仙台を拠点に活動するSENDAI座☆プロジェクトが、ある少年の判決を巡って12人の陪審員が審議を繰り広げるレジナルド・ローズの人気作を再演。2004年にブロードウェイにて、The Roundabout Companyによって上演された台本を、宮島春彦の翻訳・演出で立ち上げる。
再演に際し宮島は「11対1で有罪から0対12で無罪という結果はたとえ芝居とはいえ異常だ。誤審や冤罪が避けられてハッピーエンドというにはあまりに極端だ。問題はそのプロセスだということになる。陪審員たちは告発内容を、さらに証人や弁護の発言を聴いた。その上で投票したのだから、当初一同がいかにいい加減な先入観で投票したかだ。そのいい加減さを暴いて行くのがこの作品だと言えるだろう」と述べている。
公演は8月8日から12日まで東京の座・高円寺1、8月29日から9月2日まで宮城・エルパーク仙台 ギャラリーホール、9月22・23日に福島・白河文化交流館コミネス 小ホール、10月13・14日に山形・川西町フレンドリープラザ 大ホール、11月9日から11日に兵庫・ピッコロシアター 中ホールにて。
宮島春彦の演出ノートより
「十二人の怒れる男」再演に関して
8年前(東日本大震災の前年)に、すでに旧訳で上演しながら、私に新訳の依頼があった。
台本作成上の責任もあり、稽古に二日ほど参加し、公演本番も観た。
非常に優れた舞台だった。この作品はこれまでも東京でそれなりに上演されており、二、三度見た記憶があるが、それらをはるかに凌駕する密度があった。
さて、キャストも半数を変えての再演で重視したいのは次の点だ。
11対1で有罪から0対12で無罪という結果はたとえ芝居とはいえ異常だ。誤審や冤罪が避けられてハッピーエンドというにはあまりに極端だ。問題はそのプロセスだということになる。
陪審員たちは告発内容を、さらに証人や弁護の発言を聴いた。その上で投票したのだから、当初一同がいかにいい加減な先入観で投票したかだ。そのいい加減さを暴いて行くのがこの作品だと言えるだろう。それぞれの出自、生活状態、社会的地位、仕事など様々な状況が、いかに人々の判断を左右するかを暴くこと。いかにして付和雷同、印象的判断から可能な限り個人的な歪んだ判断を排した判断に至るか。人間が人を裁く際の危うさを重視したい、裁判がいかに危うい条件に支えられているかを。
多数決ではなく全員一致という条件が、辛うじて裁判を支えているのかも知れない。
SENDAI座☆プロジェクト2018「十二人の怒れる男」
2018年8月8日(水)~12日(日)
東京都 座・高円寺1
2018年8月29日(水)~9月2日(日)
宮城県 エルパーク仙台 ギャラリーホール
2018年9月22日(土)・23日(日・祝)
福島県 白河文化交流館コミネス 小ホール
2018年10月13日(土)・14日(日)
山形県 川西町フレンドリープラザ 大ホール
2018年11月9日(金)~11日(日)
兵庫県 ピッコロシアター 中ホール
作:レジナルド・ローズ
翻訳・演出:宮島春彦
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