本作は、アングラ世代の戯曲に気鋭の演出家が挑む、東京芸術劇場のRooTSシリーズ第3弾として2015年に初演された作品。今回はシリーズ初の再演として、藤田が
主演を務める佐藤は「寺山修司の世界観は理解できないことだらけですが、わからないから演ってみたいし、それが自分のためになることだけは間違いないので、頑張るだけです」と意気込みを語った。東京公演のチケットは8月11日に発売予定。
なお本作は長野、青森、北海道で国内ツアーを予定。またフランス・パリで行われるフェスティバル・ドートンヌにも参加する。
藤田貴大コメント
もちろんぼくはその時代のことを身をもって知っているわけではないけれど、だけれど、想像してみたくなったのだった。演劇を、彼らはどういう風にして捉えていたのだろう、そして、彼らにとって路地とは? 道ゆく人々を、特殊な窓をとおして見つめてみたときに思い浮かんだものがあったのだろう。時代から弾かれたひとたちはどこへ向かうのか。自分たちは、この国で、どうなのか。これでもかってくらい叩き込まれた敗北感と、それでもどうしたって納得がいかなかったこと。その両方をそのままのかたちで、つよい焦燥とともに、舞台に、路地に、現しつづけた彼らの姿を想像するに、ぼくはぼくらと無関係だとはおもわなかった。あのころの日本と現在の日本は、じゃあどうちがうのだろう。現在の、路地は? これはただの再現ではなく、現在の音と色と言葉が、これでもかってくらい練り込まれた、まったくあたらしい作品だとおもっている。しかし、あたらしいとは、なにを持って、あたらしいと云えるのか。あたらしい、というのは、じつは、もともとあるものがなくては、あたらしくないのではないか。もともとあった音を、色を、言葉を、切り刻んで、解体して。あたらしく、構築していく。現在として、構築していく。かつて、彼らがそうしたように、ぼくらも舞台のうえで、または路地で、さまざまなシーンをその場で、コラージュしていく。まさに、閃いたのは、色でいうと、銀色だった。銀世界に、音を、色を、言葉を置いていくイメージで。また、つくっていきたいと、おもっている。
RooTS シリーズ「書を捨てよ町へ出よう」
2018年10月7日(日)~21日(日)
東京都 東京芸術劇場 シアターイースト
※このほか長野、青森、北海道、フランス・パリで上演予定。
作:
上演台本・演出:
出演:佐藤緋美、
映像出演:穂村弘、
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- RooTS Series『書を捨てよ町へ出よう』 東京芸術劇場
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法水/norimizu/노리미즈🍉 @norimizu
あの方とあの方の長男なんですな。お祖父ちゃんがまた捕まってしまいましたが。▼初舞台の佐藤緋美が“私”役に、藤田貴大「書を捨てよ町へ出よう」再演 - ステージナタリー https://t.co/mS87OErRLT