「キャッツ」は、
開演のアナウンスと共に客電が落ちると、オープニング音楽が鳴り響く中で最前4列の客席が舞台と共に回転する。やがて暗闇の中に、猫の目をかたどった緑色のライトを頭に着けた俳優たちが現れ、客席通路を駆け抜けながら観客を猫の世界へと引き込んでいく。
劇中では個性豊かな猫たちの生き様が、歌としなやかなダンスに乗せて紹介されていく。奔放でワイルドな雄猫、ラム・タム・タガーが雌猫たちのため息を誘うアップテンポのナンバー「ラム・タム・タガー~つっぱり猫」では、客席も巻き込み場内が盛り上げられ、俳優だったと言う老猫アスパラガスが演じる劇中劇「グロールタイガー~海賊猫の最期」では、海賊船をイメージした舞台装置の上で勇壮なアクションが繰り広げられる。さらに「ミストフェリーズ~マジック猫」の場面では、“グレートマジシャン”と称される黒猫ミストフェリーズが次々にターンを繰り出し、観客からの拍手喝采を浴びた。
なお今回の上演版では、楽曲の改訂に伴って一部振付とステージングに変更が加えられている。近年はカットされ、今回復活した「ランパスキャット~けんか猫」では、ゴミのオブジェを身に着け犬になりきった猫たちと、彼らが繰り広げるにぎやかなけんか、そしてそれを仲裁するランパスキャットの衣装に注目だ。また「ジェニエニドッツ~おばさん猫」では、これまでのタップダンスに加えてボディパーカッションを取り入れた振りが付けられる。さらに「マンゴジェリーとランペルティーザ~小泥棒」では、歌詞はそのままに曲調が変化し、2匹の泥棒猫が息の合った軽やかなダンスを見せる場面も。上記以外にも随所に変更が加えられているため、長年のファンは楽しみにしておこう。
劇場内はエレキギター、おもちゃの鍵盤楽器、ゲーム機など、モチーフの実寸の3倍ほどの大きさで作られたゴミのオブジェで埋め尽くされている。劇場のある品川区にちなんだオブジェも“ご当地ゴミ”として多数設置されているので、ぜひ劇場で探してみては。
ミュージカル「キャッツ」の公演は8月11日からスタートし、ロングラン公演が行われる。なお本作は今年18年11月11日に日本初演35周年を迎えるほか、来年19年3月12日には日本公演通算1万回公演を達成する。
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