「池袋ウエストゲートパーク SONG&DANCE」が、本日12月23日に東京・東京芸術劇場 シアターウエストにて開幕。これに先駆け、昨日12月22日にゲネプロと囲み取材が行われた。
脚本をままごとの
観客も一体となって池袋西口公園を表現したいという杉原の意向により、対面式の客席が舞台を囲む美術プランが採用された本作。また開演15分前には、公募で選ばれたストリートダンスカンパニーやキャスト陣によるダンスバトルが繰り広げられる斬新な試みも。なおダンスバトルの勝敗は、観客の反応により決定される。
怒涛のダンスバトルののち、舞台はマコトの口上で静かに幕開け。うだつの上がらない生活を送るマコトだったが、ビデオジャーナリスト・横山礼一郎(
劇中では、G-Boys、レッドエンジェルスを演じるキャストが、2チームの“戦争”を激しいダンスで表現。ミュージカル「ロミオ&ジュリエット」でロミオ役を好演した大野は、池袋の未来を危惧するマコトの思いを力強く歌い上げ、矢部と染谷の2人は、それぞれのチームをまとめ上げる京一とタカシを、安定感のある冷静沈着な演技で体現してみせた。また原作にちなみ、「弦楽セレナード」といったクラシック音楽が作品の要所要所で用いられている。
ゲネプロ前に行われた囲み取材には大野、矢部、染谷の3人が出席。主演の大野は「ドラマ版のイメージが強いので、プレッシャーを感じているんじゃないかと言われることが多いですが、そんなことはなく。歌とダンスによって、ドラマ版とはまた別のものに仕上がったんじゃないかなと思います」と手応えを語るとともに、「今回、お客さんと演者の距離がものすごく近いんですよ! みんなが舞い踊っている姿を堪能していただければ」と笑顔を見せる。
さらに大野は、現在出演中のNHK連続テレビ小説「わろてんか」についても言及し、「『わろてんか』で僕が演じるキースは、新しい芸を身に付けるべく試行錯誤をしながらもがいている役。僕自身もキースと同じ時期にいるというか、この『池袋ウエストゲートパーク』の主演を務めさせていただくことが、いい意味で自分自身への挑戦になっていると思う」と胸中を明かした。
ドラマ版が大好きだったという染谷は「高校時代、この辺り(池袋西口公園)でよく遊んでいたんです。まさかその当時は『池袋ウエストゲートパーク』の舞台に出られると思っていなかったので、すごくうれしいですね。小説ともドラマとも違う、我々ならではの作品になったのではないでしょうか」と思いを噛みしめる。3人とも地元が近いことで頻繁に池袋に足を運んでいたといい、大野からは「池袋は僕の庭なんで(笑)」というコメントも飛び出した。
ダンスロックバンド・DISH//のメンバーとして活動する矢部が「舞台経験も少ない僕が、こんな伝説の作品に出ていいんだろうかと思うこともありますが……」と恐縮すると、大野が「よく言うぜ! キレキレじゃないか!」とすかさずフォローを入れ、会場の笑いを誘う。また自身のダンスシーンについて問われた矢部は「これまでバレエやコンテンポラリーダンスをやったことがなかったので、身体に馴染むまで時間がかかりました」と苦労を明かした。
「自分が演じるキャラクターの見せ場は?」との質問に対し、大野は「タカシも京一もそれぞれカッコいいじゃないですか。その中でマコトは何も持ってないけど、熱い心だけは2人に負けない。がむしゃらに悩んで、もがきながら突っ走るみたいなところが見せ場かな」とコメント。続く染谷が「氷のキングと呼ばれるタカシの優しさが垣間見える場面が見どころ」と答えると、大野は大きく頷きながら、「あのシーン、超カッコいいんですよ!」と同意する。そして最後に矢部が「ドラマとも小説とも違う、舞台版の京一を見てもらいたいなと思います」とアピールし、会見を締めくくった。
上演時間は休憩なしの約2時間。東京公演は1月14日まで行われ、その後、1月19日から21日まで兵庫・兵庫県立芸術文化センター 阪急中ホールにて上演される。
「池袋ウエストゲートパーク SONG&DANCE」
2017年12月23日(土・祝)~2018年1月14日(日)
東京都 東京芸術劇場 シアターウエスト
2018年1月19日(金)~21日(日)
兵庫県 兵庫県立芸術文化センター 阪急中ホール
原作:
脚本:
演出・美術:
振付:
作詞:柴幸男、杉原邦生、森翼、RYUICHI(OOPARTZ)
作曲:JUVENILE(OOPARTZ)、湯浅篤、齋藤優輝、兼松衆
出演:
※日替わりバトルダンサーの出演あり。
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