「東アジア文化都市2019豊島」のキックオフ記者会見が、昨日7月17日に東京・豊島区役所で行われた。
「東アジア文化都市」は、日本、中国、韓国の3カ国が文化プログラムを通して交流を深める国家的プロジェクト。日本国内ではこれまで神奈川県横浜市、新潟県新潟市、奈良県奈良市、京都府京都市、石川県金沢市が「東アジア文化都市」に選定されており、19年の候補都市には東京都豊島区が挙げられている。なお開催都市は、今年18年夏に実施される日中韓文化大臣会合において正式決定される予定だ。
本日の会見には、準備委員会委員長を務める高野之夫豊島区長、全体統括を担う吉岡知哉氏、舞台芸術部門総合ディレクターの
続いて宮城は「『隣人と共存共栄すること』『豊島区がアートカルチャー都市として成長すること』、この2つの目標に向かってがんばっていきたい」と宣言。1つ目の課題として挙げた「隣人と共存共栄すること」について、宮城は「これは人類に課せられた宿題だと思っています。文化という窓を通して、競争心やコンプレックスをプラスに変えていけたら」と意欲を見せ、2つ目の「豊島区がアートカルチャー都市として成長すること」については、「例えばアートから最も遠いと思われている選挙や演説が、アートカルチャーと結び付くことでもっと面白くなるかもしれません。文化芸術を通して、ポジティブな未来を発見したい」と展望を述べた。
またここでは、事業ディレクターとして「東アジア文化都市2019豊島」に携わる多田淳之介と石神夏希の話題も。宮城は、アジア諸国と共同制作を行ってきた多田の功績を讃えながら、「『隣人との共存共栄』という目標に向かって力を発揮してほしい」と期待を込め、サイトスペシフィックな作品作りを得意とする石神に対しては、「鬼子母神御会式を題材としたアートプロジェクトに取り組んでもらう予定」と構想を明かす。
さらに宮城は、アメリカ・ニューヨークのブロードウェイ、イギリス・ロンドンのウエストエンドといった演劇が盛んな地区を例に挙げ、「こういった地域は都市のイメージがしっかりと確立されていますが、残念ながら東京のイメージは現段階では明瞭ではないのかもしれません」と比較しつつ、「『舞台芸術を観るなら豊島区に行こう、池袋に行こう』と世界中の人が思うような都市を目指したい」と目標を掲げた。
そして祭事・芸能部門責任者の東澤氏からも、「東京芸術祭」や「フェスティバル/トーキョー」といった事業と連携を取りながら、一丸となって「東アジア文化都市2019豊島」および各事業を盛り上げていく、というプランが語られた。
「東アジア文化都市2019豊島」の開幕式典は、19年2月1日に東京・東京芸術劇場にて行われ、閉幕式典は同年11月24日に新劇場・Hareza 池袋で開催予定。
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水野 祐 CITY LIGHTS LAW @TasukuMizuno
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