本作は、アングラ世代の戯曲に気鋭の演出家が挑む、東京芸術劇場のRooTSシリーズ第3弾として2015年に初演された作品。今回はシリーズ初の再演として、藤田が
再演開幕に際し藤田は「現在という時間のなかで、その場所でしかできない作業を、ぼくは眺めていた。そしてどうしてか湧きあがってきた、くやしい、という感情に驚いた。それは、とても大切な、くやしい、だった」と述べ、「どうして、あのころの若者や、そして現在という時間を生きる我々の葛藤や怒りはこうも、忘れ去られるどころか、無かったことのように扱われるのか。そう。だから、ぼくはくりかえしているのだと」と思いを語る。そして「無かったことにはさせない。すべてが、いつかの時間に、場所に、在ったのだ。そのことを再確認にして、きょうという日に、ツアーを始めようとしている無かったことにはさせない。すべてが、いつかの時間に、場所に、在ったのだ。そのことを再確認にして、きょうという日に、ツアーを始めようとしている」とツアーへの覚悟を述べている。
上演時間は約1時間50分を予定。東京公演は10月21日まで。その後、10月27・28日に長野・サントミューゼ 上田市交流文化芸術センター、11月3・4日に青森・三沢市国際交流教育センター、11月7・8日に北海道・札幌市教育文化会館を巡演し、11月21日から24日まではフランスの「フェスティバル・ドートンヌ・パリ」に参加する。
藤田貴大コメント
昨夜、自分たちがあらためて、まったくあたらしくつくって、再構成された「書を捨てよ町へ出よう」を、はじめて、さいごまで観たのだけれど。いや、観たというよりも、途中から、遠い丘のうえから眺めていたようなかんじだった。現在という時間のなかで、その場所でしかできない作業を、ぼくは眺めていた。そしてどうしてか湧きあがってきた、くやしい、という感情に驚いた。それは、とても大切な、くやしい、だった。どうして、あのころの若者や、そして現在という時間を生きる我々の葛藤や怒りはこうも、忘れ去られるどころか、無かったことのように扱われるのか。そう。だから、ぼくはくりかえしているのだと。くりかえしのなかで、よみがえらせようとしているのだと。いつかくりかえすことすらできなくなるその日まで、くりかえそうとおもっているのだと。無かったことにはさせない。すべてが、いつかの時間に、場所に、在ったのだ。そのことを再確認にして、きょうという日に、ツアーを始めようとしている。
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「RooTS Series『書を捨てよ町へ出よう』寺山修司没後35年記念」
2018年10月7日(日)~21日(日)
東京都 東京芸術劇場 シアターイースト
2018年10月27日(土)・28日(日)
長野県 サントミューゼ 上田市交流文化芸術センター
2018年11月3日(土)・4日(日)
青森県 三沢市国際交流教育センター
2018年11月7日(水)・8日(木)
北海道 札幌市教育文化会館
2018年11月21日(水)~24日(土)
フランス パリ日本文化会館
作:
上演台本・演出:
出演:佐藤緋美、
映像出演:穂村弘、
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