東京・国立劇場 大劇場で上演される3月歌舞伎公演「梅雨小袖昔八丈(つゆこそでむかしはちじょう)」の公開舞台稽古が、本日3月1日に行われた。
稽古前に行われた囲み取材には、主人公・髪結新三役を勤める
続けて作品について「五代目菊五郎が初演し、六代目菊五郎が練り上げ、父・七代目菊五郎が熟成してまいりました音羽屋にとりまして、大切な狂言でございます。私にとって大変重い役目、そして皆さんの目には父の新三が大変強く残っていると思いますので、父の足もとに一歩でも近づけるように、懸命に勤めてまいりたいと思います」と意気込みを語った。
いつか新三を演じたい思いがあったという菊之助は「昨年40歳という節目を迎え、立役にももっと挑戦していきたいという思いで、今回、思い切って挑戦させていただきました。毎日毎日、江戸時代の庶民になれるように稽古を重ねています」と述べる。
さらに自身が勤める役については「今回は父に監修をお願いしています。新三は大変に悪いやつですが、初物には金に糸目を付けない、宵越しの銭は持たない、という“江戸人の気っ風のよさ”が出なければいけません。そして最高にかっこいい、粋な男に見えなくてはいけませんから、動きや仕草なども父に指導していただいております」と明かした。
息子・和史との初共演については「(和史は)登場人物に扮しての舞台は初めてで、結構厳しく指導しております(笑)。私も小さい頃そうでしたが、人前に出ると恥ずかしいという気持ちがありますから、それを克服させるためにも、この間お友達の誕生日会で皆さんの前でやってみたところ、恥ずかしがらずにできたようです」とエピソードを明かす。
さらに「こうして小さい頃から舞台に出て、先輩のそばで芸を吸収して、歌舞伎というものは続いていくんだな、というのを改めて感じています。これからも一緒の舞台に出て、“板の匂い”というものを身体になるべく付けていくようにしたいと思っています」と感慨深げな様子を見せた。
菊之助は最後に「和史がこのたび舞台に出ることで、芸というものがこの先も続いていけばと思っております。そして父が伝えてくれたもの、先輩方が伝えてくださっているものを、絶やさずに伝えていくことが我々の一つの使命だと思いますので、自分もしっかりと地に足を付けて、歌舞伎道に邁進していきたいと思っています」と未来を見据えながら会見を締めくくった。
取材の後半に登場した和史は「カッコいいお父さんの新三姿が大好き」と話し、稽古については「楽しい」と頼もしく発言。最後は大きな声で「がんばります!」と述べた。3月歌舞伎公演は3月3日から27日まで国立劇場 大劇場にて。
3月歌舞伎公演「増補忠臣蔵(ぞうほちゅうしんぐら)」「梅雨小袖昔八丈(つゆこそでむかしはちじょう)」
2018年3月3日(土)~27日(火)
東京都 国立劇場 大劇場
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