PARCO PRODUCE「『ウォーター・バイ・ザ・スプーンフル』~スプーン一杯の水、それは一歩を踏み出すための人生のレシピ~」が、明日7月6日に東京・紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYAにて開幕。これに先駆け、本日7月5日にゲネプロが行われた。
ドラッグのせいで社会から疎外されてしまった人々が、インターネットを通じて交流しながら人生を取り戻していく姿を描いた本作は、2012年にピュリツァー賞を受賞したキアラ・アレグリア・ヒュディスの戯曲。今回の日本初演版では
主人公の青年・エリオット(
ゆるやかに傾斜のついた八百屋舞台には、俳句ママの自宅のソファーや、あみだクジの会社のデスク、オランウータンが利用しているインターネットカフェの椅子が配置されている。エリオットが生活する“リアル”な世界のシーンと、サイトに集う人々の“オンライン”の世界のシーンは、サイト上で行われるチャットのログインとログアウトの効果音でシームレスに切り替えられながら展開していった。
右近は本格的な翻訳現代劇への出演は今回が初めてとなるが、心の闇を抱える若者を表情豊かに演じる。タイトルの由来にもなっている“スプーン一杯の水”を巡る母とのシーンでは、目に涙をにじませ熱演した。また、エリオットを支える従姉妹のヤズミンを演じる
ゲネプロ後には、出演者たちが取材に応じた。右近は、ゲネプロそのものがほぼ初体験と言い、「厳しい空気の中、緊張といろんな意識が混ざって、精神状態としては完全なオーバードーズという状況です(笑)」と心境を告白。そんな右近を見た村川が「右近さん……この現場では“けんけん”って呼ばれてるんですけど、けんけんは普段は堂々としてるから、緊張とかしないんだろうなと思ったら、『ヤバい吐きそう……』と言ってけっこう緊張されてたんで、安心しました(笑)」と舞台裏を明かし、会見場を和ませる。
葛山は「不安な状態なんですが、ある意味、最後にどう変化するのか非常に楽しみな作品です」と率直に語り、鈴木も「僕はネットの世界の住人なので、空間の取り方に苦しみながら稽古しました」と続く。一方の陰山は「手強い脚本でみんな格闘中なんですけど、お客さんにどう伝わるか楽しみにしてます」と目を輝かせ、南沢も「お客さんからどういう反応があるのか楽しみです」と同意した。
篠井は「内容は少々重いのですが、私たちのチームワークの良さが作品から出ると思います」とアピールし、「『ウォーター・バイ・ザ・スプーンフル』ってなんのこっちゃって感じかと思いますが(笑)、その答えをお確かめにぜひ観に来てください。泣けますよ」と観客に呼びかけた。
最後に右近が「歌舞伎は洗練された型があるので、初役だとしても先輩に教わることができます。現代劇では一から自分で型を作らなくてはいけない」と現代劇の難しさを口にし、「僕はもちろんのこと、百戦錬磨の先輩方も、もがきながら作ったお芝居ですので、もがき続けながら大阪の千秋楽まで走り抜けたいと思ってます」と力強く意気込み、会見を締めくくった。
上演時間は途中休憩ありの約2時間25分。東京公演は7月22日まで行われ、8月4日には大阪・サンケイホールブリーゼでも上演される。
PARCO PRODUCE「『ウォーター・バイ・ザ・スプーンフル』~スプーン一杯の水、それは一歩を踏み出すための人生のレシピ~」
2018年7月6日(金)~22日(日)
東京都 紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYA
2018年8月4日(土)
大阪府 サンケイホールブリーゼ
作:キアラ・アレグリア・ヒュディス
翻訳・演出:
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鶴澤寛也(女流義太夫三味線) @tsuruzawakanya
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