「24番地の桜の園」が明日11月9日に東京・Bunkamura シアターコクーンにて開幕。これに先駆けて本日11月8日に初日前会見と公開フォトコールが行われた。
商人・ロパーヒン役の高橋は、5年ぶりの舞台出演について「串田さんの作品には3本目の参加です。お話をいただき、1度お断りしたんですが『やってみりゃいいじゃん!』と言われ、飛び込みました。串田さんは無の世界から空気の粒を掴むように作品作りをされるので、(どうなるのか)誰にもわかりません。美しい世界が着実に組み上がっているはずです」と語った。
リューバの兄・レオニード役を演じる風間はパーティから始まった稽古初日について「『こじゃれた格好して集まれ』と言われ、『何を気取ってるんだ!』と思いました。渋谷の居酒屋でいいのに……」と登壇者たちの笑いを誘いつつ、「これが串田さんのこの演劇のスタートなんだなと、後に気が付きました」と続けた。
万年大学生のペーチャ役を演じる八嶋は「串田さんの作りたい世界はどこまでも自由で、“無限の可能性の海”に放り込んでいただき、そこを泳ぐのはワクワクします。ただ自由にはタフさが必要で、ときには溺れかけることもありますが、自分たちで光を見つけてそこに向かって全力で泳ぐ。そういう体験をお客様にもしていただいて、なにか見つけて持って帰っていただけたら」と観客に呼びかけた。
リューバの娘・アーニャ役を演じる松井は「古典作品はずっと挑戦したかったのですが、実際やってみると難しく、国も生きてた時代も違う人が作り出したものをどう理解して、どう表現したらいいのか、深く考えてしまいました。串田さんからは『真面目になるな』と言われまして、できるだけ自由になれるようにしています」と述べる。続けて養女のワーリャ役を演じる美波は「自分と似ていない役を、役として“第3の目”を持って客観的に楽しむというのが、今回の役者としての1つのテーマであり課題です」とコメントした。
女領主のリューバ役を務める小林は「チェーホフ作品に携わるのも初めてで、一観客として拝見していた串田さんの素敵な世界に入っていけるという光栄なことが同時に起き、お盆と正月が一緒に来た感じです」と心中を明かす。これまでの稽古については「串田さんは誰より自由で、役者というゴムを最大限に伸ばしてバチーンと離します。千本ノックならぬ“ゴム引き稽古”みたいでした」と振り返った。
串田は自身が手がけた舞台美術について「『映画の撮影をしてるのかな?』というような広間で、いろんなことが行われる。演じているのは俳優なんだけど、いろんな記憶のようなものが漂っている舞台にならないかなと。模型で実験しながら大がかりなことも考えましたが、どんどんそぎ落として、わりとシンプルになりました」と語る。最後に高橋は「最近は自分を閉じ込めて行く方向ばかりだったので、それを解放したい。芝居する瞬間に自由になることを教えていただいているような気がします」と締めくくった。
木内宏昌が翻訳・脚色を担当し、「桜の園」をもとに、チェーホフのさまざまなエッセンスを盛り込んで新たな作品を立ち上げる本作。キャストはほかに、
シアターコクーン・オンレパートリー2017「24番地の桜の園」
2017年11月9日(木)~28日(火)
東京都 Bunkamura シアターコクーン
2017年12月2日(土)・3日(日)
長野県 まつもと市民芸術館 主ホール
2017年12月8日(金)~10日(日)
大阪府 森ノ宮ピロティホール
作:
翻訳・脚色:木内宏昌
演出・脚色・美術:
音楽:太田惠資
振付:
出演:
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