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映画の予告編でポルーニンの舞に魅せられ、YouTubeで彼のパフォーマンスを何度も観たという草刈は、「小さい画面で観てもその凄さがわかった。若いダンサーで素晴らしい人はたくさんいますが、その中で群を抜いている。ミハイル・バリシニコフやルドルフ・ヌレエフに次ぐ才能」と絶賛。「ポルーニンに才能を持て余す危うさがあるのでは?」という指摘に対しては、「危ういというよりも、出来上がるのが早過ぎたのでは? もともとのポテンシャルが高い上に、努力も群を抜いていたので、スタートラインがまったく違う。だから、子供の頃からバレエだけをやってきた彼が、『踊ることに何の意味があるのだろう?』とふと気付いたところから、自分自身の模索が始まったのだと思う」と分析した。
本作で印象に残ったシーンとして、本番前の楽屋でポルーニンが大量の薬を飲む場面を挙げた草刈。「痛み止めの薬を飲むとか、注射をするとか、栄養剤で気合いを入れるとか、私も何度も経験がありますが、心臓の薬まで飲んでいるのには驚きました。普通、怖さが先に立つものですが、彼は、そこまでやらないと自分の納得した踊りができないから平気で飲める。現在は危険だからやめたそうですが、踊りと身体のバランスを取るために自問自答する時間が必要なんでしょうね。モーツァルトと同じ、あまりにも早熟過ぎたがゆえの悩みですね」と自身の経験を踏まえて語った。
また時代の違いにも触れ、「昔のダンサーは、国を背負って踊っていたので、『やめる』という選択肢はなかったと思う。ところが、ポルーニンの時代はロシアも自由になり、才能があれば中学生や高校生でもロイヤル・バレエ団に留学することもできる。彼の苦悩は自由の中で育ってきたからこその模索のように思います。私の時代もそうでしたが、身体が衰えて、本当に踊れなくなる時期が来て、初めて踏ん切りがつく。それが普通だと思うんですよね」と述べた。
ポルーニンは「僕はダンサーであるよりは、1人のアーティストでありたい」と語っており、12月公開の映画「
草刈は「1度映画に出たからといって芝居がわかるわけでもない。映画を経験して、そこに何を見出だして、何を目指していくのか。あるいは芝居ではなく、やはり自分には踊りしかないと思って、バレエをさらに深めてもいいかもしれない。10年後、彼がどの立ち位置にいるのかをぜひ見届けたい」と締めくくった。
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