舞台「いまを生きる」が、本日10月5日に東京・新国立劇場 中劇場で開幕。初日公演に先駆け本日、同所で囲み取材が行われた。
ロビン・ウィリアムズ主演、ピーター・ウィアー監督により1989年に製作されたアメリカ映画「
舞台は1959年のアメリカ。バーモントの全寮制学院ウェルトン・アカデミーに、同校のOBで英語教師のキーティングが赴任してきた。厳格な規則に縛られている学生たちに、キーティングは「教科書なんか破り捨てろ」と言い放ち、風変わりな授業を行う。初めは戸惑う生徒たちだったが、彼らは次第に自由な生き方に目覚めていき……。
囲み取材には、佐藤をはじめ、生徒役を演じる
映画版のファンだと話す佐藤は「映画版に引っ張られすぎないように稽古した」と言い、「僕たちの『いまを生きる』のカラーが出せるよう、上田さんの演出のもとで作り上げていくことを心がけました」と創作過程を明かす。また生徒役のキャスト6名について佐藤は「6人集まると個性がぶつかることもあるかと思っていましたが、みんな仲がよくていい雰囲気でした」と稽古を振り返り、「(生徒役の出演者たちが)自分の出番じゃないときでも稽古場から抜けて、芝居を合わせていたりして。自分もちゃんとしなきゃな、と刺激をもらいました」と充実ぶりを語った。
「映画版を観て感動した」と言う大和田が「本当は隆太さんの役がやりたかったんですけど……」と茶目っ気たっぷりに佐藤に視線を送ると、佐藤は「すみません!」と恐縮した様子で一礼して報道陣の笑いを誘う。共演者の話題になると大和田は、佐藤の演技を「役にぴったり」「誠意に溢れていて素晴らしい」と絶賛。続いて生徒役の宮近らを示しながら「素直で、芝居に真摯」「キラキラ輝いていて……わくわくしながら一緒にやらせていただいた」と笑顔を見せた。
インタビュアーにコメントを求められた宮近が「僕、ニール・ペリー役の宮近海斗なんですけれども……」と口火を切ると、佐藤から「知ってます、知ってます!」とツッコミが入り、会見場に大きな笑いが起こる。宮近は自身の演じるニールとキーティングが対峙する場面が好きだと言い、「目と目を合わせて先生をちゃんと受け取ると言いますか……すごく大切なシーン」と見どころをアピール。佐藤と大和田については「数々の舞台や映像に出演されている“ザ・俳優”で重鎮のお二方」と述べ、「小さな所作を見て『ああやっぱり本物だ』と身に染みて感じましたし、すごく感化されました」と感慨を語った。
ノックス役の七五三掛は、ノックスが一目惚れをする少女クリスとの場面がお気に入りだと話し、「あのシーンは稽古のときからすごい心臓がバクバクで……リハーサルが終わっても楽屋に戻ってもバクバクがずっと収まらなくて。恋するバクバクです(笑)」とはにかむ。さらに稽古中に大和田から「技術がどうこうじゃなくて、お客さんに伝える気持ちを一番大事に」とアドバイスを受けたことを明かし、「この言葉を大切にしながらやってきました」と言葉に力を込めた。
トッドを演じる永田は「僕の役はキーティング先生や周囲に助けられて成長します。先生の授業は僕の中ですごく重要な意味を持つので、授業のシーンを大切にしています」と役作りを語る。佐藤と大和田との共演については、「生徒役のキャストは隆太さんにご飯に連れて行ってもらうこともあった」「大和田さんは怖そうだなと思ってたんですけど(笑)、いつも稽古場をにぎやかにしてくださる」と笑顔で話し、カンパニーの仲睦まじさをうかがわせた。
リチャード役の中村は、生徒たちが学校から抜け出して洞窟で詩を読むシーンが好きだと言い、「詩を読むっていいなあと思いませんか、皆さん!?」と呼びかけて共演者たちの笑いを誘う。また中村はセリフがなかなか覚えられなかったと話し、「外に行って1人で覚えようとしていたら、隆太さんが来て、そのあと稽古場から生徒役のキャスト全員が僕のところに来てくれたんです。みんな一緒にそのシーンの台本を読んでくれたのでセリフも覚えられたし、生徒たちとの距離感もつかむことができて……温かさに助けられました」とエピソードを明かし、記者たちを和ませた。
最後に佐藤は「映画版は多くのファンから愛されている名作です。みんなプレッシャーを抱えながらスタートしましたが、上田さんのもと稽古を積み重ねてなんとか初日を迎えることができました。生徒役の彼らがキラキラしていて、パワーを持って帰ってもらえる作品になったと思います。ぜひ多くの方に観ていただけたら」とメッセージを送った。
公演は10月24日まで、東京・新国立劇場 中劇場にて。
舞台「いまを生きる」
2018年10月5日(金)~24日(水)
東京都 新国立劇場 中劇場
脚本:トム・シュルマン
上演台本・演出:
出演:
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