「朗読劇~銀河鉄道の夜~南相馬公演」が、1月20日に福島・南相馬市民文化会館 ゆめはっと 多目的ホールで上演される。
「朗読劇~銀河鉄道の夜」は、
舞台上では古川の朗読に、音楽家・
古川日出男コメント
この朗読劇の初演は2011年の12月で、それから延々あちらこちら日本中を回って、その間になんと11回の改稿を行なっているのだけれど(つまり脚本は第11稿に達した。うち、2種のバージョンだけ活字化されている)、どうしてそんなにも書き直しつづけたのか? むろん、必要があったからだ。出演者が増えたり、「ベターなアイディア」というのが浮かんでしまったり、走行中の電車のなかやロック・フェス内で上演するといった条件があったり、等、脚本は増改築をせざるをえなかったからだ。ただ、個人的なことを言うと、脚本担当の自分は「惰性でこういうのを上演したくない」と思いつづけていた。惰性、なんという最低な言葉だ。それから、偽善、これも最低だ。そういうのにならないために、俺に何ができるのか? これを考えつづけた。そもそもボランティアもどきと勘違いされるプロジェクトなのだから、単に持続することに意味はない。ないどころか、害悪がある。では、「単に」ではない持続とは、なんなのか? その答えが、「いいかげん俺は脚本をゼロから書き直してやる」だった。2017年の12月、青森県の八戸で、そういう「新『銀河鉄道の夜』」としか言えないものを初演した。そうなのだ、この朗読劇は、初演が2度あるのだ。そして、見所だって、いろいろある。管啓次郎の新作詩だし、小島ケイタニーラブの歌唱、サウンドだし、柴田元幸が訳者のはずなのに役者になってしまっている演技(の底力)だ。さて、あとは、現場であって、南相馬という土地に、どう「直面」できるのか? ただただ嘘のないステージにしたい、と、いま思っている。よろしくお願いします。古川日出男のほかの記事
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「ただただ嘘のないステージにしたい、と、いま思っている。」古川日出男+管啓次郎+小島ケイタニーラブ+柴田元幸「銀河鉄道の夜」南相馬へ - ステージナタリー https://t.co/5YBNNKtet1