山口&涼風がカメラマンと主婦に、4日間の恋描く「マディソン郡の橋」開幕

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ミュージカル「マディソン郡の橋」の本公演が、3月2日に開幕。ステージナタリーでは、公演に先駆けて2月23日に東京・シアター1010で行われた、プレビュー公演ゲネプロの模様をレポートする。

ミュージカル「マディソン郡の橋」ゲネプロより、左から山口祐一郎、涼風真世。

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ミュージカル「マディソン郡の橋」チラシ表

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ロバート・ジェームス・ウォラーの同名小説を原作に、1995年にはクリント・イーストウッド監督により映画版も制作された本作。ミュージカル版では脚本をマーシャ・ノーマン、音楽・詞をジェイソン・ロバート・ブラウンが手がけ、2014年にトニー賞(オリジナル楽曲賞、編曲賞)を受賞した。荻田浩一が演出を務める今回は主人公のロバートとフランチェスカを山口祐一郎涼風真世が演じるほか、彩乃かなみ石川新太、島田彩、加賀谷一肇、戸井勝海伊東弘美石川禅が出演する。

ミュージカル「マディソン郡の橋」ゲネプロより。

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舞台は1960年代のアメリカ・アイオワ州。幕が上がると、黒い幕をバックに 白いコートとハイヒール姿のフランチェスカが佇んでいる。アメリカ兵のバドと結婚した彼女は、故郷のイタリア・ナポリからアイオワのコーン農家にやってきた。背景がコーン畑をイメージした黄色い幕に変わると、フランチェスカはシャツにジーンズ、長靴に着替え、幸せな日常とどこか満たされない思いを語る。ナポリからアイオワに来て18年経ち、彼女は夫と十代の子供2人に囲まれて生活していた。ある日、牛の品評会で家族が留守にしている彼女の家に、ナショナルジオグラフィックで働く孤独なカメラマン・ロバートが、屋根付きの橋ローズマンブリッジを探して訪ねてくる。

ミュージカル「マディソン郡の橋」ゲネプロより、山口祐一郎。

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ロバートとフランチェスカは料理をしたり、ナポリの写真を一緒に見たりする中で交流を深めていく。ローズマンブリッジでロバートがフランチェスカに写真撮影を教えるシーンでは、ロバートの「今だ!」という声に合わせて日差しをイメージした明るい照明が差し込んで2人を照らし、彼らの心が急接近する様子が描かれた。

ミュージカル「マディソン郡の橋」ゲネプロより、涼風真世。

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ロバートを演じる山口は、柔らかな語り口と高らかな歌声で観客を魅了する。また調子外れにギターをかき鳴らす場面では茶目っ気たっぷりに微笑み、客席の笑いを誘った。涼風は、明るく素朴な農家の女性として振る舞うフランチェスカが、ロバートとの出会いをきっかけに情熱を解放していく過程や、恋と家族への愛との間で揺れる心情を繊細に表現した。

ミュージカル「マディソン郡の橋」ゲネプロより。

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さらに石川は、フランチェスカの陽気な夫バドを好演。フランチェスカに何度も電話をかけたり、絆を守ろうと家族全員でアイスクリームを食べに出かけたりと、やや強引で不器用ながらも家族を思う父を優しい笑顔で表現する。また加賀谷一肇はカメラを持った青年、バーテン、牛などさまざまな扮装で登場して伸びやかなダンスを披露し、物語に華を添えた。

ミュージカル「マディソン郡の橋」ゲネプロより。

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世話焼きの隣人マージがしょっちゅう双眼鏡で他人の家を覗いている描写から、フランチェスカは穏やかながらどこか息の詰まる生活を送っていたことが想像される。またロバートがフランチェスカの娘を「女の子は何かと抑圧されるから助けが必要」と気遣う場面では、性別による役割分担が現代より強く意識されていた1960年代の時代背景をうかがわせた。故郷から遠く離れたアイオワの農村で“妻”や“母親”として暮らしていたフランチェスカが、共同体や家族を持たず、世界中を飛び回って写真を撮る孤独なロバートと強く惹かれ合う様が、ブルースやカントリー、ワルツなど多彩な楽曲に乗せて展開する。

本作は休憩を含めて約3時間。公演は3月2日から21日まで東京・シアタークリエ、3月28日から4月1日まで大阪・梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティで行われる。

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ミュージカル「マディソン郡の橋」

2018年2月24日(土)~26日(月)※公演終了
東京都 シアター1010

2018年3月2日(金)~21日(水・祝)
東京都 シアタークリエ

2018年3月28日(水)~4月1日(日)
大阪府 梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティ

脚本:マーシャ・ノーマン
音楽・詞:ジェイソン・ロバート・ブラウン
原作:ロバート・ジェームス・ウォラー
演出:荻田浩一
出演:山口祐一郎涼風真世 / 彩乃かなみ石川新太、島田彩、加賀谷一肇 / 戸井勝海伊東弘美 / 石川禅

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