本作は、カナダの劇作家リー・マクドゥーガルの処女戯曲。1996年にカナダ・トロントで初演され、2001年には流山児★事務所によって日本初演が行われた。今回の上演版には
4人の俳優が演じるのは、過激かつ反社会的な4人の男。保護観察中のディック(古河)、女性関係で追い込まれているビリー(細田)、出所したばかりのバグ(伊藤)、腎臓が1つしかないドニー(ROLLY)、薬物中毒となり人生に行き詰まった彼らは、一攫千金を目論見て、ある計画を思い付く。
ソファや寝具、冷蔵庫、オーディオ機器、マネキンなどがところ狭しと置かれた舞台上には、ディックが暮らす雑然とした空間が広がっており、それらの舞台美術に紛れるように、上手には吉田悠と吉田匡、下手には山口の演奏スペースが設けられ、舞台奥には映像投影用の巨大なパネルが設置されている。山口の指揮で3人の演奏がスタートし、大音響の中、舞台は幕を開けた。
吉田らによるオープンリールを用いた演奏と、サイケデリックな配色が施された清水の映像が呼応し、“トリップ”した4人のジャンキーの精神状態を表現。一方、4人の俳優たちは「現在の生活から抜け出したい」と願いながらも、快楽に身を委ねてしまう破滅的な男たちをそれぞれに演じる。その中でも首謀者のディックを演じる古河は、悪魔的な笑顔を浮かべながら、言葉巧みにほかの3人を扇動した。
開幕に際し、演出の谷は「『観たことないものを作ろう』『はじめてのことをやろう』と心がけているのですが、それができました。Open Reel Ensemble with 山口元輝さんによる素晴らしい音楽と清水貴栄さんによるキッチュな映像がアクの強い俳優たちの演技と融和し、愉快に狂った世界を楽しんでもらえると思います」と手応えを明かした。
上演時間は約2時間。公演は4月28日まで。なおステージナタリーでは本作の特集を展開中。谷、古河、ROLLYの3人の鼎談に加え、劇伴を手がける吉田悠のコメントも掲載している。
谷賢一コメント
演劇をはじめて20年が経ちまして、そうすると段々と普通のお芝居にも飽きてきまして、毎度毎度「観たことないものを作ろう」「はじめてのことをやろう」と心がけているのですが、それができました。Open Reel Ensemble with 山口元輝さんによる素晴らしい音楽と清水貴栄さんによるキッチュな映像がアクの強い俳優たちの演技と融和し、愉快に狂った世界を楽しんでもらえると思います。
古河耕史コメント
なにかしら、どこかしら、なぜだか、気になって下さるのなら、どうかご自身の目と耳で、確かめに来て頂きたい。
数ある舞台、数ある演劇、数あるエンターテイメントの中で、私はこの芝居と歩む四月を、愛しています。
身を粉にしています。
楽しんでいます。
評判・評価もございましょうが、ひととき、「クダラネェ」と共に呟いて頂けたなら、実はそれこそ恐悦至極な作品なのであります。
細田善彦コメント
注)これは、青春モノです!
が、汗水流して追い求めるモノは青空のもと追う白球ではなく、暗闇を掻き分けて掴む白い粉! そんな我々ジャンキーたちが一世一代の大仕事、銀行強盗をする。そんな、夢の扉を開ける瞬間! この謎の疾走感を劇場で体感して欲しい。
伊藤祐輝コメント
稽古では、谷さん、キャストの皆さんと、役や作品についてじっくり話し合う機会を多くとっていただき、とても幸せな時間でした。
今は初日を迎える嬉しさと緊張で、落ち着きません。
全身全霊でぶつかり合う4人の姿を見て頂けたらと思います。
ROLLYコメント
男子四人だけのお芝居、歌も歌わない(ほんとはちょっとだけ歌うかも)ギターも弾かない、50歳をとうに過ぎての大きなチャレンジですが、必ずやROLLYの歴史に残る作品になるはずなので、皆様! 見逃すと後悔致しますよ! 是非マヌケなニューキャラ、ドニーを応援して下さいね!!!
SMA_STAGE 第1弾公演 2018/2019 あうるすぽっとタイアップ公演シリーズ「High Life」
2018年4月14日(土)~28日(土)
東京都 あうるすぽっと
作:リー・マクドゥーガル
翻訳:吉原豊司
演出:
音楽:吉田悠(
映像:清水貴栄(DRAWING AND MANUAL)
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