「プライムたちの夜」が、明日11月7日に開幕する。それに先がけて本日6日にフォトコールと囲み取材が行われた。
本公演は、海外の上質な新作をいち早く日本に紹介する新国立劇場のセレクション企画の第5弾。アメリカの新進作家ジョーダン・ハリソンによる「プライムたちの夜」を日本初演する。同作は2014年にアメリカ・ロサンゼルスで初演、2015年にピュリツァー賞の最終候補作品となり、オフ・ブロードウェイで再演、さらには映画化もされた。
フォトコールでは、作品前半の重要な1シーン、10分程度が公開された。ある家の居間で、
よくある家庭の風景のようでいてどこか違和感を感じさせるのは、3人が過ごす居間の奥、暗がりの中で微動だにしない、
フォトコール後の会見には、出演者4名と演出を手がける
マージョリーの娘テスを演じる香寿は「大尊敬する浅丘さんとご一緒できるということで緊張していましたが、初めてお会いしたときからすごいオーラがあって、本当に学ぶことがいっぱいで……。また、新しい技術であるAIのお話ですので、お客様に楽しんでいただけるよう精一杯がんばらせていただきます」と意気込みを述べる。
テスの夫ジョン役の相島は、「浅丘さんとご一緒できるのが何よりうれしく光栄なことです。伝説の女優と同じ舞台に立って、いろんなことを見たり聞いたりできるのは財産だなと。オフの日にね、みんなでカラオケに行ったんです。『銀座の恋の物語』を、ルリ子さんの映像で、ルリ子さんとデュエットしたことはすごく感激でした!」と語り、会見場を和ませる。
「浅丘さん、相島さん、香寿さんとご一緒でき、稽古中もぜいたくなプロセスが経験できました」と語るのはマージョリーの夫ウォルター役の佐川。佐川はさらに「人間じゃない役を演るのは、学生のときに熊の役をやって以来初めて(笑)。お客様からどんな反応がいただけるのか楽しみです」と笑顔で述べる。
出演者たちの発言を受けて宮田は、「最近はAIのことがしょっちゅうニュースに取り上げられますが、このお話は今よりちょっとだけ未来の、AIがアンドロイドという形で家庭に入り込んでしまった世界のお話。親子や夫婦、高齢化社会の問題など、私たちが抱えるさまざまな家庭の問題をAIが解決できるのかということが描かれています」と見どころを説明する。さらに宮田は「浅丘さんにご出演いただけたことがとてもうれしい」と語り、「実は最初、浅丘さんとても悩まれて……」と続けると、浅丘が「だってわけわからなかったんだもん!」と応じて、記者から笑いが起こる。浅丘は「この台本をいただいたとき、ちょうど『やすらぎの郷』と『おんな城主 直虎』の台本も読んでいたのですが、この台本は一読して『これ、何? 私こんなのできない』と思ったんです。で、宮田さんにお会いしてお断りしようと思ったんですけど、宮田さんからいろいろ説明を受けて、実際に稽古を始めてみたら面白いし、素敵な作品かもしれないなと思って。それで今は張り切ってやっています」と笑顔を見せる。
また、和やかなカンパニーの雰囲気を象徴するエピソードとして、相島が「こちらの2人(浅丘と佐川)は仲良しです。休憩時間になると一緒のところに座って2人でお茶を飲んでるんですよ(笑)」と話し、出演者たちから笑いが起きた。最後に浅丘が「観終わっても拍手していいのかわからない作品かもしれません。が、私たちは拍手をいただけるようにがんばります」と力強く述べ、会見は終了した。公演は11月26日まで、東京・新国立劇場 小劇場、11月29日に兵庫・兵庫県立芸術文化センター 阪急中ホールにて上演される。
なおステージナタリーでは、本作の演出・宮田とプロデューサーの三崎力による対談を展開中だ。
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新国立劇場 開場20周年記念 2017/2018シーズン「プライムたちの夜」
2017年11月7日(火)~26日(日)
東京都 新国立劇場 小劇場
2017年11月29日(水)
兵庫県 兵庫県立芸術文化センター 阪急中ホール
作:ジョーダン・ハリソン
翻訳:常田景子
演出:
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