M&Oplays プロデュース「市ヶ尾の坂-伝説の虹の三兄弟」が、明日5月17日に東京・本多劇場で開幕。初日公演に先駆け、本日16日にフォトコールと初日前会見が行われた。
本作の舞台は1992年。市ヶ尾に暮らす3兄弟は、田園都市計画の名のもとでなくなることを余儀なくされた家に住んでいた。美しい人妻・朝倉カオルを慕う兄弟は、お互いを牽制し合う。そんな中で朝倉の夫や朝倉家の家政婦・安藤も頻繁に彼らの家を訪れ、意味ありげな言動で彼らを惑わし……。
フォトコール後に行われた会見には、作・演出と朝倉の夫役を担当する岩松をはじめ、3兄弟の長男・司を演じる大森、朝倉役の麻生、次男・隼人役の三浦。さらに三男・学役の森と、家政婦・安藤役を務める池津が出席した。26年ぶりの上演に際し「ほとんど新作をやっている感じで稽古してきた」と話す岩松は、「僕にとっては珍しく、実在の場所を使った作品」と言及しつつ、本作について「(初演の)当時はリアルな“そのとき”の話だったんですが、今観るともう過去の話。新しい視点から見ると、時の隔たりと、なくなっていく場所と、かつて存在した人たちのドラマになっていると思う」と所感を述べ、「場所と時間を感じられる作品になっているなと、皆さんの演技で改めて感じています。ぜひ観ていただけたら」と呼びかけた。
岩松作品には4度目の参加となった大森は「毎回、新たな気持ちで取り組んでいる。いつも緊張感を持ってやっていましたし、今回も同じ」と真摯に述べる。さらに「僕風情が岩松さんの魅力を語るなんて10年早いんですが……」と前置きしつつ、「その人間が置かれる状況を空間的に教えてくれる。勉強になりますし、新しい気付きがたくさんあります。そんな岩松さんの作品が好きです」と岩松に視線を送ると、2人はそろって照れ笑いを浮かべた。
麻生は「正直、とてもとても緊張していて」と心情を吐露しつつ、岩松の作品への印象を尋ねられると「岩松さんの考えたセリフを話せるだけで幸せ」と笑顔を見せる。稽古については、「相手がいて、その相手に動かされて芝居をするというか。そこで生まれるものを自分で感じて作っていくのがすごく楽しい」と語り、「岩松さんの演出では、必要な遠回りをさせてくれる。言葉や演出のやり方もカッコいいので、痺れてます」と絶賛した。
岩松作品には初参加となる三浦は、「素敵なセリフがたくさん出てくるので、なるべく噛まないようにがんばりたい」と緊張した面持ち。出演にあたって「周りから怖いぞ、厳しいぞとだいぶ脅された」とエピソードを明かしつつ、「セリフが体になじんできた頃に同じ場面を稽古すると、この人間関係やこの状況でこの言葉を言わなきゃ、ということに気付けた。これからの役者人生で大事にしたいと思う稽古期間でした」と、稽古の充実ぶりを語った。
「初日に向けて一生懸がんばります」と気合十分な森は、稽古について「役としてどういう状況なのかを敏感に感じないといけない、という学びがあって貴重な経験でした。幸せです」と振り返る。池津は20代のときに本作を観劇していことに触れ、「衝撃を受けた作品に出演できることに震えています」と喜びをあらわにする。続けて岩松作品の魅力について「今そこで行われていることが、どういう意味なのか、好きなように観ていいという面白さがある」とアピールし、「稽古場で丁寧に作り上げた人間関係を届けられたら」と締めくくった。
公演は5月17日から6月3日まで東京・本多劇場で行われたのち、宮城、福島、大阪、富山、愛知、静岡を巡演する。
M&Oplays プロデュース「市ヶ尾の坂-伝説の虹の三兄弟」
2018年5月17日(木)~6月3日(日)
東京都 本多劇場
2018年6月5日(火)
宮城県 電力ホール
2018年6月7日(木)
福島県 白河文化交流会館コミネス
2018年6月9日(土)・10日(日)
大阪府 梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティ
2018年6月12日(火)
富山県 富山県民会館ホール
2018年6月14日(木)・15日(金)
愛知県 日本特殊陶業市民会館 ビレッジホール
2018年6月17日(日)
静岡県 三島市文化会館
作・演出:
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