「6月歌舞伎鑑賞教室『解説 歌舞伎のみかた』『歌舞伎十八番の内 毛抜』」の記者懇談会が昨日5月9日に行われ、
歌舞伎の魅力を、より多くの人に気軽に楽しんでもらえるよう、人気演目を充実の俳優陣で上演する「歌舞伎鑑賞教室」。歌舞伎俳優が見どころをわかりやすく解説する「歌舞伎のみかた」も好評を博している。91回目の開催となる今回は「毛抜」を上演。錦之助が粂寺弾正を勤めるのは12年振りとなる。
公演に向けて錦之助は、「『毛抜』は、江戸歌舞伎の最たる物で、荒唐無稽、見て楽しい、きっと江戸時代のご見物の方たちは、こういうお芝居を見て楽しんだのではないでしょうか。あまり深く考えずに、『ああ面白い、見ていて楽しい!』と思っていただけるように、そして、私が弾正を勤めることで、『こういう一面もあって面白いね』と思っていただけるような『毛抜』にしてみたいと思っています」とコメント。また、これまであまり歌舞伎に触れたことがない人たちに向けて、「歌舞伎というものは、その人の人生を変えられるだけの力を持っているので、そういうものに若いうちに触れて何かを感じてもらいたいです」と呼びかけた。
腰元巻絹を演じる孝太郎は、「鑑賞教室への出演は今回で10回目になります。巻絹は、強い腰元でありながら、大人の色気も持っていて、粂寺弾正が『この女いいな、ちょっと触ってみたいな』と思えるような、そういう素敵な女性を演じられたらと思っております」と笑顔で語る。また「歌舞伎鑑賞教室は、若手の登竜門の一つ」と言い、「私も中学生の頃、父(片岡仁左衛門)の大星由良之助、亡くなった(十代目坂東)三津五郎のお兄さんの寺岡平右衛門、今の(中村)雀右衛門のお兄さんのお軽の『七段目』で、大星力弥を初役で勤めさせていただきました。当時、祖父の十三代目片岡仁左衛門に教わりましたが、祖父に教わった作品は少なくて、今でもよく覚えています」と思い出を語った。
「解説 歌舞伎のみかた」で解説を勤める隼人は「解説は3度目で、歌舞伎の魅力をどうしたら伝えられるかも、少しずつ分かってきているので、それを体現できるように、そして初めての試みにも挑戦して、SNSを取り入れることなども考えながら “歌舞伎はエンターテイメントだ!”ということを皆様に分かっていただけるような構成にしたいと思っています」と意気込みを語る。また「毛抜」で演じる秦秀太郎については、「父が得意としている和事の二枚目ですので、柔らさがでるように、また新しいものを吸収していけたらいいなと思っております」と述べた。
さらに6月16日には外国人を対象に、「Discover KABUKI」と題して同演目が上演される。隼人は「海外では歌舞伎の派手な所よりも、例えば下座に乗せてゆっくりと形をみせる立廻りなどが意外に好まれるように感じているので、立廻りも徐々に早さを変えていくなど見せ方を工夫したいと思っています」と語った。
平成29年6月歌舞伎鑑賞教室「歌舞伎十八番の内 毛抜(けぬき)」
2017年6月2日(金)~24日(土)
東京都 国立劇場
出演
粂寺弾正:
腰元巻絹:
八剣玄蕃:
小野春風:
八剣数馬:
秦秀太郎:
錦の前:
小原万兵衛:嵐橘三郎
秦民部:
小野春道:
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