KAAT神奈川芸術劇場プロデュース「三文オペラ」が、明日1月23日に神奈川・KAAT神奈川芸術劇場 ホールにて開幕する。これに先駆け、本日22日に公開フォトコールと囲み取材が行われた。
「三文オペラ」は、作を
本公演のチラシに記された「KAAT滅亡」というキーワードを彷彿とさせるように、舞台上には破れた布が巻き付けられた鉄製のイントレが剥き出しの状態で配置され、荒廃した世界を見事に表現。また本日のフォトコールには、客席前方に設けられたオールスタンディングの自由席・P席の観客も参加し、事前に受けた演出に従ってステージを盛り上げた。
フォトコールで公開されたのは、投獄されたマクヒィスのもとに面会に来たルーシーとポリーが鉢合わせしてしまうシーンだ。松岡は脱獄を企てる盗賊王マクヒィスを颯爽と演じ、吉本は、マクヒィスにまっすぐな愛を向けるポリーを好演。一方の峯岸は、大人の色香をまとったルーシーをセクシーに演じた。
フォトコール後に行われた囲み取材には、キャストの松岡、吉本、峯岸、そして演出を手がける谷が出席。手応えを問われた松岡は「P席のお客さんだったり関係者の方だったり、客席に人がいるのが初めてだったので、本番ではこんな感じになるんだなというのが少しつかめました」と笑顔を見せ、本作が初舞台となる吉本は「物語が動く要因になる重要な役柄なのでプレッシャーもありましたが、皆さんにアドバイスをいただきながら、少しずつ不安要素を取り除いてきました。本番でも全力でステージに立てるようにがんばります」と意気込みを語る。同じく初舞台の峯岸は「頭の中でいろいろ考えてきたつもりだったんですけど、思ったようにいかないのが舞台なんだなって思いました」と率直な感想を述べつつ、舞台出演経験のあるAKBのメンバーからアドバイスを受けたことを明かし、「『本番が始まったらきっと楽しくなるよ』って、みんな口をそろえて言っていました。私も明日になったらそれがわかるのかな」と柔らかく微笑んだ。
初舞台の2人を抜擢した理由を問われ、谷は「プレッシャーをかけながらオーディションをしたんですが、そのときに跳ね返してきてくれたのが2人で。それもただ突っ張ってるだけじゃなく、きちんとコミュニケーションが取れる人たちだという印象があったので、2人とは同じ目線で話ができそうだなと思ってご一緒させていただくことにしました」と当時を振り返る。またP席という試みについて松岡が「普通の舞台というのは、ステージと客席の間に壁があって、壁に空いた穴からお客さんがステージ上の人間模様を覗いてるようなイメージなんですが、今回のP席はその間に存在していて、彼らはお客さんでもあり、参加者でもある。『谷さん、すごいこと考えるな!』って思いました」と感嘆すると、谷は「お客さんを演劇に巻き込みたいということをずっと考えていて。『三文オペラ』は民衆の力や貧しい人たちの怒りがテーマになっている芝居だから、今回いいトライができそうだと思ったんです」と説明した。
取材の最後に吉本は「『三文オペラ』に出会って、これまでの人生の中で経験してきた感情をさらけ出すことができました。セリフや歌詞の中でハッとさせられる言葉があるので、自分の人生と重ね合わせることで、より楽しんでもらえるのではないでしょうか」とコメント。続く峯岸は「観劇が趣味で、これまでにけっこうな数の作品を観てきましたが、その中でもかなり上位、いや、1位と言っても過言ではない作品になっていると思います」と自信を見せ、松岡は「命をかけてやってます! 観に来てもらえればおわかりいただけるのでは」と真摯に語った。同劇場での公演は2月4日まで。その後、2月10日に北海道・札幌市教育文化会館 大ホールで上演される。
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KAAT神奈川芸術劇場プロデュース「三文オペラ」
2018年1月23日(火)~2月4日(日)
神奈川県 KAAT神奈川芸術劇場 ホール
2018年2月10日(土)
北海道 札幌市教育文化会館 大ホール
作:
音楽:クルト・ヴァイル
演出・上演台本:
音楽監督:
出演:
※峰崎亮介の「崎」は立つ崎(たつさき)が正式表記。
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