11月から12月にかけて、東京・シアタークリエほか8劇場で上演される「誰か席に着いて」の製作発表が、9月6日に行われた。
本作は、ペンギンプルペイルパイルズの
今年2017年、すでに多くの作品を手がけている倉持。本作への意気込みを問われると「最近、『映像か』ってくらい転換が多い芝居をよくやっていたので、今回は初心に帰って、なるべく暗転なしの1シチュエーションで、仕掛けでなく演技で見せるような芝居にしたいなと。見た目の派手さではなく芝居で笑わせていきたいと思います」と、居並ぶ出演者たちにプレッシャーをかける。
田辺は「これほど少人数でがっつり芝居するのは初めてです。僕の役は木村さんと夫婦ですが、いろいろ抱えていまして、経済的にも妻に頼っていて、素直にサポート役に回ればいいんですけど自尊心もあるからなんだかちょこまかしている。しかも倉科さん演じる妻の妹と浮気もあったりして……(笑)。そこで見せる人間模様に人間の深い部分が出て、コメディとして面白いものになるのではないかと思っています」と期待を寄せる。
「久しぶりの舞台、そして倉持さんとのお仕事は初めてで緊張しています」と続けたのは木村。「私の役はかつては輝いていたけれど、今はスランプに陥って、なんと片桐さん演じる義理の弟が書いた脚本を、自分が書いたものとして世に出してしまおうという秘密を抱えています」と役について説明する。さらに隣席の田辺に視線を送り、「夫の浮気には気付いてない模様です」とぽそっとつぶやき、会場を笑いに包んだ。
倉持作品には6回目の出演という片桐は「コメディということで呼んでいただいたと思うので、がんばります。“こちらは一生懸命やっているのにお客さんが笑ってしまう”というのが僕の好きなコメディなので、一生懸命がんばります」と意気込みを述べる。
倉持のワークショップにも参加したという倉科は、その体験を振り返りながら、「倉持さんの演出を受けると、新しい扉がどんどん開いていく感じがしました。自分だけでなく、ほかの皆さんもどのように変化されるか、楽しみです。そして倉持さんには、ちょっとシニカルなというかブラックな面があられるので……」と言うと、すかさず片桐が「あられる?」とツッコみ、会場は大きな笑いに包まれた。
会見の後半では、「今、一番あなたの頭の中を占めている問題はなんですか?」というお題で、出演者たちが1分間で即興イラストを描く時間も。美大出身の片桐は「我が家の犬、18歳のももちゃんです」とイラストを掲げ、「老体で点滴も打っているのですごく心配です」と説明する。木村は「ものすごいホラー好きでして、でも最近あまりヒット作がなく、新しいホラーが来ないかなと思って」と、ゾンビの画を披露。倉科は、猫が板のようなものに手を掛けている画。「猫を飼っていて、まだ1歳に満たないんですけど、料理しているとキッチンに入ろうとして危なくて。入らないようにガードをガムテープで貼っています」と続ける。最後に披露されたのは、“画伯”の愛称を持つ田辺。「これ僕なんですけど(笑)」と説明しながら「お腹に矢印があるように、昨年の4月からどれだけダイエットしてもお腹のお肉が落ちなくなってきました。原因はわかっていまして、隣にあるロースライスなんです。味付けされた豚肉に衣がついてるもので大好物なんですけど、そのお店が撮影所の隣にあるんですね。先日、中学時代以来30年ぶりに食べたら変わらずおいしくて……1週間続けて食べても飽きなくて」と苦笑い。そんな“画伯”のイラストにコメントを求められた倉持が「感激ですね。本当に感動しています。内容はもう、どうでもいいんです、やっぱりこの空白が素晴らしいんでしょうね」と絶賛すると、片桐は「すごいとこを褒めますね」とツッコみ、再び会場が大きな笑いに包まれた。チケットは明日9月9日に販売開始。
「誰か席に着いて」
2017年11月10日(金)~12日(日)※プレビュー公演
東京都 シアター1010
2017年11月15日(水)
石川県 本多の森ホール
2017年11月18日(土)・19日(日)
大阪府 サンケイホールブリーゼ
2017年11月21日(火)
静岡県 浜松市浜北文化センター
2017年11月23日(木・祝)
福岡県 久留米シティプラザ
2017年11月25日(土)
広島県 はつかいち文化ホール
2017年11月28日(火)~12月11日(月)
東京都 シアタークリエ
2017年12月13日(水)
新潟県 上越文化会館
2017年12月15日(金)
山形県 やまぎんホール
2017年12月17日(日)
福島県 とうほう・みんなの文化センター
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