「99才まで生きたあかんぼう」が本日2月22日に東京・よみうり大手町ホールにて開幕。それに先駆けて記者会見が行われ、原作・脚本・演出を手がける
「99才まで生きたあかんぼう」は、1人の男性の0歳から99歳までの軌跡をつづったヒューマンドラマ。4年ぶりの演出に臨む辻は「こんな若い方々と一緒にやるのは初めて。とてもエネルギッシュで自分も若返るような舞台です。この作品は生まれて初めて書いたコメディ。若い彼らのエネルギーを借りまして、自分自身も『立ち直る力』を得ているような、そういう舞台になりました(笑)」と、自身の最新刊のタイトルを盛り込みながら笑顔で述べる。
内容について辻は「6人で人の一生の100年間を描きます。村井は1人の役人物ですが、5人はおじいちゃんになったり、奥さんになったり、恋人になったり、子供になったりするので、1人10回以上は着替えてるのかな?」とキャストに投げかけると、それぞれ「僕カツラが12個ですね」「僕は衣装が10かな」と口々に答えた。
音楽を手がけるSUGIZOは、稽古が始まる直前にインフルエンザにかかったことに触れ、「1週間倒れている間にいい曲がたくさんできました(笑)。とても信頼する辻さんと、実力トップレベルのキャストが集まったこの素晴らしい芝居を、音楽でつなぐことができて光栄です」と述べる。また「1人の男の99年間の走馬灯のような物語なので、実は今回、僕もこの20年間のSUGIZOの音楽をイメージして、あらゆる場所にこれまでの自分の音楽の片鱗を盛り込みました」と音楽の聴きどころを述べた。そんなSUGIZOの音楽に辻も、「音楽に関してはもう疑うこともなく。できてきた楽曲はサイコーです。全曲オリジナルで素晴らしいです」と絶賛した。
続けてキャストが意気込みを述べた。主演の村井は「人生100年を描いていてるので、演じながら僕も年をとっていく感じがして面白いなと思っています。たった6人ですけど、何十人も舞台上にいるような壮大な物語になっていると思いますので、ぜひぜひ観に来ていただきたいです」と自信を見せる。
村井演じるあかんぼうの、妻役の格好で登場した松田凌は「演じていて毎回、セリフだったりシーンだったり、その時々で突き刺さるものがあって。観に来ていただいたお客さんに対しても、何かしらぶっ刺していきたいと思いますので覚悟してください!」と笑顔で語る。あかんぼうの母親の衣装を着た玉城は「これほどいろんな人間を演じることはなかなかないので、それを楽しみつつ、また0才から99才まで生きたあかんぼうのために、僕らがいると思っているので、その人生の楽しさ、はかなさ、せつなさみたいなものを感じていただけたら」と述べる。生徒会長役らしくビシッと制服を着込んだ馬場は「1公演1公演終わるたびに、達成感というか爽快感というか、1人の人間の人生を生きるってこんなに大変でこんなに素晴らしいことなんだってことを感じています。それをお客さんと一緒に感じられたらうれしいです」と述べた。
また稽古で辻から「不器用!」と度々ダメ出しされたと言う松島が、「最終的に渡されたのが『立ち直る力』っていう辻さん作の本。昼間辻さんに傷つけられて、家に帰って辻さんの本で慰められて、また次の日辻さんにいじめられて……一体俺はなんだんだ!」と笑顔で話すと、辻は「俺は叱ることはあってもいじめることはないよ! 愛情を持ってるから叱るんであって、人間には好きな人か関係ない人しか存在しないって『立ち直る力』にも書いてあるから!」と再び最新刊をネタにし、会見場を笑いで包む。
さらにキャストの中で最年長の松田賢二が「舞台上にいるときが一番ゆっくりできて、袖に入ったら一番忙しいって舞台は初めてです。若い人たちにがんばってついて行き、達成感を得られるように、若返りたいと思います。『立ち直る力』、よろしくお願いします!」と続けて再び大きな笑いが起こった。
最後に辻は「僕は来年60歳。99才まで生きたあかんぼうの、60年分は経験しています。でも、それでもまだ40年は経験してないことがあるわけで、その40年を想像しながら書きました。村井たちはさらに70年分ぐらい経験してないことを今回演じきります」と作品の見どころを述べる。さらに「その人がどんな終わりを迎えるか、どんな人生を抱えてるかはわからないし、人それぞれ。でもこのドラマの中にはきっとそれぞれの年代の方にとって『あ、これは俺の時代だ』と思うシーンが描かれていると思いますし、最後は誰もが経験したことのない死についても突き詰めています。そのとき泣いて生まれたあかんぼうが、笑って死ぬんです。そいういう素敵なドラマですので、ぜひ人生にムスムスしてる方は『立ち直る力』を読んで、そのあとにこの舞台を観に来ていただけたらと思います!」と熱い思いを語り、登壇者全員で1本締めを行って会見を締めくくった。
本作の東京公演は3月4日まで。その後は、3月6・7日に愛知・名古屋市芸術創造センター、3月20日に福岡・福岡市民会館 大ホール、3月24日に大阪の梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティにて公演が行われる。
「99才まで生きたあかんぼう」
2018年2月22日(木)~3月4日(日)
東京都 よみうり大手町ホール
2018年3月6日(火)・7日(水)
愛知県 名古屋市芸術創造センター
2018年3月20日(火)
福岡県 福岡市民会館 大ホール
2018年3月24日(土)
大阪府 梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティ
原作・脚本・演出:
音楽:
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- 辻仁成が贈る、いのちの輝き──百年の物語。『99才まで生きたあかんぼう』2018年、待望の初舞台化。
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村井良大「たった6人だけど、何十人も舞台上にいるような壮大な物語に」 - ステージナタリー
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「若い彼らのエネルギーを借りまして、自分自身も『立ち直る力』を得ているような、そういう舞台になりました(笑)」