「ダニーと紺碧の海」が、明日5月13日に東京・紀伊國屋ホールにて開幕。これに先がけて本日12日に公開ゲネプロが行われた。
本作は1983年にジョン・パトリック・シャンリィによって書かれた男女2人の会話劇。ある夜、社会での生きづらさを感じる男ダニーと、壊れた家庭環境に疲弊した女ロバータがニューヨーク・ブロンクスのバーで出会うシーンから物語が始まる。ダニーを演じるのはパルコ・プロデュース公演「ロスト・イン・ヨンカーズ」以来4年ぶりの舞台出演となるTOKIOの
ゲネプロでは上演時間の1時間40分ほとんどが、ダニーとロバータの会話で展開される。松岡は繊細さゆえに傷つきやすく、心の痛みを暴力として吐き出してしまう孤独なダニーを鬼気迫る演技で魅せる。対する土井は過去に犯した罪にとらわれ心を閉ざしてしまったロバータを、時にエネルギッシュに、時に狂気的に演じた。大都会の片隅で人生に疲れきった2人が激しく惹かれあっていく過程が描かれていく。
囲み取材では、松岡、土井、藤田が登壇。今回が二人舞台初挑戦となった松岡は、「舞台からほとんどはけることなく、ずっとしゃべりっぱなしなので、もう“夫婦漫才”みたいなものですね」と笑いを誘う。本日5月12日は
それを受けて藤田は「僕は蜷川さんのように灰皿や怒号は飛ばさず、愛情だけ飛ばしました。キャストの2人を愛して、一番いい形でダニーとロバータという役としてそこにいられるように」と語る。また「才能と優秀さと努力が備わると、こんなにいい役が出来上がるんだなと思いましたね」と2人を絶賛。蜷川については「命日に限らず、蜷川さんのことは毎日想っていますし、『蜷川さんに観てほしい』ではなくて、もう観てくれているんだと思います。これからも一生懸命がんばりたいという気持ちで、今日の命日を迎えています」と語った。さらに土井も「蜷川さんがいなかったら、今の私は存在し得ないので、常に感謝しています。とにかく毎日全力で板の上で生きていきたいです」と意気込みを語った。
ロバータのような感情の起伏が激しい女性について松岡は、「大変な女性っていうのは、それだけ魅力があるってことです。ダニーも喜怒哀楽がはっきりしていて、思ったことを言ってしまう。なので2・3歳の子供の喧嘩みたいだなと。そんなに動く芝居ではありませんが、怒鳴っていると力が入ってくるのか身体に堪えるんですよ。これから観に来られる方も節々には気をつけてください」と注意を投げかけた。土井は「ダニーは松岡さんが演じるからこそ、本当に愛すべきキャラクターになっています。板の上でも心から『えっ、何この人?』って思わせてくれるんです」と演じながら刺激を受けていることを明かした。
改めて初日に向けた意気込みを問われた松岡は「40歳になって1発目の舞台ですけれど、自分が経験したことがない扉を開けたいと思っています。是非、劇場に足を運んでください」と観客に呼びかけた。公演は21日まで東京・紀伊國屋ホールにて、5月27・28日には兵庫・兵庫県立芸術文化センター 阪急中ホールにて行われる。
「ダニーと紺碧の海」
2017年5月13日(土)~21日(日)
東京都 紀伊國屋ホール
5月27日(土)・28日(日)
兵庫県 兵庫県立芸術文化センター 阪急中ホール
作:ジョン・パトリック・シャンリィ
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