6月から7月にかけて東京、神奈川、福岡、兵庫で上演される、ミュージカル「シークレット・ガーデン」の歌唱披露会見が本日5月18日に東京都内で開催された。
本作は、フランシス・ホジソン・バーネットの小説「秘密の花園」を原作としたミュージカル。マーシャ・ノーマンが脚本・歌詞を手がけ、1991年にトニー賞の脚本賞・助演女優賞・装置賞を受賞した。今回は演出をスタフォード・アリマが手がけ、キャストにはアーチボルド役の
時は1900年代初頭。両親を亡くした気性の激しい10歳の少女・メアリーは、伯父・アーチボルドに引き取られる。アーチボルドは妻・リリーを亡くして以来すっかり気難しくなっており、妻の面影を留めた息子・コリンとも距離を置いて、屋敷には沈んだ空気が漂っていた。ある日メアリーはリリーが大切にしていた“秘密の花園”の存在を知るが、庭園は彼女の死後にアーチボルドが鍵をかけて閉ざしてしまったという。庭園の鍵は見つかったものの、肝心の扉が見つけられず……。
会見には、演出のアリマ、石丸、花總、石井、昆、松田のほか、メアリー役の池田葵と上垣ひなた、コリン役の大東リッキーと鈴木葵椎が出席した。オーディエンス120人が見守る中、会見はキャストたちのパフォーマンスでスタート。まず石丸と花總が「A Girl in the Valley」をデュエットし、続く松田と上垣が「Wick」を伸びやかに歌い上げて客席を盛り上げる。さらに池田が「The Girl I Mean to Be」、石丸が「A Bit of Earth」、昆が「Hold on」をそれぞれ力強く歌唱し、大東と鈴木が「Round Shouldered Man」で透明感のある歌声を響かせる。最後に石丸と石井が「Lily’s Eyes」を声高らかに歌唱すると、会場はひと際大きな拍手で包まれた。
歌唱披露ののち、壇上にはアリマとキャストたちが登壇し、1人ひとり挨拶した。日本生まれの祖父母を持ち、「日本がずっと自分を呼んでいるように感じていた」と言うアリマは、「日本で演出できることになり、夢が叶ったような気持ち」と感慨深げにコメントする。また「本作のテーマは家族、喪失、家族の再生」と紹介し、「素晴らしいストーリーや音楽、美術、パフォーマンスを楽しむだけでなく、家族のつながりについて考えてもらえたら」と観客に呼びかけた。
石丸は93年の「シークレット・ガーデン」来日公演を観劇したと言い、「当時は二十代で、ここに自分の役はないなと思っていましたが、約四半世紀が経ってアーチボルド役に巡り合えた。今回は二枚目ではなくちょっと変わった人の役。新たなキャラクターを作り上げたい」と抱負を述べる。さらに石丸は本作の特徴を“ビフォーアフター”と分析し、「ひねくれた子供やアーチボルドのようなひどい人が登場しますが、彼らは花園の扉が開くことで自分を取り戻し、成長する。初めと終わりがまったく違う」と魅力を語った。
亡きリリーを演じる花總は、本作の見どころを「生者と死者、現在と過去が入り混じった物語が、きれいな曲でつづられるところ」と紹介する。また記者が石丸と花總に互いの印象について尋ねると、石丸は「(2013年の)『モンテ・クリスト伯』のときと変わらない花ちゃんに会えて、『おじさんうれしいなあ』という気持ちです」と笑顔で回答。花總は照れ笑いを浮かべながら、「やっぱり丸さんの隣は安心する」と話し、「リリーは亡くなっている役なので、悲しいことに今回は目を合わせられない。さっき歌ったときは目が合いましたが、本番ではできないので幻の1回でした(笑)。この感覚を忘れず演じられたら」と抱負を述べた。
池田は「小さい頃から大好きな作品なのでがんばりたい」と気合十分。上垣は「素晴らしいキャストさん、スタッフさんと一緒に素敵な舞台に携わることができてとても幸せ」と喜びを噛みしめる。続く大東は「全力で取り組むので、よろしくお願いします」と元気いっぱいに意気込み、鈴木も「乱暴なところや純粋なところ、コリンの難しさを考えながら一生懸命演じたい」と真剣なまなざしでコメントした。
アーチボルドの弟・ネヴィル役の石井は、「石丸さんと顔がどれくらい似ているように見えるかが、一番大切なポイント」と切り出して会場を大きな笑いで包む。さらに自身の役どころを予習しようと、93年に公開された映画版のDVDを観たと言い、「ネヴィルは1秒も出てきませんでした。ネヴィルを知りたい方、映画は観ない方が……」と笑い交じりに述べつつ、「どんな結末になるか僕自身も楽しみ。兄弟の葛藤と愛と絆を描けたら」と期待を込めた。
メアリーの世話係・マーサを演じる昆は、稽古場の雰囲気に言及し、「メアリー、コリンの純粋なお芝居と素敵な歌声で、汚い心が洗われる癒しの空間」とニコリ。また見どころについては、「革命や戦争のような衝撃的なことは起きませんが、美しくてピュアな力にあふれた作品。心の皮が1枚むけたような、温かい気持ちで帰ってもらえるはず」とアピールした。続いてマーサの弟・ディコン役の松田は「新参者の僕が、素敵な皆さんとご一緒できて光栄」と真摯に述べると共に、「奇跡は待つものだと思っていましたが、自分で掴むものだと作品を通して学びました。小さなことから幸せや奇跡を自分で引き寄せたいし、本番もディコンとして何かしらの奇跡を起こせたら」と言葉に力を込めた。
最後に登壇者を代表し、石丸が挨拶。石丸は「まだ稽古では2幕に取りかかったところで、これからクライマックスのシーンのお稽古を積み重ねていきます。初日に向かってがんばっていきますので、どうぞ成長を見守ってください。皆さんをほっとさせて、ふわっと心が明るくなるようなミュージカルをお届けすることをお約束します」と笑顔を見せ、会見は終了した。
公演は6月11日から7月11日まで東京・シアタークリエ、14日から16日まで神奈川・厚木市文化会館、20・21日に福岡・久留米シティプラザ ザ・グランドホール、24・25日に兵庫・兵庫県立芸術文化センター 阪急中ホールで行われる。
ミュージカル「シークレット・ガーデン」
2018年6月11日(月)~7月11日(水)
東京都 シアタークリエ
2018年7月14日(土)~16日(月)
神奈川県 厚木市文化会館
2018年7月20日(金)・21日(土)
福岡県 久留米シティプラザ ザ・グランドホール
2018年7月24日(火)・25日(水)
兵庫県 兵庫県立芸術文化センター 阪急中ホール
原作:フランシス・ホジソン・バーネット「秘密の花園」
脚本・歌詞:マーシャ・ノーマン
演出:スタフォード・アリマ
音楽:ルーシー・サイモン
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