早稲田小劇場どらま館と
宮沢は20年ぶりとなる本作の上演について「この作品に普遍性があるとするなら、正しいことをしているつもりの教師らが、こっそり持ち物検査をする、こそこそしたそのふるまいが喜劇だからだ。だからこれは喜劇だ。そして得体のしれない悲劇だ」とコメントを寄せた。上演時間は1時間35分を予定。公演は10月1日まで行われる。
宮沢章夫コメント
初演からちょうど二十年になる。
いまも上演したいと連絡を受けるのは幸福なことだ。多くが高校の演劇部だ。おそらく登場人物が五人と少ないこと、教室というよく知っている場所が舞台になっていること、そして、「十四歳」が自分たちにとってはとても身近だからだろう。ただ、これがいま理解されるのか不安になったのは--それは再演の稽古を進めるあいだに気がついたことだが--、一九九七年に起こった神戸のニュータウンで十四歳の少年が犯した凄惨な事件や、その翌年、社会問題になったバタフライナイフを使った殺傷事件の生々しさがこの二十年でよくわからなくなっていることだ。もちろんその記憶を消したいと考える人たちもいるにちがいない。
そのことを直接書いたわけではないが、いまナイフの重さを伝えられるだろうか。それでもなお、この作品に普遍性があるとするなら、正しいことをしているつもりの教師らが、こっそり持ち物検査をする、こそこそしたそのふるまいが喜劇だからだ。
だからこれは喜劇だ。そして得体のしれない悲劇だ。
早稲田小劇場どらま館×遊園地再生事業団「14歳の国」
2018年9月14日(金)~10月1日(月)
東京都 早稲田小劇場どらま館
作・演出:
出演:
遊園地再生事業団のほかの記事
リンク
- 14歳の国 – 早稲田小劇場どらま館×遊園地再生事業団
- 宮沢章夫『14歳の国』公演中~10/1まで (@14year_olds) | Twitter
- u-ench.com PAPERS
- 遊園地再生事業団 (@u_ench) | Twitter
※記事公開から5年以上経過しているため、セキュリティ考慮の上、リンクをオフにしています。
John Doe @alatterpart
遊園地再生事業団「14歳の国」開幕、「これは喜劇、そして得体のしれない悲劇」 - ステージナタリー https://t.co/IiY1ysIkbn