「書を捨てよ」再演開幕に、藤田貴大が感じた「とても大切な、くやしい」

5

204

この記事に関するナタリー公式アカウントの投稿が、SNS上でシェア / いいねされた数の合計です。

  • 48 125
  • 31 シェア

藤田貴大が上演台本・演出を手がける「RooTS Series『書を捨てよ町へ出よう』寺山修司没後35年記念」が、本日10月7日に東京・東京芸術劇場 シアターイーストで開幕した。

「RooTS Series『書を捨てよ町へ出よう』寺山修司没後35年記念」より。(c)井上佐由紀

「RooTS Series『書を捨てよ町へ出よう』寺山修司没後35年記念」より。(c)井上佐由紀

大きなサイズで見る(全15件)

「RooTS Series『書を捨てよ町へ出よう』寺山修司没後35年記念」より。(c)井上佐由紀

「RooTS Series『書を捨てよ町へ出よう』寺山修司没後35年記念」より。(c)井上佐由紀[拡大]

本作は、アングラ世代の戯曲に気鋭の演出家が挑む、東京芸術劇場のRooTSシリーズ第3弾として2015年に初演された作品。今回はシリーズ初の再演として、藤田が寺山修司作品に再び挑む。再演版では今作が初舞台となる佐藤緋美が主人公の“私”役を演じ、初演に引き続き青柳いづみ川崎ゆり子召田実子石井亮介尾野島慎太朗、中島広隆、波佐谷聡、船津健太、そしてドラマーの山本達久が参加。また新たに佐々木美奈、辻本達也がキャスティングされたほか、歌人の穂村弘、お笑いコンビ・ピースの又吉直樹、詩人の佐々木英明が映像出演する。

再演開幕に際し藤田は「現在という時間のなかで、その場所でしかできない作業を、ぼくは眺めていた。そしてどうしてか湧きあがってきた、くやしい、という感情に驚いた。それは、とても大切な、くやしい、だった」と述べ、「どうして、あのころの若者や、そして現在という時間を生きる我々の葛藤や怒りはこうも、忘れ去られるどころか、無かったことのように扱われるのか。そう。だから、ぼくはくりかえしているのだと」と思いを語る。そして「無かったことにはさせない。すべてが、いつかの時間に、場所に、在ったのだ。そのことを再確認にして、きょうという日に、ツアーを始めようとしている無かったことにはさせない。すべてが、いつかの時間に、場所に、在ったのだ。そのことを再確認にして、きょうという日に、ツアーを始めようとしている」とツアーへの覚悟を述べている。

「RooTS Series『書を捨てよ町へ出よう』寺山修司没後35年記念」より。(c)井上佐由紀

「RooTS Series『書を捨てよ町へ出よう』寺山修司没後35年記念」より。(c)井上佐由紀[拡大]

上演時間は約1時間50分を予定。東京公演は10月21日まで。その後、10月27・28日に長野・サントミューゼ 上田市交流文化芸術センター、11月3・4日に青森・三沢市国際交流教育センター、11月7・8日に北海道・札幌市教育文化会館を巡演し、11月21日から24日まではフランスの「フェスティバル・ドートンヌ・パリ」に参加する。

藤田貴大コメント

「RooTS Series『書を捨てよ町へ出よう』寺山修司没後35年記念」より。(c)井上佐由紀

「RooTS Series『書を捨てよ町へ出よう』寺山修司没後35年記念」より。(c)井上佐由紀[拡大]

昨夜、自分たちがあらためて、まったくあたらしくつくって、再構成された「書を捨てよ町へ出よう」を、はじめて、さいごまで観たのだけれど。いや、観たというよりも、途中から、遠い丘のうえから眺めていたようなかんじだった。現在という時間のなかで、その場所でしかできない作業を、ぼくは眺めていた。そしてどうしてか湧きあがってきた、くやしい、という感情に驚いた。それは、とても大切な、くやしい、だった。どうして、あのころの若者や、そして現在という時間を生きる我々の葛藤や怒りはこうも、忘れ去られるどころか、無かったことのように扱われるのか。そう。だから、ぼくはくりかえしているのだと。くりかえしのなかで、よみがえらせようとしているのだと。いつかくりかえすことすらできなくなるその日まで、くりかえそうとおもっているのだと。無かったことにはさせない。すべてが、いつかの時間に、場所に、在ったのだ。そのことを再確認にして、きょうという日に、ツアーを始めようとしている。

関連する特集・インタビュー

この記事の画像(全15件)

「RooTS Series『書を捨てよ町へ出よう』寺山修司没後35年記念」

2018年10月7日(日)~21日(日)
東京都 東京芸術劇場 シアターイースト

2018年10月27日(土)・28日(日)
長野県 サントミューゼ 上田市交流文化芸術センター

2018年11月3日(土)・4日(日)
青森県 三沢市国際交流教育センター

2018年11月7日(水)・8日(木)
北海道 札幌市教育文化会館

2018年11月21日(水)~24日(土)
フランス パリ日本文化会館

作:寺山修司
上演台本・演出:藤田貴大
出演:佐藤緋美、青柳いづみ川崎ゆり子、佐々木美奈、召田実子 / 石井亮介尾野島慎太朗、中島広隆、波佐谷聡、辻本達也、船津健太 / 山本達久
映像出演:穂村弘、又吉直樹佐々木英明

全文を表示

読者の反応

  • 5

東京芸術劇場 @geigeki_info

「書を捨てよ町へ出よう」初日開幕!演出家・藤田貴大が感じた「とても大切な、くやしい」 - ステージナタリー https://t.co/2qd7cXe1iA

コメントを読む(5件)

関連記事

藤田貴大のほかの記事

リンク

あなたにおすすめの記事

このページは株式会社ナターシャのステージナタリー編集部が作成・配信しています。 藤田貴大 / 宇野亞喜良 / 青柳いづみ / 寺山修司 / 川崎ゆり子 / 召田実子 / 石井亮介 / 尾野島慎太朗 / 波佐谷聡 / 山本達久 の最新情報はリンク先をご覧ください。

ステージナタリーでは演劇・ダンス・ミュージカルなどの舞台芸術のニュースを毎日配信!上演情報や公演レポート、記者会見など舞台に関する幅広い情報をお届けします