第3弾では、主宰として旗揚げから劇団を牽引する毛利を中心とした2本のインタビューを実施。1つ目は毛利、生駒、松田による座談会、2つ目は毛利が師と仰ぐ演劇プロデューサー・細川展裕との対談だ。本記事と併せてこちらもチェックしてほしい。
関連する特集・インタビュー
「少年社中20周年記念ファイナル 少年社中第36回公演『トゥーランドット~廃墟に眠る少年の夢~』」
2019年1月10日(木)~20日(日)
東京都 サンシャイン劇場
2019年1月24日(木)~27日(日)
大阪府 梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティ
2019年1月30日(水)・31日(木)
福岡県 ももちパレス 大ホール
脚本・演出:
キャスト
トゥーランドット / ケツァール:
カラス:
インコ:
モズ:
ガン:
ハゲタカ:
トンビ:
アジサシ:
キュウカンチョウ:
ダチョウ:
サイチョウ:
ペンギン:
謎の男:
ティムール:
高貴な女:
アルトゥム:
大将軍ローラン:
ピン:
ポン:
パン:
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- 少年社中第36回公演 【トゥーランドット~廃墟に眠る少年の夢~】
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葵 @aji56
毛利さんが「『演劇で世界は変わらない』と思っていて、それゆえに『演劇で世界を変える』というテーマを掲げた」「『たった1人のあなたに感動して欲しい』」って言うの素敵だなぁ。私が人生で一番多く感動させられた脚本家は毛利さんです。
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