シス・カンパニー公演 KERA meets CHEKHOV「ワーニャ伯父さん」が、昨日8月27日に開幕した。
シス・カンパニーと
大学教授を引退したセレブリャーコフ(
開幕に際し、上演台本・演出を手がけるケラリーノ・サンドロヴィッチは、「前2作よりも小さな空間で、ポップさを心掛け、細かい表現にもこだわりました」と語り、「今回が3作中、一番良い出来映えなのは間違いありません」と自信をのぞかせる。ワーニャ役の段田安則は「チェーホフ好きの方にも、初めてチェーホフに触れる方にも、『おっ、いい感じのヒットを打ったんじゃない?』『見に来てよかった!』と思っていただけるものに仕上がったと思っています」と手応えを述べ、エレーナ役の宮沢りえも「チェーホフは、掘れば掘るほど底なしの深さがあって、演じていて楽しいですね。引き算も足し算もできる難しさがある分、役者として鍛えられます」と実感を述べている。
さらに、「最初は暗い印象を受けた戯曲が、KERAさんの上演台本と演出、稽古場での先輩たちの魅力的な姿を通し、不平不満や不幸の裏側の滑稽な面が見えてきて、とても面白くなってきました」とソーニャ役の黒木華が語ると、本シリーズに3作続けて出演のセレブリャーコフ役の山崎一は「回を重ねて、僕なりのチェーホフへの理解が深まった」と言い、「現代的な感覚があって、チェーホフは演じていてとても面白いですね」と作品の魅力を語っている。公演は9月26日まで、東京・新国立劇場 小劇場にて。
ケラリーノ・サンドロヴィッチ コメント
四大戯曲も3作目ともなると、チェーホフとの付き合い方も自分なりに会得できたと思っています。前2作が「交響楽」の趣きとすると、ミニマムで閉塞感が強いワーニャは、いわば「室内楽」。前2作よりも小さな空間で、ポップさを心掛け、細かい表現にもこだわりました。観客の皆さんが我を忘れて劇世界にのめり込める状況をつくることが自分に課した使命でしたが、スタッフ・キャスト一丸で精一杯やりました。今回が3作中、一番良い出来映えなのは間違いありません。
段田安則コメント
登場人物の皆がグチグチと不満ばかりを言っているので、最初は、「どこが面白いんだ?」と思っていたんです(笑)。でも、悲劇的な状況の中に喜劇的なニュアンスがある戯曲ですし、何よりも信頼する顔ぶれですからね、チェーホフ好きの方にも、初めてチェーホフに触れる方にも、「おっ、いい感じのヒットを打ったんじゃない?」「見に来てよかった!」と思っていただけるものに仕上がったと思っています。
宮沢りえコメント
チェーホフは、掘れば掘るほど底なしの深さがあって、演じていて楽しいですね。引き算も足し算もできる難しさがある分、役者として鍛えられます。私が演じるエレーナは多面的な要素をもつ女性。退廃的だけど魅惑的で、保守的だけど破滅的。劇中で「肉食獣」とも言われますし(笑)、自分の衝動に対して素直な、人間味あふれるエレーナにできればと思っています。
黒木華コメント
最初は暗い印象を受けた戯曲が、KERAさんの上演台本と演出、稽古場での先輩たちの魅力的な姿を通し、不平不満や不幸の裏側の滑稽な面が見えてきて、とても面白くなってきました。ソーニャは一番若いのですが、一番現実を見ているしっかりした人物。難しい役柄ですが、一番感情移入しやすい存在かもしれません。これは、チェーホフが苦手という方でも面白く見ていただける舞台です。
山崎一コメント
KERAさん演出のチェーホフシリーズには三作続けての出演です。回を重ねて、僕なりのチェーホフへの理解が深まった分、ワーニャは一番手ごわく感じました。僕が演じるセレブリャーコフの見え方で、芝居全体の見え方も変わってくるので難しいなあ、と。でも、誰もまともに言葉通りのことなんか思っちゃいないとか(笑)、そんな現代的な感覚があって、チェーホフは演じていてとても面白いですね。
シス・カンパニー公演 KERA meets CHEKHOV Vol.3 / 4「ワーニャ伯父さん」
2017年8月27日(日)~9月26日(火)
東京都 新国立劇場 小劇場
作:
上演台本・演出:
出演:
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