藤山直美復帰、渡辺いっけいら笑顔で歓迎「おもろい女」3年ぶりに上演

藤山直美が主演を務める「おもろい女」の製作発表が本日8月7日に東京都内で行われた。

「おもろい女」は、昭和初期の天才漫才師ミス・ワカナの半生を描いた人気作。1965年放送のテレビドラマでは森光子がワカナ、直美の父・藤山寛美が玉松一郎を演じ、78年には森主演の舞台版が誕生した。以降、500回近くもの上演を重ね、2015年に直美がワカナ役を継承。昨年17年に再演が予定されていたが、直美が初期の乳がんと診断されたことを受けて中止となっていた。

本日の会見には、藤山らキャストと、潤色・演出を手がける田村孝裕が出席。まず初めに藤山は「私の病気の手術・治療におきまして、公演が中止となってしまいましたことをお詫びさせていただきます。申し訳ございませんでした。そして再演にあたり、お力添えいただいた皆様にお礼申し上げます」と深々と頭を下げ、「また舞台に立たせていただけることを、とてもうれしく思います。少しずつ体力を戻していけるように、責任を持って舞台に臨ませていただきますのでよろしくお願いします」と真摯に挨拶した。

15年版に続き、ワカナの相手方・一郎役を演じる渡辺いっけいは「初演と比較されることを考えると気後れしてしまい、再演に出演することを避けてきたところがあった」としながらも、「前回、『もっとこうすればよかった』『ああすればよかった』と思う点があったので、再びこの作品に出演できることをうれしく思います」とコメントし、「藤山さんと一緒にお芝居を成功させたい。でも決して張り切り過ぎずに、楽しい舞台にしたいと思います」と藤山に微笑みかけた。

前作にも出演した黒川芽以と篠田光亮は「先輩方のエネルギーをいただきながら、自分もお客様に元気を与えられるようにがんばります」、「新しい出演者の方もいらっしゃいますので、1からこの作品を作っていけたらと思います」とそれぞれ意気込みを語り、今回が初参加となる天宮良は「私が演じる浅原月雄は、ワカナからお金を騙し取り、彼女をヒロポン中毒にしてしまう悪い男なのですが、私の中には黒いものがまったくありませんで……肌は黒いのですがお腹の中は白いんです（笑）」とおどけてみせる。同じく新キャストの佐藤正宏は、藤山との共演を喜びながら、「楽しい舞台にできたらと思います。皆さんぜひお越しください」と観客にメッセージを送った。

続く正司花江は「（藤山が）小さい頃からご一緒させていただいてるから心配だったんです……元気になられて本当によかった」と声を震わせ、「直美さん、がんばりましょね」と藤山に呼びかける。また田山涼成も「今日3年ぶりに直美さんのお顔を拝見しましたが、全然変わらない表情だったので心からうれしかったです。きっと面白い舞台になります。よろしくお願い申し上げます」と藤山の復帰を喜び、さらに山本陽子も「また藤山さんとご一緒できることうれしく思います。今回も舞台の上で丁々発止のやり取りを演じたいです」と思いを述べた。

最後にマイクを持った演出の田村は「多くのお客様がご期待されているのは、藤山直美さんの元気なお姿だと思いますので、僕たちも全力でサポートさせていただきます。前回と比べられてしまうかもしれないけれど、必死にやっていければ」と意欲を見せる。共演者の言葉を受け、藤山は「皆さんの気持ちがたくさん届いて、私は復帰させてもらったんやなって……。おごることなく、やらなければいけないことをただ1つ見つめて、毎日努力したいなと思います」と穏やかな表情で語った。

「おもろい女」は、10月8日から29日まで東京・シアタークリエで行われる東京公演を皮切りに、10月から12月にかけて静岡、広島、兵庫、長野、富山、石川、群馬、新潟で上演予定。東京公演のチケットは8月11日に発売される。