「7月歌舞伎鑑賞教室『解説 歌舞伎のみかた』『鬼一法眼三略巻 一條大蔵譚』」の記者懇談会が5月28日に行われ、
歌舞伎をより多くの人に気軽に楽しんでもらえるよう、人気演目を充実の俳優陣で上演する「歌舞伎鑑賞教室」は、今年2017年で50年目を迎える。この教室で「鬼一法眼三略巻 一條大蔵譚」が上演されるのは今回で2度目。
一條大蔵卿を演じる菊之助は公演について、「播磨屋の岳父(中村吉右衛門)もとても大事にしている演目ですので、教えをしっかりと守り勤めたいと思っております」とコメント。また、これまであまり歌舞伎に触れたことがない人たちに向けて、「堅苦しく考えず、劇場に遊びに来るような感覚で、お芝居を楽しんでほしいと思っています」と呼びかけた。さらに自身の希望から「一條大蔵譚」を上演するに至ったことを述べると、「見せ場は檜垣での“阿呆ぶり”と、一転“キリッ”とする大蔵卿の変わり目です。長刀をダイナミックに使い、ぶっ返った後に決まる姿など、一つ一つの形に意味が込められているので、あくまでもお公家さんでありながら、しかもダイナミックに見えるように、きっぱりと勤めたいと思っています」と意気込みを語った。
吉岡鬼次郎を演じる彦三郎は、「菊之助さんが以前勤めたことのあるお役ですので、とても心強く思っています」と語る。また「学生の方には、ストーリーに追われながら観劇してほしくないですね。そうするとどうしても、セリフを言っている人だけに目がいってしまいます。美しい衣裳、鬘、背景、さらには音楽など、自分が綺麗だと感じるものを歌舞伎の中に見つけてもらえれば、きっとプラスになると思います」と述べた。
「解説 歌舞伎のみかた」で、6度目の解説を担当する亀蔵は、「いつも通りにしっかりと、学生さんたちに伝わるように勤めたいと思っております」と意気込み、「源氏と平氏の関係を、イラストを交えながら、詳しく分かりやすく説明できたらいいなと思っています。そして、小さいお子さんにも興味を持ってもらえるように、動物を出してみたり、国立劇場は舞台機構も素晴らしいので、『大ぜり』や『すっぽん』を動かしながら、楽しい解説を心がけたいと思っています」と語った。
梅枝は自身が演じる常盤御前について、「まだまだ手も足も出ないかもしれませんが、一生かけて勉強していくつもりで、挑みたいと思っています」と述べる。「初めて観る方にとって、歌舞伎は分からない事がとても多いと思いますが、その自分には分からない事を『面白い』といって観ている人が実際にいる、自分にはなぜ分からないのだろう……そんな疑問を持って帰ってくれたら、ありがたいですね」と呼びかけた。
鬼次郎女房お京を演じる右近は、「
平成29年7月歌舞伎鑑賞教室「鬼一法眼三略巻 一條大蔵譚(きいちほうげんさんりゃくのまき いちじょうおおくらものがたり)」
2017年7月3日(月)~24日(月)
東京都 国立劇場
作:文耕堂、長谷川千四
監修:
出演
一條大蔵卿長成:
常盤御前:中村梅枝
鬼次郎女房お京:
吉岡鬼次郎:
ほか
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