9月21日に開幕するバイエルン国立歌劇場「タンホイザー」の記者会見が、9月17日に行われた。
会見には総裁のニコラウス・バッハラーや音楽総監督で指揮者を務めるキリル・ペトレンコのほか、クラウス・フロリアン・フォークト、アンネッテ・ダッシュ、エレーナ・パンクラトヴァ、マティアス・ゲルネという主要歌手が登壇した。
バッハラーは「6年ぶりの日本公演です。前回2011年の公演は東日本大震災後の大変な状況の中での来日となりましたが、日本の皆さまはとても理性的に状況を受け止め、音楽に感動してくれました。今日は普段インタビューを受けないペトレンコも特別に出席しています」と、大のインタビュー嫌いで知られるペトレンコを紹介した。
ペトレンコは「私は人生で初めて日本を訪れました。日本に来てまだ4日目ですが、素晴らしい国です。それに食事も最高に美味しいですね」と賞賛。続けて「今回はモーツァルト、ワーグナーのオペラ、そしてマーラーの交響曲、劇場の幅広いレパートリーを超一流の歌手たちと上演し、皆さまに聴いていただきます。バイエルン国立歌劇場の長い歴史の中で、日本公演を私が音楽監督を務めている期間に行うことができて大変名誉なことだと思っております」と語った。
タンホイザー役を務めるフォークトは「バイエルン国立歌劇場と共に来日し、劇場の歴史の一翼を担えることを光栄に思っています。日本では毎日が素晴らしい。東京の街や人々も素晴らしいです。私のロール・デビューを聴いていただけるのを楽しみにしています」と挨拶。
エリーザベト役のダッシュは「今までとはまったく違う役、エリーザベトを歌います。前回の来日、ウィーン・フォルクスオーパーの『メリー・ウィドウ』では手拍子が出るような楽しい役でした。今回違った一面をお見せできるのが楽しみです」と述べた。
ヴェーヌス役のパンクラトヴァは「日本の皆さまはとても音楽に感動してくださいますし、終演後に楽屋口でも忍耐強く並びサインを求めてくださいます。アーティストへの敬意を感じます。今回は私の新しい役を見ていただけるのをうれしく思っています」と心境を語った。
ヴォルフラム役のゲルネは「この素晴らしいプロダクションで、日本の観客の前で歌えるのをとてもうれしく思います。日本の皆さまは音楽にとても感動し、オープンで、あら探しをすることもなく静かに聴いてくださいます。同僚たちと楽しい時間を過ごせると思っています」と期待を語った。
記者から音楽に向き合ううえでの信条を問われたペトレンコは、「特別なものはありません。とにかく音楽に真摯に向き合い、時間をかけることです。信条とするのならば“リハーサル”、この一語に尽きます」と回答。またオペラとシンフォニーでの指揮者の役割の違いについて聞かれたペトレンコは「本番で指揮者がやることはできるだけ少ないほうがいいと思っています。コンサートでの指揮者は、音楽をお客さまに伝えるだけです」と答えた。
最後にバッハラーは「『タンホイザー』は歌手などの個ではなく、舞台全体を観ていただきたいと思います。私のモットーは『オペラはライブに限る』。たくさんの観客に劇場に来てほしいと思っています」と呼びかけた。
「タンホイザー」は9月21、25、28日に東京・NHKホールにて。上演時間は約4時間30分を予定。
バイエルン国立歌劇場 2017年日本公演「タンホイザー」(全3幕)
2017年9月21日(木)、25日(月)、28日(木)
東京都 NHKホール
指揮:キリル・ペトレンコ
演出:ロメオ・カステルッチ
バイエルン国立歌劇場 2017年日本公演「魔笛」(全2幕)
2017年9月23日(土・祝)・24日(日)、27日(水)、29日(金)
東京都 東京文化会館 大ホール
指揮:アッシャー・フィッシュ
演出:アウグスト・エヴァーディング
リンク
- バイエルン国立歌劇場 2017年日本公演/NBS公演一覧/NBS日本舞台芸術振興会
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