11月に東京、大阪にて上演されるOFFICE SHIKA PRODUCE「さよなら鹿ハウス」に向けて、作・演出を手がける
本作は
取材に応じた丸尾は「僕が『伝説になりたい』とひたすら思っていた当時は、『何をもってして伝説なんだ?』なんて考えもしなかった。それでもどこかで、誰かの記憶に残ることは意識していたと思います」と当時を振り返る。渡部は「誰もやろうともしない無茶をやるんだけど、最後までやり遂げる姿に人は感動する。そして、記憶に残ります。人の心に残るというのは、伝説のひとつじゃないかと思います」と続け、「作中の角田角一郎に共感するところがありました」と述べた。
また、丸尾は当時路上パフォーマンスを始めたきっかけについて、「関西で活動をしていたとき、チラシの折り込みや呼び込みといったまっとうな宣伝活動をいくらがんばっても、まったく劇場にお客さんが増えなかったんです。それで、チラシを見る人はいったい街の何パーセントなんだって考えて、もっと街に出ないといけないと思い立ちました」と語る。さらに唐十郎の紅テント公演や路上ミュージシャンの姿に感銘を受け、「『彼らは戦っている。僕たちにできることはないのか』と心を動かされたのがきっかけです」とエピソードを明かした。
渡部は小説版「さよなら鹿ハウス」について「小説のなかに、路上パフォーマンスをするのに適している駅のリストや注意点なんかも書かれている(笑)。この物語は、とてもいい意味で庶民的というか、誰にでもわかるように書かれています。ある劇団がたどった軌跡ですから、表現者を志す人にとっては実用性のある指南書として読めるかもしれません。私にとっては、先輩が残してくれた航海日誌だと感じました」と述べた。
また小説を舞台化することについて丸尾は「小説を書き上げたことで、これから作っていく舞台『さよなら鹿ハウス』で描きたいことが新たに見えてきました。物語は同じですが、舞台は舞台で、小説とは違う部分にスポットを当てて描くつもりです。今の僕は、あのころなりたかった自分にだいぶ近付いているんだと思います。たくさんの機会をいただいて、お芝居で食べていけている。でもその幸せを、たまに忘れてしまうんです。僕はすごくネガティブなので(笑)。ちゃんと今の幸せを忘れないでいられるように、この物語を書いたのだと思います」と思いを口にした。
OFFICE SHIKA PRODUCE「さよなら鹿ハウス」は11月8日から18日まで東京の座・高円寺1、11月22日から25日まで大阪・HEP HALLにて。出演者にはほかに、
OFFICE SHIKA PRODUCE「さよなら鹿ハウス」
2018年11月8日(木)~18日(日)
東京都 座・高円寺1
2018年11月22日(木)~25日(日)
大阪府 HEP HALL
作・演出:
出演:
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