山田洋次が“家族のような”劇団新派で挑む舞台版「家族はつらいよ」
2017年12月7日 17:18
1 ステージナタリー編集部
新派130年初春新派公演「家族はつらいよ」の製作発表が12月3日に行われた。
山田洋次が監督した映画「家族はつらいよ」を、劇団新派が舞台化する本企画。山田自身が脚本・演出を手がけ、明治21年(1888年)に旗揚げした新派の、130年の幕明けを飾る作品となる。会見には山田と出演者、そして松竹株式会社の安孫子正副社長が登壇し、上演への意気込みを語った。
山田は劇団新派との取り組みについて、「実際にあった話からこの『家族はつらいよ』は始まりました。思えば家族を描くというのは松竹映画の伝統でもあるわけです。そしてそれを舞台化するなら、それは家族のような劇団新派でしかないと思っておりました」と挨拶。「観客が大笑いしながら、ちょっと帰りがけにほんの少し『他人事ではないなあ』と涙が出るようなそんなお芝居になればいいなと思っております」と思いを明かす。
母の平田富子役を務める水谷八重子は、「今、平成のお芝居が生まれようとしています。明治に生まれた新派は明治を現代劇でやろうとして、それが今や古典と呼ばれるお芝居になりましたが、平成を舞台にしたお芝居というのが新派にとって初めてなのではないかと思います」と感慨を語り、「劇団新派は家族のようなものでございます。50人にも満たない家族ですが喧々諤々。だからこそ、家族のうれしいところ。お正月早々、家族の結束が強まると信じております」と目を輝かせる。
波乃久里子は小料理屋の女将・加代を演じる。「お正月を大好きな山田監督の作品で、大好きな三越劇場で、また新派の劇団員みんなで迎られること、本当にありがたいと思っております」と出演への喜びを語り、「新派というのは、もともとそこにあった事件が舞台になるのがもとでございますが、今度は、監督が本当にあったことをお書きになった作品で平成の新派を迎えられるということを大変うれしく思います」と微笑んだ。
長男の平田幸之助役を演じる喜多村緑郎は、「来年は新派130年であり、その皮切りの公演で山田監督の作品に参加できるということは本当にうれしい限りでございます。ひとりでも多くの方に来ていただくことが大事だと思っております。でないと『新派はつらいよ』になってしまいますので、精いっぱい勤めてまいりたいと思います」と語り会場を和ませた。
公演は2018年1月2日から25日まで東京・三越劇場にて。
新派130年初春新派公演「家族はつらいよ」
2018年1月2日(火)~25日(木)
東京都 三越劇場
原作・脚本・演出:山田洋次
キャスト
平田富子(母):水谷八重子
平田周造(父):田口守
平田幸之助(長男):喜多村緑郎
平田史枝(長男の嫁):石原舞子
金井成子(長女):瀬戸摩純
金井泰蔵(長女の夫):児玉真二
平田庄太(次男):喜多村一郎
間宮憲子(次男の恋人):春本由香
加代(小料理屋の女将):波乃久里子
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