「レディ・ベス」小池修一郎が語る、“濃縮”した再演の見どころ&盟友2人の魅力

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ミュージカル「レディ・ベス」の公演に先がけ、演出・訳詞・修辞を手がける小池修一郎の取材会が本日9月27日に東京都内で行われた。

小池修一郎

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「エリザベート」「モーツァルト!」を手がけたミヒャエル・クンツェシルヴェスター・リーヴァイ、小池の3人がタッグを組み、エリザベス1世の波乱の人生を描いた本作。2014年に世界初演され、レディ・ベス役を花總まり平野綾、ロビン・ブレイク役を山崎育三郎加藤和樹、メアリー・チューダー役を未来優希と吉沢梨絵、フェリペ役を平方元基古川雄大がそれぞれWキャストで務めた。また10月から12月にかけて行われる再演には、上記のメインキャストが引き続き出演する。

まず、初演を振り返って小池は「(脚本・歌詞の)クンツェさん、(音楽・編曲の)リーヴァイさんから意見をいただきながら作品を仕上げていきました。前日まであった場面がなかったり、次の日には新しい場面が増えたり、それに対応するのが大変でしたが、お二人が目の前でどんどん構成を変更していく姿に圧倒されましたね。欧米には、本公演前にトライアウトやプレビュー公演を行うシステムがあるので、そういう作業の仕方に慣れているんでしょう。対して、日本人は予定調和的に作品作りをしてしまうところがある。海外との取り組み方の違いを改めて実感しました」と苦労と発見を語る。

ミュージカル「レディ・ベス」ビジュアル

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続いて、演出上の変更点について問われた小池は「今回、だいぶ“濃縮”しました(笑)。大胆にカットした部分もありますし、マイナーチェンジしたところもたくさんあります。初演は全体的に大らかな雰囲気でしたが、再演では少しシリアスになったというか、テーマ性がクリアになったと思う」と明かし、「このほか、ベスとロビンが別れるシーンのナンバーと、ベスが覚悟を決める際に歌唱される楽曲が増えています。前者は『このシーンではもっと切々とした印象を与えたい』という私のリクエストに応えて2人が作ってくれて、後者は彼らのほうから提案して書いてくれました」と再演における注目ポイントを挙げた。

小池修一郎

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またベス役の花總について小池は「トップスターを支えるトップ娘役というポジションを、宝塚歌劇団で務め上げたあとで、座頭として帝国劇場に立つ彼女の姿と、即位を受け入れるベスの姿がオーバーラップして見えました」と答え、同役を演じる平野については「初演時、落ち着いて淡々とこなしていた印象でしたが、実際本人はドキドキだったみたいですね(笑)。再演では、女優として一回り成長したところを見せてくれるのでは」と期待を寄せた。

ベスと恋に落ちる吟遊詩人・ロビン役を務めるのは、山崎と加藤の2人。小池は「育三郎くんは今、ブレイクしてますよねえ(笑)」と微笑みつつ、「ですが、『自分のルーツはミュージカルにある』ということを本人も改めて確認しながらやっているようです。以前はがむしゃらでしたが、客観的に役を見られるようになったのか、演技に立体感が出てきたと思います」と真剣な表情で語る。また、「2人が演じるロビンは、青春という言葉を体現したような人物。加藤くんはさまざまな経験を経て、リアリティを持ってロビンを演じられるようになったと思います」と加藤の俳優としての成長を讃えた。

小池修一郎

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フェリペ役の平方と古川の話題になると、小池は「努力して積み重ねてきたことが身を結んだのでしょう。平方くんは、このジャンルで長きにわたって活躍していく人になるんだろうなと思います」「古川くんは、翻訳もののミュージカルで歴史上の人物を演じることに、実感を持てるようになってきたのではないでしょうか。彼もミュージカル界を背負っていく存在になっていくと思います」と述べ、2人を絶賛した。

最後に小池は「女性主人公の物語だとどうしても恋愛が主軸になることが多いが、そこにもって行かないところがなんともクンツェさんらしい。人間のあり方を見るときに、角度を変えてシュールな視点から主役を分析していく、アプローチの仕方が独特だと思う。一方でリーヴァイさんの音楽は、観る側の本能を刺激し、揺さぶりをかけるような音楽。2人のバランスが取れているから、彼らのミュージカルはただの伝記にはならないのだと思います」と彼らの作品の魅力を語った。

公演は10月8日から11月18日まで東京・帝国劇場、11月28日から12月10日まで大阪・梅田芸術劇場 メインホールにて。

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ミュージカル「レディ・ベス」

2017年10月8日(日)~11月18日(土)
東京都 帝国劇場

2017年11月28日(火)~12月10日(日)
大阪府 梅田芸術劇場 メインホール

脚本・歌詞:ミヒャエル・クンツェ
音楽・編曲:シルヴェスター・リーヴァイ
演出・訳詞・修辞:小池修一郎

キャスト

レディ・ベス:花總まり平野綾
ロビン・ブレイク:山崎育三郎加藤和樹
メアリー・チューダー:未来優希、吉沢梨絵
フェリペ:平方元基古川雄大
アン・ブーリン:和音美桜
シモン・ルナール:吉野圭吾
ガーディナー:石川禅
ロジャー・アスカム:山口祐一郎
キャット・アシュリー:涼風真世
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読者の反応

薛 珠麗 Shurei Sit @_shurei_

初演&再演で作家陣と演出家のやりとりを全て翻訳した感想は「創造が爆発的エネルギーを持つためには、遠慮や忖度は敵!」だ。

https://t.co/eJ8AVarmLR
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