東京芸術祭2018、宮城聰がプランニングチームメンバーと意気込み

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「東京芸術祭2018」の記者会見が本日11月29日に東京・自由学園 明日館にて行われ、総合ディレクターの宮城聰、プランニングチームメンバーの横山義志、内藤美奈子、根本晴美、杉田隼人、多田淳之介が登壇した。

「東京芸術祭2018」記者会見より、宮城聰。

「東京芸術祭2018」記者会見より、宮城聰。

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東京芸術祭2018のプランニングチームメンバー。左から横山義志、多田淳之介、内藤美奈子、総合ディレクターの宮城聡、根本晴美、杉田隼人。

東京芸術祭2018のプランニングチームメンバー。左から横山義志、多田淳之介、内藤美奈子、総合ディレクターの宮城聡、根本晴美、杉田隼人。[拡大]

東京芸術祭とは、東京都の提案により行われる都市型総合芸術祭。芸術文化によって東京の活力を高め、社会の仕組みを考え直す契機とするとともに、多様な芸術文化を集結して東京の魅力を世界に浸透させていくことを目指して行われる。

宮城聰

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本日発表されたプランニングチームについて、宮城は「これまで行われたさまざまなフェスティバルの蓄積を生かしながら、さらに拡大していく東京芸術祭にしていきたい。規模を拡大発展していくためにどうしたらいいか考えた結果、それぞれの事業のディレクターの方にプランニングチームというグループを形成していただき、僕もその一員として、今後の方針を常に相談しながら決めていくことにしました」と構想を述べる。また、宮城が考える東京芸術祭の3つの柱について、「社会の分断の“縫合”」と「(舞台芸術を)“開く”」こと、そして「東京と他地域を“つなぐ”」ことがあると語り、実現に向けて思いを語った。

横山義志

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続けて各ディレクターが挨拶を述べる。SPACで海外招聘を担当している直轄事業ディレクターの横山義志は「東京芸術祭においても海外との関係を築いていくことが主な仕事になると思います」と話す。「2030年代に世界経済の中心がアジアに移ると言われていますが、海外のフェスティバルを視察する中で舞台芸術にも同じことを感じます。しかしその評価軸がまだ十分にできていない。これから10数年の間にアジアを中心にかなり大きな新しい評価軸を作っていく必要があると考えており、東京芸術祭を通じて、そんな世界で起きている価値の大変動に気付き、参加してくれる人が増えるような仕事ができたらと思っています」と意気込みを語った。

内藤美奈子

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芸劇オータムセレクションディレクターは、2010年より東京・東京芸術劇場の制作担当課長を務める内藤美奈子。内藤は、東京芸術劇場では芸術監督の野田秀樹ディレクションのもと、若手の育成、国際的な企画の実現、フィジカルシアターの上演を軸に作品のプロデュースを行っていると説明。そののち「東京芸術祭では、ある種メジャー感のある、みんなが知っているような大きな作品、開かれた感じのある作品を担っていくことになるのかなと。フェスティバルの華、顔になったりするような演目ができたらと思っています」と笑顔で語った。

根本晴美

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杉田隼人

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としま国際アート・カルチャー都市発信プログラムディレクターには根本晴美と杉田隼人が就任。東京・あうるすぽっとの制作統括 チーフプロデューサーである根本は「あうるすぽっとは地域に大きく開かれた劇場であること、いろいろな方に来ていただける劇場を目指しています。東京芸術祭でも東京、日本を元気にするような魅力的な、心がときめくプログラムを作っていきたいと思います」と述べる。公益財団法人としま未来文化財団 みらい文化課 プランセクション事業企画担当の杉田は、昨年2016年に東京芸術祭参加作品「大田楽 いけぶくろ絵巻」を企画制作した。その経験を振り返り、「大田楽は平安時代から室町時代に流行したもので、庶民から貴族までが楽しんだ芸能と言われています。人々が参加して一緒に作り上げていくことが大きなポイントとなります」と魅力を語った。

多田淳之介

多田淳之介[拡大]

APAFディレクターには東京デスロックの多田淳之介。多田は一時期、東京以外の地域で主に活動してきたことに触れ、「当時、東京の演劇界にいると、地域で劇場がどうあるべきかというのが見えなくて、埼玉を拠点に活動を始めました。なので東京が嫌いでやめたわけではないんです(笑)」と説明しつつ、今後は「宮城さんのお考えにシンパシーを感じつつ、東京からどんどんアーティストがいなくなっている実感もあるので、東京に日本中の面白いものが集まってくるようになったら。またAPAFについては、例えば25歳くらいの若い人たちが、海外のアーティストと直接ネットワークができるきっかけが作れたらと思います」と語った。

また東京芸術祭2018プログラムとして、宮城のプロデュースにより「野外劇 三文オペラ」の上演が決定した。宮城は「お祭りの出し物みたいな、そういう感覚で芝居に親しめるようなものをやりたいと思っていて。出演者はすべて、演出家のものさしだけを頼りに、オーディションで選びたいと思っています」と説明。「初めて芝居を観る人にはダイアモンドを見てほしいと思っているので、敷居を下げたらレベルまで下がってしまったと言われないように、クオリティは下げません!」と宣言した。

最後に宮城は「キャラクターがはっきりした芸術祭にしていきたいと思っています」と述べ、「池袋は演劇、美術は、音楽は、サブカルは……というように、東京に目鼻をつけ、東京のカルチャーの顔を作りたいというのが僕の願いで、そのために何がしか舞台芸術をバックアップできれば」と思いを語った。

なお「野外劇 三文オペラ」の出演者オーディションは明日11月30日から12月10日まで受け付け。詳細は東京芸術祭公式サイトにて確認を。

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東京芸術祭2018 プログラム「野外劇 三文オペラ」

2018年10月(予定)
東京都 池袋西口公園(予定)

作:ベルトルト・ブレヒト
音楽:クルト・ヴァイル
訳:大岡淳
演出:ジョルジオ・バルベリオ・コルセッティ
総合ディレクター:宮城聰

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