「芸術祭十月大歌舞伎」が昨日10月1日に東京・歌舞伎座で初日を迎えた。
十八世
昼の部の幕開けを飾るのは、勘三郎が1994年に東京・明治座でお嬢吉三を演じた「三人吉三巴白浪」より、大川端庚申塚の場。今回はお嬢吉三を
定式幕が引かれると、舞台上には大きな大川端(隅田川)が。七之助は“丸に封じ紋”が入った黒ちりめんの振り袖姿で登場し、夜道を大仰に怖がるいじらしい女を演じたかと思えば、一変、低い声色で艶やかな盗賊に成り変わり、客席を魅了する。続く七五調の長セリフ“厄払い”では、大向うから「待ってました!」の声も。そして「三人吉三巴白浪」は、義兄弟の契を交わした3人による引っ張りの見得で幕を下ろした。
続いて上演された「大江山酒呑童子」は、十七世勘三郎のために書き下ろされた舞踊劇。1963年に歌舞伎座で初演され、1992年に大阪・中座で十八世勘三郎が出演。昨年2017年に京都・ロームシアター京都で勘九郎に受け継がれ、今回、歌舞伎座で勘九郎が初めて、酒呑童子を勤める。
後ろ髪の長いおかっぱ頭で童子に扮した勘九郎は、すっぽんから登場。四天王から勧められるがままに酒を飲むシーンでは、調子に合わせて首を小刻みに振り、盃をみるみる空にしていく酒呑童子を愛嬌たっぷりに演じて客席の笑いを誘った。舞台上を躍動し、酒呑童子の酩酊ぶりを表現する勘九郎の姿は、父・勘三郎の演技を観客に思い起こさせた。
勘九郎は、やがて大江山の鬼神である正体を現すと、大胆な隈取りに真っ赤な着物で再登場し、
そして昼の部の最後には、1851年に江戸中村座で初演され、このたび10年ぶりに歌舞伎座で上演される「東山桜荘子 佐倉義民伝」が披露される。なお本作の成功と大入りを祈念し、歌舞伎座の2階では宗吾霊堂の出開帳が行われているので併せてチェックしよう。
「芸術祭十月大歌舞伎」は10月25日まで。夜の部には「宮島のだんまり」「義経千本桜 吉野山」「助六曲輪初花桜」がラインナップされている。また、追善公演は2カ月連続で行われ、11月1日からは26日までは東京・平成中村座で実施される。
「芸術祭十月大歌舞伎」
2018年10月1日(月)~25日(木)
東京都 歌舞伎座
昼の部
「三人吉三巴白浪」
お嬢吉三:
お坊吉三:
夜鷹おとせ:
和尚吉三:
「大江山酒呑童子」
酒呑童子:
平井保昌:
渡辺綱:
坂田公時:
濯ぎ女なでしこ:
濯ぎ女わらび:
濯ぎ女若狭:
源頼光:
「東山桜荘子 佐倉義民伝」
木内宗吾:
おさん:中村七之助
徳川家綱:中村勘九郎
久世大和守:
三浦志摩守:市村竹松
青山伯耆守:
稲葉丹後守:中村隼人
秋元但馬守:
伊丹備前守:片岡松之助
浅野摂津守:嵐橘三郎
酒井若狭守:
井上河内守:
松平伊豆守:市川高麗蔵
幻の長吉:
渡し守甚兵衛:
夜の部
「宮島のだんまり」
傾城浮舟太夫実は盗賊袈裟太郎:中村扇雀
大江広元:中村錦之助
典侍の局:市川高麗蔵
相模五郎:中村歌昇
本田景久:坂東巳之助
白拍子祇王:中村種之助
奴団平:中村隼人
息女照姫:中村鶴松
浅野弾正:中村吉之丞
御守殿おたき:
悪七兵衛景清:片岡亀蔵
河津三郎:
平相国清盛:坂東彌十郎
「義経千本桜 吉野山」
佐藤忠信実は源九郎狐:中村勘九郎
早見藤太:坂東巳之助
静御前:
「助六曲輪初花桜」
花川戸助六:
三浦屋揚巻:中村七之助
白酒売新兵衛:中村勘九郎
通人里暁:坂東彌十郎
若衆艶之丞:片岡亀蔵
朝顔仙平:坂東巳之助
三浦屋白玉:中村児太郎
福山かつぎ:
男伊達:市村竹松、大谷廣太郎、
文使い番新白菊:中村歌女之丞
傾城八重衣:澤村宗之助
遣手お辰:
くわんぺら門兵衛:
髭の意休:中村歌六
三浦屋女房:
曽我満江:坂東玉三郎
後見:片岡松之助
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