9月から11月にかけて上演されるミュージカル「マイ・フェア・レディ」の製作発表記者会見が、本日5月24日に東京・帝国ホテルで行われた。
1956年にアメリカ・ニューヨークで初演され、64年にオードリー・ヘプバーン主演で映画化された「マイ・フェア・レディ」は、イギリス・ロンドンの下町に住む花売り娘イライザが、言語学者ヒギンズ教授のレッスンにより麗しい貴婦人に変貌するミュージカル。日本では映画公開に先駆け、63年に初演が行われた。今回は2013年、16年の上演版に続き、翻訳・訳詞・演出を
本日の会見にはG2、朝夏、神田、寺脇、別所をはじめ、キャストの
日本初演51年目にあたる13年から公演に参加しているG2は「どこまで本気かわかりませんが、東宝さんのどなたかが『この作品をあと50年、(トータルで)100年続けたい』と言ったそうで(笑)。大変だなと思いましたが、そのために今を生きる人の感覚に作品を近付けたいなと」と、歌詞やセリフ、演出を13年版でリニューアルした経緯を明かす。朝夏&寺脇、神田&別所のコンビでの上演については「異なる個性の2人を作りたい。この2人でないとやれない、というイライザとヒギンズの関係性を作れたら」と展望を語った。
昨年17年11月に宝塚歌劇団を退団した朝夏は「退団後初めてのミュージカルが伝統ある『マイ・フェア・レディ』でうれしく思いますし、光栄です」と、やや緊張した面持ちで喜びを語る。続けて「“女優さん”として、今までとまったく違うことに挑戦します。たくさん勉強させていただき、新しい道を進みたい」と真摯に抱負を述べた。本作の大ファンだと言う神田は「『マイ・フェア・レディ』は私にとって特別。本当に大好きで、何回観たことでしょうか。一緒になってセリフを言ったり、歌ったりして楽しんできました」と笑顔を見せる。神田は出演が決まったときに「大声で叫んだし、泣き崩れた」と言い、「自分がイライザをやる意味を見つけたいし、皆様にも提示したい」と、言葉に力を込めた。
本作のG2演出版にすべて出演している寺脇は「台本をもらったら、セリフの量がすごい。(ヒギンズは)言語学者ですから噛めませんしね」と苦労を振り返る。続投に関しては「一新されたキャストの中で『お前もういいよ』と言われないよう、新しいヒギンズを作りたい」と茶目っ気たっぷりに話し、「前回ヒギンズは僕1人で、1日2回公演のときはへとへとでした。今回は別所さんに出ていただけるので……半分でいいのかと! ありがとうございます!」と別所に視線を送ると別所も一礼して応え、会場を笑いで包んだ。一方、ヒギンズがあこがれの役だったと言う別所は「ヒギンズは宝田明さんなど名優の皆さんが演じてきた役柄。どのように演じられるか楽しみ」と期待を語る。また神田と「レ・ミゼラブル」で共演したことに触れ、「沙也加ちゃんとは『レミゼ』で親子役でしたが……もう“沙也加ちゃん”なんて言ってはいけませんね! “沙也加さん”と皆さんと、素晴らしい舞台を作り上げたいです」と抱負を語った。
ピッカリング大佐役の相島は昨年17年の「フランケンシュタイン」でミュージカルに初挑戦したことに言及。「歴史ある作品に、ピッカリング役で出演させていただける。初演は益田喜頓さんという昭和の名優が演じていたこの役、相島がやっていいのか!? ……やらせていただきます! 楽しみにしていてください!」と熱弁を振るい、会場を笑わせた。栗原小巻と神山繁が出演していた84年版を観劇していたと言う今井は、自身の演じるイライザの父・アルフレッドを「いい加減なオヤジ」と紹介。「こう見えて生真面目なもので(笑)、役作りが大変だと思ったんですけど、G2さんから『コメディは真面目な人じゃないと面白くない』と益田さんがおっしゃっていたことを聞き、少し安心しました。がんばります」と笑顔でコメントした。
淑女に変身したイライザに惹かれる青年・フレディを演じる平方は、13年以来約5年ぶりの出演となる。平方は「この作品にまた出会えてうれしい」と心情を明かし、「前回『君住む街角』を歌わせていただき、日に日に緊張が解けて幸せな気持ちで舞台に立たせていただいたことを思い出しました。今回も皆さんと幸せを共有できるようがんばります」と笑顔で述べた。「15歳で芸能界入りした年に本作の初演が行われていた」と振り返るのは、ヒギンズの母を演じる前田。彼女は出演に際して「この作品の舞台は英国。アメリカの血が入っている私ですが(笑)、気品をもって、息子とイライザがうまくいくように心優しい母を演じていきたい」と微笑んだ。
登壇者を代表し、最後に朝夏と神田が挨拶。朝夏は「共演者の皆様とお話して、ますますがんばろうという気持ちが強くなりました」と拳を握り、「初日までお稽古を重ねて、伝統を残しつつ新しい『マイ・フェア・レディ』をお届けできるようがんばりたい」と意欲を見せる。神田は「夢が叶ったと喜ぶだけでなくて、皆さんに作品をお届けし、公演を無事終えることを目指したい」と真剣なまなざしで語ると共に、「私のように『マイ・フェア・レディ』が好きなお客様に納得していただけるようがんばります」と意気込んだ。
本作は9月16日から30日まで東京・東急シアターオーブで上演されたのち、福岡、広島、大阪、愛知、大分を巡演する。東京公演のチケットの一般販売は6月30日にスタート。
ミュージカル「マイ・フェア・レディ」
2018年9月16日(日)~30日(日)
東京都 東急シアターオーブ
2018年10月6日(土)・7日(日)
福岡県 久留米シティプラザ ザ・グランドホール
2018年10月10日(水)・11日(木)
広島県 上野学園ホール
2018年10月19日(金)~21日(日)
大阪府 梅田芸術劇場 メインホール
2018年10月24日(水)・25日(木)
愛知県 日本特殊陶業市民会館 ビレッジホール
2018年10月31日(水)・11月1日(木)
大分県 iichikoグランシアタ
脚本・作詞:アラン・ジェイ・ラーナー
音楽:フレデリック・ロウ
翻訳・訳詞・演出:
キャスト
イライザ:
ヒギンズ教授:
ピッカリング大佐:
ドゥーリトル:
フレディ:
ピアス夫人:春風ひとみ
アインスフォードヒル夫人:
ヒギンズの母:
石井雅登、上垣内平、川島大典、小南竜平、佐々木重直、白山博基、菅谷孝介、辰巳智秋、松村曜生、若泉亮、内田このみ、大月さゆ、木村晶子、木村桃子、後藤祐香、鈴木結加里、華花、般若愛実、横岡沙季、吉田玲菜
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