1989年に夢の遊眠社で初演された「贋作 桜の森の満開の下」は、坂口安吾の小説「桜の森の満開の下」「夜長姫と耳男」を下敷きとした作品。これまで92年、2001年に上演され、昨年17年には「八月納涼歌舞伎」にて「野田版 桜の森の満開の下」として歌舞伎化された。
NODA・MAPのラインナップとして初上演される今作には、耳男役の
本作のパリ公演は、フランスで開催されている「ジャポニスム 2018:響きあう魂」の公式企画の1つとして、翻訳家のコリーヌ・アトランが野田のセリフをフランス語に翻訳した字幕付きで上演される。パリ公演初日を終えた妻夫木は「始まった途端に、客席から感じた情熱的な匂いは、まさにフランスならではの感覚でした。観客からは、期待感と同時に、いったいどんなものを日本人が見せてくれるんだ。という、挑発的なまなざしも感じました」と振り返り、「視覚的な日本らしさもさることながら、手作り感や泥臭さという日本人ならではの良さが大いに詰まっているので、本当に伝えたい日本人らしさを、パリの観客に感じてもらえたらと思います」と語った。
また野田は「初日のパーティーで、観てくれた方の感想を聞いて、ようやく安心した。素直にうれしいと感じることができました」と手応えを述べ、「アナログこそ、『演劇のふるさと』だと、それが海を越えても通用するんだということを実感しました。これからも謙虚に邁進していきたいと思います」とコメントした。
パリ公演は10月3日まで行われ、10月13日から21日まで大阪・新歌舞伎座、10月25日から29日まで福岡・北九州芸術劇場 大ホール、11月3日から25日まで、再び東京芸術劇場 プレイハウスにて上演される。
妻夫木聡コメント
日本でも、フランスでも演じる上では関係ないと思っていたけれど、始まった途端に、客席から感じた情熱的な匂いは、まさにフランスならではの感覚でした。観客からは、期待感と同時に、いったいどんなものを日本人が見せてくれるんだ。という、挑発的なまなざしも感じました。
言葉のテンポも速いので、フランスの観客に、この作品に込めた野田さんの考えがうまく伝わっているだろうかと気になりましたが、1幕が終わったところで、客席から大きな拍手が沸き起こったのは、日本ではなかったことでした。やはり、野田さんの創る作品はパリでも愛されているんだな。と、確かな手応えを感じました。
この作品は、視覚的な日本らしさもさることながら、手作り感や泥臭さという日本人ならではの良さが大いに詰まっているので、本当に伝えたい日本人らしさを、パリの観客に感じてもらえたらと思います。
野田秀樹コメント
カーテンコールで拍手をもらっている時の顔は、きっと、こわばっていたと思います。
自分自身では、きっと良かったんだとは思いながらも、観客からの大きな拍手や歓声を聞いても、まだ信じられない思いでした。
初日のパーティーで、観てくれた方の感想を聞いて、ようやく安心した。素直にうれしいと感じることができました。
アナログな見立てを取り入れた演出をすることには、勇気がいったんですが、坂口安吾は、「文学のふるさと」という言葉をつくりましたが、アナログこそ、「演劇のふるさと」だと、それが海を越えても通用するんだということを実感しました。これからも謙虚に邁進していきたいと思います。
NODA・MAP 第22回公演「贋作 桜の森の満開の下」
2018年9月1日(土)~12日(水)※公演終了
東京都 東京芸術劇場 プレイハウス
2018年9月28日(金)~10月3日(水)
フランス パリ 国立シャイヨー劇場
2018年10月13日(土)~21日(日)
大阪府 新歌舞伎座
2018年10月25日(木)~29日(月)
福岡県 北九州芸術劇場 大ホール
2018年11月3日(土・祝)~25日(日)
東京都 東京芸術劇場 プレイハウス
作・演出:
出演:
関連記事
NODA・MAPのほかの記事
タグ
リンク
- 贋作 桜の森の満開の下 | NODA・MAP 第22回公演
※記事公開から5年以上経過しているため、セキュリティ考慮の上、リンクをオフにしています。
糖類の上@お仕事募集中 @tinouye
NODA・MAP「桜の森の~」パリ公演、野田秀樹が手応え「海を越えても通用する」 - ステージナタリー https://t.co/kGgwNFAOh5