「サメと泳ぐ」日本初演が開幕、千葉哲也「柔らかい中に毒のある作品」

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関西テレビ放送開局 60周年記念舞台公演「サメと泳ぐ」が、本日9月1日に東京・世田谷パブリックシアターで開幕。これに先駆けて昨日8月31日に公開ゲネプロが行われた。

「サメと泳ぐ」ゲネプロより。左から田中圭演じるガイ、田中哲司演じるバディ。

「サメと泳ぐ」ゲネプロより。左から田中圭演じるガイ、田中哲司演じるバディ。

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「サメと泳ぐ」ゲネプロより。

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「サメと泳ぐ」は1994年にハリウッドで製作された映画「Swimming with Sharks」(邦題「ザ・プロデューサー」)をもとに、2007年にロンドン・ウエストエンドで舞台化された作品。映画版の脚本・監督を手がけたジョージ・ホアンが、ハリウッドでのさまざまな経験や見聞きしたエピソードから着想を得た本作は、ショービジネスの表と裏に迫るブラックコメディだ。なお今回の日本初演版では千葉哲也が演出を務める。

田中圭演じるガイ。

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ゲネプロでは1幕が公開された。舞台はハリウッドの大手映画製作会社キーストーンピクチャーズ。数多くの作品をヒットに導いてきた大物プロデューサーのバディ・アッカーマン(田中哲司)は、人間としての評価は最悪だったが、彼のもとで働いたアシスタントは映画界で出世すると言われていた。脚本家志望のガイ(田中圭)は、成功を夢見てバディの下で働き始める。バディから日々浴びせられる罵倒や侮辱に耐えながら、無理難題に対応していくガイは、ある日、新作映画の企画を売り込みに来たフリーの映画プロデューサー・ドーン(野波麻帆)に心奪われ、やがて2人は恋人関係となる。制作部門のトップへ上り詰めようと躍起になっていたバディは、映画会社会長のサイラス(千葉哲也)にアピールするためにドーンの新企画を利用しようとガイにある提案を持ちかけ……。

「サメと泳ぐ」ゲネプロより。

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田中哲司は権力を誇示し、部下であるガイを怒鳴り散らす破天荒なバディを迫力たっぷりに、そしてコミカルに快演。田中圭はバディに振り回されながらも脚本家として成功するという自らの野望のためにひた走るガイを体当たりで演じる。また野波は「いい映画を作りたい」という思いで映画業界を生き抜く強い女性像と、映画を愛する純朴なガイに心を許し、恋をするドーンの二面性を繊細に表現した。

上演時間は途中休憩15分を含む約3時間を予定。東京公演は9月9日まで行われ、その後、宮城、兵庫、福岡、愛媛、広島を巡演する。

千葉哲也コメント

左から田中哲司演じるバディ、千葉哲也演じるサイラス。

左から田中哲司演じるバディ、千葉哲也演じるサイラス。[拡大]

硬質な芝居というより、柔らかい中に毒のある作品になっていればいいと思います。僕はどこか力の抜けた演劇が好きなんだな、と改めて実感しました。出演者もスタッフもとてもいいチームで、おだやかに稽古に取り組めました。ハリウッドが舞台ではありますが、人生の中では誰しもに起こりうる、集団社会で大きなものにつぶされる軋轢、不確かなものを確かだと思ってしまう人間の姿が描かれていると思います。「人生は映画じゃない」という台詞が出てきますが、観ている皆さんにどう響くのか? 共感できる人、できない人、感じ方はそれぞれですが、何か持ち帰ってもらうものがあれば嬉しいですね。

田中哲司コメント

田中哲司演じるバディ(右)。

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緊張や不安はもちろんありますが、初めてご一緒した演出の千葉さんが自由を許してくれるので、余白をもって、力を抜いて、固まりすぎずに舞台上で起こる事を楽しみたいと思います。最初に台本を読んだ時から面白いと思っていたラストシーンは、実際に演じてみてもやっぱり面白い。圭くんのガイは物語の中でどんどんカッコよく成長していくし、野波さんのドーンは彼女にしか出せない雰囲気を放っているので、自分も一瞬も気を抜くことができないですね。僕自身は大人が楽しめるブラックコメディだととらえているので、真面目な作品だと構えることなく、肩の力を抜いて観に来てください。

田中圭コメント

田中圭演じるガイ。

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今は幕が開いたらどうなるんだろう、やってみるしかない!という気持ちです。単純なストーリーにみえて、中で渦巻いているものが多く、何が本当か嘘か分からなくなる。自分でも日々作品の見え方が変わって行きます。演出の千葉さん、哲司さんや野波さんとの関係性を信じて、周りからもらうものを大切にしたいです。いい意味でハプニングもたくさん起きそうです(笑) 作品のテーマ性がとても好きなので、僕自身響く台詞が多く、今この作品に出演する意味を感じます。この舞台を観た後に、僕たちのような作り手側に対して見え方が少し変わる、そんな部分があればいいなと思います。

野波麻帆コメント

左から野波麻帆演じるドーン、田中圭演じるガイ。

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千葉さんが役者に対して絶対に否定しない演出をされるので、稽古の中でいろいろな角度からドーンという役を探せる時間を過ごせたことをとても感謝しています。哲司さんも圭さんも日々変化しているし、自分も毎日新鮮でありたいですね。本番でも皆で変わっていけるのではと思えることが幸せです。この作品の登場人物はみんなが必死に戦っているけれど、お互いの情熱がうまくかみ合わない。誰が悪いということではなく、それぞれの歯車が狂ってしまう気持ち悪さを是非観てもらえたらと思っています。

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関西テレビ放送開局 60周年記念舞台公演「サメと泳ぐ」

2018年9月1日(土)~9日(日)
東京都 世田谷パブリックシアター

2018年9月11日(火)
宮城県 電力ホール

2018年9月14日(金)~17日(月・祝)
兵庫県 兵庫県立芸術文化センター 阪急中ホール

2018年9月20日(木)・21日(金)
福岡県 ももちパレス

2018年9月28日(金)
愛媛県 松山市総合コミュニティセンター キャメリアホール

2018年10月4日(木)
広島県 JMSアステールプラザ 大ホール

原作:ジョージ・ホアン
上演台本:マイケル・レスリー
翻訳:徐賀世子
演出:千葉哲也
出演:田中哲司田中圭野波麻帆 / 石田佳央、伊藤公一、小山あずさ / 千葉哲也

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